デンマーク出身の家具デザイナーまとめ

/ 最終更新日:2024/02/16

デンマーク出身の家具デザイナーまとめ

日本でも熱い人気を集めている北欧家具。実はそのほとんどがデンマークのものだ、ということをご存じでしょうか。

普段目にしているおしゃれな家具は、デンマーク家具かもしれません。


そこで本記事では、そんな北欧家具の中枢を担うデンマーク家具を生み出した、デンマーク出身デザイナーについてご紹介します。

フリッツ・ハンセンやカール・ハンセン&サンなど、家具好きの方なら知っている有名ブランドのデザイナーもまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

デンマーク家具について

デンマーク家具とは、北欧家具の一つ。


北欧は主にデンマーク、スウェーデン、アイスランド、ノルウェーあたりのことで、ここらへんの地域で出来た家具全般のことを、北欧家具と呼ぶのです。

数ある北欧家具の中でも、デンマーク家具は、圧倒的なデザイン性と技術の高さが特徴的。


デンマークでは昔から、家具は使い捨てではなく、代々受け継いで大切に使うのが風習とされています。なので、買うときは財産の一つと思って購入する方が多いのです。れらの風習により、デンマーク家具は有名デザイナーを生むキッカケとなりました。


デンマークは寒い地域なので、家具も寒さをしのぐための工夫が随所に施されており、デザインもどこか心落ち着くナチュラルな仕様で、日本人ウケが良いのも納得です。


【関連記事】

北欧家具とは?5つの特徴と北欧家具ブランドを紹介

デンマーク家具の有名なデザイナー

ここからはデンマーク家具を生み出した有名デザイナーについてご紹介します。

普段使っている家具、良いと思っている家具が実はデンマーク家具かもしれません。

アルネ・ヤコブセン

“北欧家具の巨匠”という異名でも知られている、デンマークを代表するデザイナー「アルネ・ヤコブセン」。

アルネ・ヤコブセンは、建築家でありデザイナーでもある、変わった肩書の持ち主です。


代表的な家具は主にイスで、背と座一体型の「アントチェア」、美しい曲線がおしゃれな「セブンチェア」、身体を包み込むデザイン「エッグチェア」などが挙げられます。


常に常識にとらわれず、革新的なデザインを生み出しており、セブンチェアは現在の日本でもよく見かけるアイテムです。

現在でも愛される家具を1952年に完成させた彼は、ユーザーの要望や使い心地を見定める先見の目があったといえるでしょう。

オーレ・ヴァンシャー

ディテールと素材に強いこだわりを持つデザイナー「オーレ・ヴァンシャー」。

彼はデンマーク国内外でも数々のデザイン賞を受賞するなど、高い評価を受けています。


代表的な家具は、アルネ・ヤコブセン同様イス。オーレ・ヴァンシャーのイスを買うと、それから毎日毎日そのイスに座ることになるといわれるほどです。

もちろんデンマーク家具らしいところもあるものの、欧州・エジプト等を旅した経験やインスピレーションを家具に活かすなど、常に挑戦の姿勢で新鮮な家具作りを行ってきました。


彼のデザインした家具は、細い曲線をうまく利用することで生まれる躍動感あるフォルム。

さらにシンプルかつモダンで、部屋に置くだけでクラシックな雰囲気になるおしゃれ家具です。

フィン・ユール

東京都美術館でも展示会がされるなど、日本国内でも高い支持を集めている「フィン・ユール」。

デンマーク出身でありつつも、アメリカにも活動の幅を広げるなど、グローバルに活動をしていったデザイナーの一人でもあります。デザイナー当初は、デザイナーとしてあまり認められておらず、苦労した背景があるのだとか。


代表的な家具は、ソファとイスです。世界一きれいなアームを持つといわれる「イージーチェア」やソファのような座り心地のイス「ペリカンチェア」などが有名。

また「ベーカーソファ」は、圧倒的なデザインが特徴的で、まるで彫刻を置いているかのようだと比喩されます。


彼のデザインは、何といっても個性的。どの角度から見ても美しいフォルムは、芸術品に例える方も多いほど。

実用性や機能性を重視する家具が多いデンマーク家具ですが、彼は両方を追求し続けた人と言えるでしょう。

カイ・クリスチャンセン

2022年の現在もなお家具の開発に取り組む「カイ・クリスチャンセン」。

世界各国で個展を開催、2010年には日本にも足を運び、家具作りを行うなど精力的に活動するデザイナーの一人です。


有名な家具はアイコニックな椅子「No.42 chair」。人間工学に基づいて作られており、座り心地やデザイン、どこも妥協しておらず、日本でもファンの多い家具です。


彼の作った家具は、スタイリッシュというよりかは、温かみのあるデザインが多く、ブランド家具に詳しくない方でも使いやすいといわれています。

ボーエ・モーエンセン

“庶民のデザイナー”という異名を持つデザイナー「ボーエ・モーエンセン」。

有名ブランドというと高級でハードルが高いイメージですが、一般庶民でも買える価格でありながら質は落とさないバランス力が持ち味です。


代表する家具は、テーブルやデッキチェア。デザインの基盤といわれており、余計な装飾はそぎ落とす試みが使いやすさや実用性へと繋がっているのです。再現しやすい家具たちは、量産できるデザインに特化。

クラフト感のある家具、すっきりとしたフォルムは、置く家のインテリアを選びません。

ナナ・ディッツェル

デンマーク出身の女性デザイナー「ナンナ・ディッツェル」。

夫婦で事務所を設立し、世界的なデザイン賞をはじめ、あらゆる賞を受賞するなど、実力も折り紙付きです。

女性特有のやさしさや自然への配慮が込められており、虫や生物といった自然界で美しいと思ったものからインスピレーションを受けデザインに反映しているのだとか。


代表する家具は、イスやソファ。中でも子供用のハイチェアは、賞を受賞した家具の一つでもあり、生活に貢献するような実用性を兼ね備えていると話題になりました。

シンプルでモダンなデザインから、丸みのある優しいデザインまで、あらゆるデザインを網羅しています。

ヴェルナー・パントン

20世紀におけるデンマーク家具のデザイナーで、最も影響力のある人といわれている「ヴェルナー・パントン」。

セブンチェアを生み出したデザイナーで、有名なアルネ・ヤコブセンの事務所で働き、のちに独立します。

目を引く鮮やかな色合いと、光沢感のあるプラスチック素材が特徴的。


代表的な家具は、当時世界で初となるプラスチック素材を利用した一体型のイス「パントンチェア」です。現在でも使用されるほどの人気ぶり。


プラスチック特有のツヤ感あふれる家具が一般的ですが、中には艶消し加工された家具もあるので、落ち着いた雰囲気を出したい方にもおすすめです。

ハンス・J・ウェグナー

国際的に高い評価を受けており、デンマークを代表する家具デザイナーと言えばこの人!という方も多い「ハンス・J・ウェグナー」。

これまでデザイナーとしておよそ500以上のイスをデザインしてきており、その多くが世界中で評価されるなど、功績は言うまでもありません。

“デニッシュモダン”と呼ばれる彼特有のスタイルは、既存のデザインをよりシンプルにシンプルにしていく作業のことで、無駄をそぎ落とすことで生まれたとのこと。


代表的な家具は、やはり500脚以上を作ったイス。天然素材をふんだんに使った家具は、色合いも自然を生かした木目調、温かみを思う存分感じることができます。

ニールス・O・モラー

デンマークでも有名な老舗ブランド・JLモラーの創設者「ニールス・O・モラー」。

自身の製作工場と事務所の両方を持ち、木材を中心とした家具作りを行っているのが特徴的。


代表的な家具は、木材をここぞとばかりに利用したイス。滑らかな木肌、丸みを帯びたフォルムは、シンプルながら質の高さがうかがえる落ち着いたルックスです。


北欧テイストの家具は世にたくさん出ていますが、クセのないデザインは、本物の北欧家具!ともいわれており、使う人を選びません。

デンマークの家具ブランド

デンマークを代表するデザイナーをご紹介してきましたが、ここからはデンマーク家具のおすすめブランドについて解説します。

フリッツ・ハンセン

北欧家具といえば…の代名詞的家具ブランド「フリッツ・ハンセン」。

デンマーク家具における不朽の名作が並ぶフリッツ・ハンセンは、質・デザイン・実用性ともに圧倒的支持をされているのが特徴的です。

ブランド創立からおよそ150年が経過する老舗で、エッグチェアやスワンチェア、セブンチェアなど、ベストセラーアイテムが目白押し。

独特のフォルムが光るイスたちですが、クセというほどはなく、部屋に1つ置いておくだけでおしゃれになるから驚きです。

フリッツ・ハンセンの詳細はこちら

カール・ハンセン&サン

およそ110年の歴史、革新的なデザインを生み出してきた家具ブランド「カール・ハンセン&サン」。

彫刻のようなフォルム、独創的なデザインはモダンデザインの生みの親ともいわれており、新常識を生み出してきたブランドの一つです。

当時革新的で先行くデザインは、すぐには受け入れられませんでしたが、のちの名作へと変わります。

50人以上の職人を抱え、イスの部位によっては1人の職人が1時間以上かけて作り上げるなど、こだわりの強さは有名です。

カール・ハンセン&サンの詳細はこちら

デンマーク家具一つで部屋がおしゃれに

今回はデンマーク家具の生みの親・デザイナーについてご紹介しました。

北欧家具の一つでもあるデンマーク家具。日本人にも馴染みのある家具は、デンマーク生まれのデザイナーによって生み出された名作ばかりです。

木材を全面に出した温かみのあるデザインから、部屋に1つ置くだけで様になるモダンデザインまで、部屋のイメージに合わせて選べるバリエーションの多さも魅力的。

東京にある日本最大の家具店村内ファニチャーアクセス八王子本店で皆さまをお待ちしております。
家具選びでお悩みの際は、専門のスタッフが皆さまの家具選びをサポートさせて頂きます。
ぜひ東京で家具屋をお探しの方は、村内ファニチャーアクセスまでご相談ください。

コラム「ちょっとインテリア」トップへ