名作の椅子「Yチェア」とは?特徴やメンテナンス方法について紹介
公開日:2023/03/29 / 最終更新日:2024/10/24
北欧家具の定番ともいえる「Yチェア」を、インテリア雑誌やカフェなどでよく見かけることも多いでしょう。しかしYチェアの存在は知っていても、Yチェアについて詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事ではYチェアの特徴や歴史、長くお使いいただくためのメンテナンス方法を紹介します。
Yチェアとは
ハンスJ.ウェグナーは、家具メーカーのカール・ハンセン&サンより1950年に「Yチェア」を発表しました。
ウェグナーは、Yチェア初期にあたる「CH24」をデザインする前に、中国の椅子を参考にした「チャイニーズチェア」を考案。そして、進展したものがYチェアとなったのです。
また、Yチェアは日本で人気が高く、洗練された美しくナチュラルで温かみのあるデザインが人気を博しています。
販売メーカー
Yチェアは、デンマークにある、創業100年を超える老舗家具メーカー「カール・ハンセン&サン」が販売元です。
考え尽くされたデザイン家具を、厳選した素材を熟練した家具職人の技術により丁寧に作り上げられるクラフトマンシップは、100年経った現在も変わりません。
【関連記事】北欧家具とは?5つの特徴と北欧家具ブランドを紹介
Carl Hansen & Son/カール・ハンセン&サンについて
カール・ハンセン&サンは、50人以上の熟練した職人を抱える、デンマークを代表する家具メーカーです。そして、ウェグナーの家具を最も多く製作しています。
他にも、「アルネ・ヤコブセン」や「コーア・クリントン」、「ボーエ・モーエンセン」など北欧家具を代表するデザイナーの名作を数多く生み出しています。
また、日本の有名建築家である「安藤忠雄」がデザインした家具も制作。創業100年を超えた今も、カール・ハンセン&サンで製作されたコレクションは世界各国で愛され続けているのです。
カール・ハンセン&サンの詳細はこちらデザイナー
Yチェアをデザインした、「ハンスJ.ウェグナー」は20世紀を代表するデザイナーであり、北欧デザイン界にさまざまな影響を与えた人物です。
ウェグナーは、10代前半から家具職人として修業をし、17歳で家具職人の資格を取得しました。ちなみに、ウェグナーが生涯発表した家具は1,000作品。そのうち、500脚以上のチェアのデザインを残したため、ウェグナーは「椅子の巨匠」とも呼ばれています。
Yチェアの歴史
前述しましたがYチェアは、デンマークの家具デザイナー「ハンス・J・ウェグナー」が1949年にデザインした椅子です。Yチェアは、ウェグナーがデザインした椅子の中でも最も有名な作品のひとつとされています。
当初Yチェアは、スカンジナビアンモダンと呼ばれるスタイルの代表的な作品として、世界中で注目されたのです。また、Yチェアはシンプルでかつ美しくデザイン性にも優れていますが、使いやすさや耐久性も兼ね備えています。
Yチェアの特徴
Yチェアが長い期間愛され続けている理由は、優美なデザインと座り心地にあります。ゆったりとした大き目な座面と、背もたれとアームを兼ねた「Y」型のフレームが、柔らかに身体を包み込みます。また、フレームの滑らかな肌触りも魅力のひとつです。
座面には、柔らかすぎず硬すぎないペーパーコードが身体を優しく受け止めてくれます。アームに肘をかけ身体を預けてもしっかりと受け止めるので、長時間座っていても疲れにくいのも特徴的。
ちなみに、3本の紙をより合わせているペーパーコードは、冬は暖かく夏は涼しいため快適です。時間が経過することで身体に馴染み、より快適に座れます。
フレームの種類
Yチェアのフレームは、以下の素材から選ぶことが可能です。
ビーチ材
木肌は、白くて滑らかなビーチ材(ブナ)は、全体に小さな斑点があるのが特徴的です。また、北欧家具に使われている木材の中でも需要が高いといわれています。
オーク材
オーク材は、とても堅い木材なので傷が付きにくいのが特徴です。木目に、虎斑(とらふ)という、虎の毛の模様に似たまだらな木目が現れることがあります。必ずしも出るものではないため、虎斑が現れている木材は希少価値があります。
アッシュ材
アッシュ材は淡い色合いで、はっきりとした大きな木目が印象的です。また、耐久性が高く比較的軽いので、扱いやすい木材といえます。
ウォールナット材
ウォールナット材はくるみの木材を表しています。茶褐色が美しいウォールナット材は、密度が高く硬度も高いため、耐久性が高い木材です。またウォールナット材は、はじめは深い茶色ですが、経年とともに色が薄れ、味わいが出ます。
こちらの記事では、ウォールナットの特徴や性能について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【関連記事】ウォールナットとは?メリットやデメリットを紹介
マホガニー材
マホガニー材は深みがある赤い色合いで、美しい縞模様が特徴的な木材です。経年変化とともに深みが増すため、上品で高級感のある色味になります。
仕上げ方の違い
さらに、木材の仕上げ方も選ぶことができます。
ソープ仕上げ
木材に石鹸水を塗り込むことで、ナチュラルな木目の美しさと風合いを生かした仕上がりになります。汚れた場合は、石鹸水で洗浄やサンディングをしてお手入れをします。
オイル仕上げ
オイル仕上げは木材の風合いを損なわず、色や木目が生かされ質感も豊かな仕上がりです。またオイルが木材に浸透することで、木材自体を保護する膜を形成し、防水性が高まり汚れから守り、湿気や変形による縮みや割れを防止する働きもあります。
カラー仕上げ
木材に塗装をすることで、湿気や汚れから木材を守ってくれる方法です。塗料は、多くのカラーバリエーションを取り揃えているため、お好きな質感やカラーを選択できます。しかし、衝撃や摩擦によるハゲやカケは修復できないためご注意ください。
アーム&背もたれ
Yチェアのアームやさまざまなパーツは、木材に蒸気をかけながら曲げていく「曲木加工」で製作しています。曲木加工で成形したパーツは、継ぎ目がなく滑らかに美しい仕上がり。
なお、ゆるやかにカーブしている背もたれは、大きな体格でもゆったりと身体を包み込んでくれます。デザイン性だけでなく、機能性や利便性にも長けているチェアです。
脚
Yチェアの後ろ脚の曲線は、美しさを表す要素のひとつです。計算しつくされた構造や生産コストも考えた上で、美しい曲線形状に仕上げられています。
Yチェアのメンテナンス方法
世界中で愛され続けている「Yチェア」。お気に入りのチェアだからこそお手入れをし、自分の好みの経年劣化により変化する過程も楽しむことが可能です。それでは、Yチェアのお手入れ方法を確認していきましょう。
木の質感を楽しむお手入れ方法
初期段階では4〜6週間に1回、無着色や無香料の純石鹸を溶かした液で、定期的に汚れを落としてください。定期的に汚れを落とすことで、木の表面が徐々に汚れに強くなり、白木の色を長く楽しめます。
ソープウォッシュのお手入れ方法
- 1.石鹸は、カッターでフレーク状に削いだものを大さじ1杯、お湯200ccに入れて溶かします
- 2.ソープ溶液を少し泡立ててスポンジにつけ、汚れた部分を木目にそって洗います
- 3.洗ったら余分な泡は、シミの原因にもなるため拭き取りましょう
- 4.ムラなく仕上げるため、ソープ溶液を付けて絞ったタオルで拭きます
- 5.日陰で乾燥させてください
- 6.完全に乾いてから使用しましょう
経年変化を育てるお手入れ方法
乾性オイルを木に染みこませることで、木材の乾燥を防ぎ、湿度の変化や汚れから守るお手入れ方法です。
オイルでお手入れすることで、ほどよい艶が出て気の風合いを際立たせます。時間が経つほどに、深みのある落ち着いた色への変化を楽しめます。
- 1.オイルを使わなくなった布にオイルを少量取り、木目にそって全体に伸ばします
- 2.5~10分ほど経ったら、綺麗な布で拭き取りましょう
- 3.一晩しっかりと乾かしてから使用してください
- 4.1年に2~4回、オイルを使ったお手入れをおすすすめします
北欧インテリアの定番「Yチェア」で素敵な時間を
今回はYチェアの特徴や歴史、タイプ別のメンテナンス方法を紹介しました。Yチェアは、ダイニングや書籍など場所を選ばず使えます。シンプルでありながら、秀逸なデザインが上品な椅子といえます。ぜひ、Yチェアで素敵な時間を過ごしてみてください。
東京にある日本最大の家具店村内ファニチャーアクセス八王子本店で皆さまをお待ちしております。
家具選びでお悩みの際は、専門のスタッフが皆さまの家具選びをサポートさせて頂きます。
ぜひ東京で家具屋をお探しの方は、村内ファニチャーアクセスまでご相談ください。