デンマーク家具の特徴や魅力は？ブランド3選も紹介

公開日：2024/03/21 / 最終更新日：2024/04/23

デンマーク家具の歴史

まず、デンマーク家具がどのようにして認知されてきたのか歴史を知っておきましょう。

• ・デンマーク家具の最盛期
• ・デンマーク家具の衰退と理由
• ・デンマーク家具の現代的な復興

最盛期から現代にかけて、3段階に分けて解説していきます。

デンマーク家具の最盛期

デンマーク家具の歴史を紐解くと、1940年代から1960年代が最盛期であったとされています。
この時期、デンマークのデザイナーたちはバウハウスの影響を受けつつ、独自の進化を遂げました。

1900年代初めまで独自の家具デザインが乏しかったデンマークですが、木材の質を重んじ、伝統的な職人技と実用性を兼ね備えた家具が生み出され、国際的な需要を獲得したのです。

デンマーク家具の衰退と理由

しかし、1970年代に入ると、デンマーク家具は衰退期に入ります。
ポップカルチャーの台頭とともに、デンマーク家具のモダンなデザインは人気が急速に落ち込みました。

さらに、家具職人の減少とマイスター制度の衰退により、多くの家具工房が廃業に追い込まれます。
1980年代には、イタリアの家具が世界の注目を集め、デンマーク家具業界は困難な時代を迎えるのです。

デンマーク家具の現代的な復興

1990年代に入ると、デンマーク家具のモダンなデザインは再び脚光を浴び始めます。
特に1990年代中頃、スウェーデンのイケアが登場し、世界中で家具の革新が起こりました。

これに対抗する形でデンマークは、コストパフォーマンスの良い、質の高いデザイン家具へと方向転換を図ります。
1999年のノーマン・コペンハーゲン、2002年のヘイ、2006年のムートなど、新しいブランドが若手デザイナーを起用し、新たなデザインの波を生み出したのです。
また、この時代は復刻生産も盛んになり、国内外のメーカーがライセンスを取得。
クラシックなデンマーク家具の復刻版を製造するようになりました。

デンマーク家具の特徴と魅力

デンマーク家具は、機能性と美しさを兼ね備えたデザインで知られています。
その洗練されたスタイルは、シンプルながらも高い品質と使いやすさを実現しています。

ここでは、デンマーク家具の特徴的な要素をさらに詳しく掘り下げていきましょう。

「より良い生活」を目指すデザイン哲学

デンマーク家具は「より良い生活への貢献」といった考えのもとで作られています。
デンマークのデザイナーたちは、見た目が美しい家具を作るだけでなく、家具を通じて生活の質を向上させ、心地よい暮らしを実現することを使命としていました。

デザイナーの深い共感と理解が、デンマーク家具を長く愛されるものにしています。

デザイナーと職人の共創

デンマーク家具の一つ一つには、デザイナーの感性と職人の技が融合しています。
量産品であっても手作りの一点ものであっても、デザインと製作のプロセスは互いに影響を与え合い、卓越した作品を生み出しているのです。

デザイナーと職人の間の密接な連携が、デンマーク家具の高い品質を支えています。

共感を基にしたデザイン

デンマーク家具は、使用する人々への深い共感に基づいてデザインされています。
日常生活に根ざした感覚で、人間の行動やニーズを深く理解し、それを家具のデザインに反映。

年月を経るごとに愛着が増すような、生活者と共に歳を重ねる家具を目指しています。

素材への深い理解と感性

デンマーク家具の特徴的な側面は、素材に対する独自の理解と敬意です。
厳しい自然環境の中で培われた、木材などの素材への深い洞察が、家具の設計と製造の過程で生かされています。

素材のもつ特性を最大限に引き出し、人間の技術と組み合わせることで、独特のデザインと品質が実現しているのです。

カラーリングがシンプル

デンマーク家具は、シンプルな一色使いが特徴。
主にナチュラルなブラウン、ベージュ、ホワイトなどの明るい色が用いられ、空間を広く明るく見せる効果があります。

そのため、どのような環境にもスムーズに馴染み、利用者のライフスタイルに合わせやすい家具となっています。

丸みを帯びたデザイン

丸みを帯びた、曲線的なデザインもデンマーク家具の大きな特徴。
見た目の美しさとともに、柔らかく穏やかな印象を生み出します。

住宅から商業施設まで、あらゆる空間に適応しやすいため、幅広い場所で活用されています。

優れた機能性

デンマーク家具の機能性は非常に高く、使い勝手にも優れています。
収納や積み重ねが容易なデザイン、折り畳み可能な構造など、スペース効率を考慮した家具が多いのです。

また、人体工学に基づいたデザインにより、長時間の使用でも快適さを保てるでしょう。

高級素材の使用

デンマーク家具では、高級木材であるチーク材が頻繁に使用されています。
チーク材は、繊細な木目と美しい質感で高い評価を受けており、部屋の雰囲気を一層引き立てます。

近年は、手頃な価格で購入できる商品も増えており、北欧スタイルを気軽に楽しめるでしょう。

デンマーク家具ブランドとその特徴

ここからは、デンマーク家具の代表的なブランドと特徴について紹介していきます。

• ・FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)
• ・CARL HANSEN & SON(カール・ハンセン＆サン)
• ・Muuto(ムート)

一つずつ見ていきましょう。

FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)

FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)は、1872年にデンマークで創業した伝統ある高級家具ブランド。
耐久性とデザインに優れた家具の提供を使命とし、歴史を通じてその理念を貫いてきました。

1900年代初頭、コペンハーゲン市庁舎や国会議事堂に使用される家具の製作にかかわるなど、品質と信頼性が認められています。
さらに、1932年に発表した「ダンチェア」の成功は、FRITZ HANSENをデンマークを代表する家具メーカーへと押し上げました。
その後、アルネ・ヤコブセン、コーア・クリントなど著名なデザイナーとのコラボレーションにより、「セブンチェア」や「エッグチェア」といった名作が誕生したのです。

1990年代以降は、デンマークの若手デザイナーたちの作品を取り入れ、新しい時代のニーズに応える家具を製造。
2000年代に入ると、デンマーク国内だけでなく、国際的なデザイナーたちとの協力により、イノベーションを加速させました。
これにより、FRITZ HANSENは国際的なブランドとしての地位を確固たるものにしたのです。

FRITZ HANSEN / フリッツ・ハンセンの詳細はこちら

CARL HANSEN & SON(カール・ハンセン＆サン)

CARL HANSEN & SON(カール・ハンセン＆サン)は、1908年にデンマークで誕生した家具ブランド。
小規模な家具工場からスタートし、初期はオーダーメイドの木製家具、特にクラシックソファの製造に特化していました。
1915年に新しい工場を開設し、伝統的な職人技と機械による効率的な生産手法を融合させ、家具製造の効率化と品質の向上を実現しました。

2013年以降は、国際展開を加速させ、コペンハーゲンをはじめ、ニューヨーク、東京、ロンドン、ミラノ、ストックホルムといった、世界各地にフラッグシップショップを展開。
CARL HANSEN & SONのデザインと品質が世界中で評価されている証でしょう。

長い歴史と伝統をもちながらも、常に革新を追求し続けるCARL HANSEN & SONは、デンマークを代表する家具ブランドとして、現在も世界中の人々を魅了し続けています。

Carl Hansen & Son/カール・ハンセン＆サンの詳細はこちら

Muuto(ムート)

Muuto(ムート)は2006年、デンマーク・コペンハーゲンで設立された家具ブランドです。
ブランド名はフィンランド語で「新たな視点」を意味する「muutos」に由来。
伝統的な北欧デザインに、革新的な要素を加えようといった考えがあります。
また、現代のライフスタイルに合った独創的なデザインで知られ、若手デザイナーたちの新鮮な視点によって形作られているブランドです。

また、Muutoの家具は伝統的な北欧の美学、機能性、クラフトマンシップを基盤としながらも、先進的な素材や製造技術、大胆な発想力を活かしています。
その結果、日常生活に溶け込む家具をベースに、個性と新しさを感じさせる製品が多いです。

ユニークなデザインと高い品質で。世界中の家具市場に新たな息吹をもたらし、国際的にも高い評価を受けています。

MUUTO / ムートの詳細はこちら

デンマーク家具でインテリアを充実させよう

いかがでしたでしょうか。
この記事では、デンマーク家具の歴史や特徴、「FRITZ HANSEN」や「CARL HANSEN & SON」といった、ブランドについても紹介しました。

デンマーク家具の繊細なデザインと機能性の高さ、そして長期的に使用できる優れた耐久性は、毎日の生活を快適にしてくれるでしょう。

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