ベッド業界で3Sと呼ばれるブランドとは?それぞれの特徴と商品を確認
公開日:2022/03/25 / 最終更新日:2024/09/13
ベッド選びをする際、有名なブランドのものを購入したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで検討したいのが「3S」という呼び名でも知られるアメリカの有名ベッドメーカー3社です。
ここではベッドの3Sについて詳しく知りたい方のため、各メーカーの特徴と魅力を紹介してきます。
この記事を読むことによってベッドの3Sとは何か、他にどういったベッドブランドが人気があるのかなどがわかるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
ベッドの3Sとは
ベッドの3Sとは、アメリカの有名ベッドメーカーである「シモンズ」「サータ」「シーリー」の3社を指します。各メーカー名の頭文字が共通してSであることから、3Sと呼ばれるようになりました。アメリカでは三大ベッドブランドとして多くのシェアを誇っています。
3Sはいずれもアメリカのメーカーですが、日本企業とライセンス契約を結んでいます。そのため日本で販売されている製品は国内生産です。各社それぞれ3Sの技術を引き継ぎながら、日本人の生活や体型に合わせた製品を開発しています。日本の高い技術力により、ベッド大国アメリカと変わらない高品質なベッドの販売を実現しました。
シモンズについて
シモンズは当初チーズの木箱工場として1870年に誕生しました。シモンズの代名詞ともいえる「ポケットコイルマットレス」を開発したのは1925年のことです。当時スプリングマットレスは高級品で、一般的には出回っていませんでした。しかしシモンズがスプリングマットレスの大量生産を可能にし、大衆にも広く使われるようになりました。今ではアメリカの約6人に1人がシモンズのベッドを愛用していると言われています。
日本では1964年に神奈川県座間市に工場を設立しました。当時まだベッド文化が浸透していなかった日本人の生活や風土になじむようなベッドの開発を進めてきました。また、シモンズ本社に代わってアジア各国へ製品の輸出も行っています。常に改良を続け、国内外を問わず多くの高級ホテルでもシモンズのベッドが採用されるようになりました。日本において、3Sの中でもっとも知名度が高いのはシモンズだと言えるでしょう。
シモンズの特徴
シモンズの特徴は、「ポケットコイルスプリング」という独立コイルです。現在多くのベッドメーカーがポケットコイルを採用していますが、世界で初めて商業化させたのがシモンズです。現在でも、長年培ってきた技術でポケットコイルの性能や耐久性を向上させ続けています。
ポケットコイルスプリングの特徴は、体圧を分散して睡眠中の動きに細やかに対応できるところです。身体を「面」でなく、1つ1つのコイルが「点」で支えてくれることで実現しました。
なぜ点で支えるのか。それは、人間の身体は曲線を描いており、面ではその曲線に対応できないためです。点で支えることで身体の凹凸にフィットし、身体の一部だけが沈み込んで負担がかかってしまう心配がなくなりました。
また、寝返りを打ってもその人の下のコイルだけが荷重に対応し、他のコイルには影響を与えません。そのため、他の人と同じベッドで寝ていても振動が伝わらない点もポケットコイルスプリングの特徴です。ダブルベッドの世間への浸透にも影響を及ぼしました。
【関連記事】シモンズ(Simmons)のおすすめマットレスとメーカーならではの特徴やよくある質問について紹介
シモンズの商品紹介
シモンズは体型や好みに合わせた数多くの製品を販売しています。今回はシモンズを代表するプレミアムマットレス、「ビューティレストリュクスシリーズ」を紹介します。ビューティレストはコイルの素材や硬さ、配列などにこだわったポケットコイルマットレスのことです。ハイクラスホテルで使われているマットレスと同程度の高いクオリティが特徴の製品です。
リュクスシリーズのみに採用されているのが、ボックスピロートップ。ピロートップとは、身体を包み込む柔らかな質感と肌ざわりを実現するためにマットレスの上に重ねられたアイテムの名称です。ボックスピロートップはマットレスと一体となっており、そのおかげで体圧が分散されより快適な睡眠を期待できます。
また、マットレスを載せる部分にあたるボトムは、ボックススプリングタイプです。ボックススプリングとは、中にコイルが組み込まれていてクッション性のあるボトムのことです。ボックススプリングボトムとマットレスが相乗して、より身体にフィットするデザインになっています。マットレスとボックススプリングはそれぞれ空気を含みやすく放湿性に優れた構造のため、カビなどの心配も少ないと言えます。マットレスにかかる負荷をボックススプリングが吸収してくれ、長期にわたってマットレスがへたりにくいのも特徴です。
シモンズの詳細はこちらサータについて
1931年、サータの前身であるスリーパー・プロダクツが13社のマットレスメーカーによって設立されました。1940年にサータと社名を変更したあとも快適な眠りを追及し、1980年代に連続コイルを使用したマットレスを開発しました。連続コイルを使用したマットレスは、サータが業界初です。
日本ではドリームベッド社がサータとライセンス契約を結び、1979年よりサータ・ジャパンとして製造を始めました。製造はすべて日本で行われています。サータの最高技術を引き継ぎながらも、日本の環境や日本人の体型に合わせて改良を続けています。
ホテルベッドシェアは全米ナンバーワンの実績です。日本の有名ホテルでも数多く採用されています。
サータの特徴
サータのマットレスは、シモンズと同じくポケットコイルを採用しています。特徴的なのが、コイルの高さや太さが違うものをゾーニングして配列させている点です。頭、腰、足などそれぞれ重さの違いに応じてコイルの太さを変えて並べています。ゾーニングを行うことで負荷がかかりやすい腰などへのサポートが強化される仕組みです。
また、腰部分だけでなくマットレスのサイドにも太めのコイルを配列させています。寝返りをうったときに転げ落ちにくくなるだけでなく、腰掛けたときにそこだけ深く沈み込んでしまう心配もなくなりました。マットレス内部でポケットコイルの違いを利用して硬さ調節をしているのが、サータのマットレスの大きな特徴です。
さらにサータの特徴としてあげられるのが、防災性能に優れている点です。サータのマットレスは難燃仕様素材でできており、万が一火がマットレスに燃え移っても大きな発火が起こる時間を遅らせます。サータは安全性の面からも人気の高いベッドメーカーです。
サータの商品紹介
サータのマットレスは寝心地だけで選んでも16種類あります。その中でも特に上質な寝心地にこだわった「サータグランドプレミアム」を紹介します。
サータグランドプレミアムの大きな特徴は、ブレスフォートという最新の低反発素材を詰め物に使用している点です。ブレスフォートは通常の低反発素材に比べ復元力が強く、素早く身体になじみます。ブレスフォートで高反発ウレタンを包み込むことで、快適な寝心地を実現しました。横になった瞬間から他のマットレスとの違いが感じられるでしょう。
また、気泡が大きいため、通気性は一般的な低反発素材の約17倍です。そのため熱もこもりにくく、季節を問わず快適に睡眠が取れます。
サータの詳細はこちら東京にある日本最大の家具店村内ファニチャーアクセス八王子本店はこちら
シーリーについて
シーリーは1881年にテキサス州シーリータウンで創業されました。創業当初から医療機関と連携し、眠りの化学に基づいた技術で製品を開発し続けています。現在アメリカのベッド業界ではナンバーワンのシェアを誇っています。理想的な寝姿勢とは、立っている姿勢がそのまま横になった姿勢だとも言われています。快適な睡眠をとるための姿勢の再現を、現在でも追及し続けているのがシーリーです。
日本ではもともとシーリージャパンが製品を輸入し販売していましたが、1985年にライセンス契約を結び国内製造も開始しました。現在では株式会社スリープセレクトと社名を変え、シーリーの企画をもとに日本国内で製造、販売しています。
シーリーの製品にはラグジュアリーな雰囲気があり、寝室をより豊かな空間にしたい、と考える人々からの人気が高いメーカーです。
シーリーの特徴
シーリーのもっとも大きな特徴は、独自に開発し、米国特許も取得した「ポスチャーテックコイル」です。ポスチャーテックコイルとは、かかる重さによって反発力がかわるコイルのことです。コイルに力を加えると、当然コイルが縮みます。シーリーはコイルが縮むほどに反発力が強くなる仕組みを開発し、身体を安定して支えられるようにしました。
例えば、身体の中でも横になると頭や腰、足などで荷重が強い部分と弱い部分で差があります。ポスチャーテックコイルは部位の重さに合わせて沈み方が変わるため、一人ひとりの身体に合わせたサポートを可能にしました。
最上位モデルでは、ポスチャーテックコイルの上にさらに柔らかいコイルを載せています。ポスチャーテックコイルが反発力を調整したうえで、上のコイルが腰などの負担のかかりやすい部分も柔らかく支えてくれます。
世界を代表するベッドメーカーでも採用されている「ポケットコイル」について、こちらの記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
【関連記事】
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ポケットコイルの寿命は何年?マットレスを長持ちさせる方法
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マットレスの種類
マットレスには、いくつか種類があり、種類によって特徴や硬さが変わります。
部位によって素材が使い分けられているベッドなどを選ぶ際には、それぞれの特徴を理解しておくと自分に合ったものが選べるようになるでしょう。
マットレスの種類ごとの主な特徴は以下の通りです。
スプリング |
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ウレタン |
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ファイバー |
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ラテックス |
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このうち、スプリング以外はバネを使わないノンコイルです。
それぞれ紹介します。
種類①スプリング
連結したコイルにより面で身体を支えるボンネルコイルと、個別で袋に入ったコイルにより点で身体を支えるポケットコイルの2種類があります。
それぞれ特徴が異なるので、用途に合わせて適したほうを選びましょう。
ボンネルコイルはポケットコイルと比較して安価であり、耐久性が高いのが特徴です。
一方、体圧分散性に優れているポケットコイルは、腰痛対策としても効果的です。
種類②ウレタン
軽量なので、持ち運びしやすいマットレスを探している場合に向いています。
衝撃吸収性が高く、隣に振動が伝わりにくいため、2人で寝る場合にも適しているでしょう。
ただ、経年劣化で硬さが変わりやすく、耐久性はそれほど高くありません。
低反発・高反発・高弾性といった種類があります。
種類③ファイバー
弾力性があり、通気性に優れています。
また、水洗い可能な素材であるため、ダニやカビの発生を抑えたいと考えている方にもぴったりです。
耐久性はそれほど高くないのですが、価格は高めなので、慎重に選ぶ必要があります。
種類④ラテックス
天然素材を使用していることもありその他の種類と比較しても価格相場が高めです。
高価であっても素材にこだわりたいと考えている方から選ばれています。
通気性は高くないので、汗を吸収しにくいようにベッドパッドを併用しましょう。
高い弾力性も特徴です。
ベッドの3S以外に有名なベッドブランド
ベッドの3S以外にも人気が高く、多くの方から選ばれているベッドブランドがいくつかあります。
ここでは、代表的なブランドとして、テンピュール®、フランスベッド、パラマウントベッド、スランバーランドの4社を紹介します。
テンピュール®
NASAの技術を活かした素材を使用したベッドを製造しているメーカーです。
ロケットを打ち上げる際に宇宙飛行士にかかる加速重力を緩和する素材が使用されています。
長年使用しても元の形状に戻る特殊な素材が使用されているので、耐久性を重視している方にも向いているでしょう。
最長で15年間の保証が付いているほどです。
体重を面で支えて寝返りをサポートします。
フランスベッド
フランスベッドは日本のメーカーです。
日本初の分割式ソファーベッドなどを開発しており、同じく日本初となる療養ベッドのレンタルを始めた実績を持つメーカーでもあります。
特徴の異なるマットレスを多数開発しているので、好みに合わせて選ぶことが可能です。
例えば、ハードとミディアムソフトの2種類からマットレスを選べるライフトリートメントは、高密度連続スプリング®で、高い通気性を誇ります。
除菌機能を標準装備したマットレスなども人気です。
パラマウントベッド
病院用ベッドの専業メーカーとして始まった歴史を持つメーカーで、日本初の電動ベッドを開発したのもパラマウントベッドです。
在宅介護用ベッドだけではなく、高齢者施設や在宅介護分野、一般家庭用まで幅広く活躍する製品の開発を続けています。
上質な眠りを追求し続けているメーカーであり、ただ眠るためのものではなく、より快適な生活を送るための機能を搭載したベッドの開発を続けています。
パラマウントベッドの詳細はこちらスランバーランド
英国生まれのベッドブランドで、王室紋章使用権を贈られた実績も持ちます。
特に独自のマットレス技術であるポケッテッドポスチャースプリンギング・システムは、スプリングが背骨の自然形状と姿勢に合う形で伸縮するのが特徴です。
また、全身をしっかり支えながら柔軟性も備えています。
世界中の有名ホテル指定ブランドとしても知られる人気のベッドブランドです。
取扱家具ブランド・インテリア一覧はこちら
村内ファニチャーアクセスで3Sを体験
今回は、ベッドの3S、「シモンズ」「サータ」「シーリー」の特徴や製品を紹介しました。それぞれのマットレス内部のコイルや詰め物が、いかに高い技術力をもって開発されてきたかお判りいただけたでしょうか。そしてより理想の睡眠に近づけるため、現在もなお品質を高める努力を惜しみません。この技術力と向上心こそが、3Sを高級ベッドメーカーたらしめる所以なのでしょう。
ベッドやマットレスは、大きな買い物のため気軽に決めることはできません。どれだけ高級で高品質とうたわれているものでも、人によって合わない可能性もあります。そのため、購入を検討している方は実際に店頭で横になってみるのをおすすめします。横になることで、ベッド選びで重視すべき身体とのフィット感や硬さの好みなどが体感できます。
村内ファニチャーアクセスでは、今回紹介した3Sのベッドを数多く展示しています。ぜひ実際に足を運んでいただき、高品質な寝心地を体験してみてください。
東京にある日本最大の家具店村内ファニチャーアクセス八王子本店で皆さまをお待ちしております。
家具選びでお悩みの際は、専門のスタッフが皆さまの家具選びをサポートさせて頂きます。
ぜひ東京で家具屋をお探しの方は、村内ファニチャーアクセスまでご相談ください。