人工皮革〜家具の素材

分類

ひとくちに人工皮革といっても種類はさまざまです。擬革、合成皮革、人工皮革の3つに大きく分けられます。

擬革 イミテーションレザー。織物や編物の生地表面にポリ塩化ビニル樹脂などをコーティング(塗布)し、皮革様の外観としたものです。塩ビレザーが代表。
合成皮革 織物や編物、または不織布の表面にポリウレタンなどの発砲体を塗布し、その上にナイロン樹脂やポリウレタン樹脂をコーテイングして仕上げたものです。
人工皮革 ナイロンやポリエステルの極細繊維を束状に交錯したランダム三次元立体構造という繊維層の不織布と、弾性ポリウレタン樹脂で構成され、通気性、強靭性に優れています。また、表面部分には0.1デニール以下という極細繊維を使用することにより、皮革調の感触が得られる素材です。

人工皮革の製造工程

(タイプにより工程は前後します)

極細繊維

繊維を分割したり引き伸ばしたりして極細の繊維を造ります。
天然皮革はその極細繊維により、皮革特有の感触が得られます。人工皮革も極細の繊維を開発することで天然に近い感触を得られるようになっています。

不織布→ポリエステル樹脂含浸

出来上がった極細繊維を不織布状にし、ポリエステル樹脂を含浸します。

コーティング

表面にポリウレタンスポンジ層をコーティングする二層構造と、コーティングしない一層構造に分かれます。

表面仕上げ

コーティングした(あるいは「しない」)基布を直接仕上げれば銀付きタイプ(表皮を生かした仕上げ)の人工皮革に、表面を起毛させればスエードタイプの人工皮革になります。

主な人工皮革

PVC 「Polyvinyl chloride(ポリビニールクロライド)」の略。塩化ビニールレザー。
ソフトレザー ベトツキ感が少なくさらりと柔らかい、柔軟性に優れた素材。
プロテインレザー 天然皮革にも含まれるコラーゲン繊維をパウダー化し、特殊樹脂と融合させてできた人工皮革。質感や吸放湿性に優れています。
エクセーヌ 「革より革らしい」というキャッチフレーズの東レの人工皮革。スエードタイプ。
クラリーノ クラレの人工皮革。ランドセルの代表的な素材。
ベルセイム カネボウの繊維製品。椅子張り地などに使われる。
シルセーム ユニチカの合成皮革。椅子張り地などに使われる。

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