アーロンチェアとセイルチェアの違いとおすすめな人について解説

/ 最終更新日:2023/11/21

アーロンチェアとセイルチェアの違いとおすすめな人について解説

ハーマンミラー社のオフィスチェアには高額なアーロンチェアと、比較的低価格なセイルチェアがあります。

両者は機能的に似通った部分があるためしばしば比較されるものの、どのような違いがあるのかわからないという人もいるでしょう。

そこで本記事では、アーロンチェアとセイルチェアの違いや、それぞれがおすすめな人について解説します。

この記事をお読みいただければ、ニーズにあったオフィスチェアを自宅やオフィスに導入でき、よりよい環境でデスクワークにとりかかれるでしょう。

ハーマンミラーについて

ハーマンミラーは世界的に有名な家具メーカーで、有名デザイナーの手がけた高品質な家具を多く取りそろえています。

1923年の設立当初は、クラシック家具を中心に取り扱っていました。徐々にアメリカンモダンデザインの要素も取り入れつつ成長し、20世紀半ばには「モダン家具」の代名詞といわれるまでになりました。

設立から100年が経っても家具業界において大きな存在感を放ち、新たな製品を世に生み出し続けています。

ハーマンミラーがよい製品を生み出せているのは、世界的なデザイナーの関わりだけが理由ではありません。スタッフの個性を大切にしている点にもあります。

多様な考え方・価値観を尊重し、包括的な環境で働くことが、顧客ニーズに最適な製品を生み出す秘密なのです。

ハーマンミラーの詳細はこちら

アーロンチェアについて

アーロンチェアの起源は1994年です。「健康に良い」「多機能」「多様なサイズに合う」「環境への配慮」の4つをすべて満たした、斬新なデザインとして世に誕生しました。

当時は座面の素材といえば、ウレタンフォームが主でしたが、アーロンチェアではメッシュによる快適な座り心地を実現しています。

また、背もたれのサポート性にも大きな特徴があり、初期型から改良を重ねていきます。

そして2016年に、完全新作として「アーロンチェアリマスタード」が生まれました。

特徴は以下のとおりです。

  • ・ゾーン別サポート:クッションと背もたれに合計8つのゾーンがあり、それぞれ異なる張力で体圧を分散する
  • ・ポスチャーフィットSL:仙骨(骨盤)と腰部を同時にサポートし、自然な背骨のS字カーブをつくる
  • ・すべての人にフィット:3種類サイズ展開している
  • ・動きのコントロール:どのリクライニングポジションからでも動きをコントロールしやすい
  • ・ポジション機能:フレームの角度を1.8°前傾させることで、どの姿勢でも快適なポジションになる
  • ・多機能・多調整:ワークスタイルからリラックススタイルまで多彩に調整できる
  • ・カラー:グラファイト・カーボン・ミネラルの3カラー展開

セイルチェアについて

セイルチェアは、「デザイン性」「最先端の人間工学」「洗練された設計工学」「環境への配慮」の4つを満たし、かつ手ごろな価格帯となっています。

「セイル」とは、船の帆(sail)にちなんでおり、デザイナーのイヴ・ベアールは橋の下を通る船からインスピレーションを得てデザインしました。

特徴は以下のとおりです。

  • ・ポスチャーフィット:フレームのないメッシュ状のサスペンションバックにより骨盤をサポートする
  • ・耐荷重:350ポンド(159kg)までの体重をサポート
  • ・環境への配慮:ポリ塩化ビニル不使用により、ほぼ完全にリサイクルできる
  • ・多調整:ランバーサポートやアームレストを好みに応じて快適なポジションに調整できる
  • ・特徴的な構造:フレームレスの背もたれとYタワー構造による独創的なデザイン

アーロンチェアとセイルチェアの違い

アーロンチェアとセイルチェアは、ハーマンミラー社のオフィスチェアの中でもしばしば比較されます。以下で4つの項目について両者の違いを解説していきます。

座面

【アーロンチェア】

「ペリクル」という、アーロンチェアのためだけに作られたメッシュ生地を使用しています。座面の位置で硬さが異なり、体圧分散性能の高さを誇ることが特徴です。また、通気性が高く、長時間の作業でもあまりむれずに座っていられます。

【セイルチェア】

耐久性の高い上質な成形ウレタンクッションを使用しています。通気性は高くありませんが、お尻をすっぽりと包み込み快適な座り心地が得られます。

セイルチェアはワンサイズ展開ですが、座面の奥行きを調整できるため、身長の異なる人同士で使うことも可能です。

アーム

【アーロンチェア】

フルアジャスタブルアームレスト、もしくは固定アームレストのいずれかを選べます。

フルアジャスタブル機能は、高さ調整・開閉幅調整・前後方向調整が可能です。さまざまな作業に合わせてアームの位置を変更し、負担を減らす配慮がされています。

たとえばタイピング作業の際に、肘や腕がアームレストにのっていないと、長時間の作業で疲れてしまいます。肩・肘・手首などは痛くなることもあるため、自由にアームを調整することで、よりユーザーに合った使い方ができるのです。

また、座面の高さを変えた時にアームがデスクにあたって邪魔にならないよう、高さ調整してデスクの下にもぐりこませることも可能です。

【セイルチェア】

高さ調整可能なアジャスタブルアームと、アームレストの高さ・奥行き・幅を調整できるフルアジャスタブルアームがあります。

フルアジャスタブルでは、アームパッドが大きくなり幅の調整もできるため、より肘を乗せやすくなります。

アームパッドはアーロンチェアと比較するとやや低い位置になることと、肘を置いたときの硬さで好みがわかれます。

背もたれ

【アーロンチェア】

初期型ではランバーサポート(腰のサポート)が搭載されていました。高さを調整して、腰の支える位置をユーザーに合わせ、背骨の自然なS字カーブを作るものです。

2002年からは、ポスチャーフィットによるサポートに変わります。これは、骨盤を後ろからサポートして最適な位置にし、S字カーブを作ってくれます。

2016年のアーロンチェアリマスタードからはポスチャーフィットSLによる仙骨・腰椎の両方をサポートする仕組みに変わりました。体の負担を減らし、より正しい姿勢で作業できるようになっています。

【セイルチェア】

セイルチェアの特徴的な背もたれは、アーロンチェアのポスチャーフィットに似た機能をもっています。

アーロンチェアのようなフレームはありませんが、背もたれが柔軟に動き、体のこまかい動きに合わせてフィットする設計となっています。

なお、腰椎を直接サポートしたい場合、オプションでランバーサポートを付けることも可能です。

価格

ハーマンミラー公式ストアの表示価格をもとに、両者の価格による違いを解説します。

【アーロンチェア】

最安値のモデルは約10万円から購入可能です。アーロンチェアの価格はフレーム・アーム・ベース・キャスターの組み合わせがタイプによって決まり、最高値では約34万円と大きな差があります。

【セイルチェア】

セイルチェアの価格帯は約10~15万円と、同製品の中では大きな差がありません。価格差を決めているのはカラーで、基本のブラックが最安値です。

背もたれ・フレーム・アームの色を変えていくと、値段が少しずつ上がる仕組みです。

それぞれおすすめな人

アーロンチェアとセイルチェアのそれぞれおすすめな人を解説します。

アーロンチェアがおすすめな人

骨盤と腰椎のサポート力や座面の体圧分散性能を活かして、長時間作業したい人におすすめです。

リクライニング使用時は、背もたれに体をフィットさせたまま好きなポジションで動きやすくデザインされています。そのため、常に良い姿勢を保ちながら作業したい人にもおすすめといえます。

サイズは3種類あるため、小柄な人から高身長の人まで幅広く対応可能です。つまり体格の面では人を選ばないため、極力負担を減らしたい人はアーロンチェアを選びましょう。

しかし価格帯は高めなので、予算と相談する必要があります。

セイルチェアがおすすめな人

低価格を実現しているため、予算に余裕がない人にもおすすめできます。

機能的には、背もたれが体の動きに合わせて柔軟にストレッチされるため、作業中に体をのばしてひと休憩したい人にもおすすめです。

サイズは1種類しかありませんが、座面の奥行き調整を使えばさまざまな体格の人が使用できます。

細かな調整はアーロンチェアとほぼ同等に行えるため、座面の素材で選ぶのもよいでしょう。クッションの素材がウレタンフォームであるため、通気性は高くないものの、すっぽりと包み込む座り心地を好む人にはおすすめです。

船の帆を模した斬新なデザインは、さまざまなオフィスや住宅でおしゃれな空間を作ってくれます。デザインを重視したい人にとっては選ぶ決め手になるでしょう。

優先すべき点を明確にしてニーズにあう方を選びましょう

いかがでしたか。

本記事では、アーロンチェアとセイルチェアの違いについて解説しました。

ハーマンミラーのオフィスチェアは長い歴史の中で改良を重ね、現在の仕様へと変化してきています。

両者はいずれもハーマンミラーの掲げるコンセプトに忠実な素晴らしい製品です。

機能・デザイン・価格などからご自身のニーズにあう方を選んでみてください。



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