ハンス J. ウェグナーが初めてカール・ハンセン&サン社にデザインした椅子のコレクション「The first masterpieces」を特別展示いたします。
1949年、わずか数週間の滞在で当時まだ無名であった若き日のウェグナーが4種のプロトタイプを製作しました。CH22、CH23、CH24 そしてCH25 は、いずれもウェグナーらしい、彫刻的なフォルムをフィーチャーしたデザインです。
世界中に知られるCH24とペーパーコードが美しいラウンジチェアCH25は、継続して制作されてきました。一時製作が途絶えていたCH22とCH23は、製作が再開。さらに同時期にデザインされながら発表されなかった椅子CH26も併せて復刻されています。5脚のモデルは、現代のデニッシュモダンの歴史に残る名作ばかりです。
それぞれの椅子が独特の個性を放つ、ユニークな椅子のコレクション。いずれも高いクラフトマンシップを持って製作されています。
Designer
HANS J. WEGNER
1914 - 2007
”私の作品は芸術作品ではありません。日用工芸品なのです。ですから、手で触ってください。座ってみてください。 そして、よく見てください。曲線を手で追い、つなぎ目を見て、私の心の流れを感じ取ってください。”
「椅子の達人」として知られるハンス J. ウェグナーは、史上最も創造的で影響力のあるデンマークの家具デザイナーの一人です。
生涯500脚以上のチェアをデザインし、その多くが名作とされています。
The first masterpieces
CH22 | Lounge Chair
職人技の詰まった軽やかなラウンジチェア
あまりに複雑なデザイン構造のため、当時の技術では大量生産することが難しく1950年-1965年まで製造、2016年に現在の技術で可能な仕様にて復刻されました。
広く大きい背もたれと、ゆったり座れる座面。細かな部分に職人技が詰まった軽やかなラウンジチェアです。
CH23 | Dining Chair
細部に機能と美しさをちりばめたシンプルチェア
1950年当時は、斬新なデザインとシンプルさが高評価を受け、シンプルで独特な形状表現とウェグナーの職人技巧への造詣が見事に融合した椅子として知られていました。
二重に編まれた美しく耐久性のある座面や、八の字になりながら流線を描きひねりが入った形状の背束、座面と横の貫を一緒に編むことで貫が見えないこだわりなど、シンプルながらも細部に機能美がちりばめられたチェアです。
CH24 | Dining Chair
北欧デザインの名作である機能美チェア
北欧家具のアイコンであり、カール・ハンセン&サンの代表的なチェアであるCH24。通称Yチェア。ウェグナーは「考え抜かれた構造は、それ自体が装飾となりうる」と言ったように、古くは中国/明時代の椅子や過去の名作から学びデザインを見直し、手加工だけでなく機械加工も取り入れ、現代の需要に合うよう“リ・デザイン”を繰り返しCH24が誕生しました。
360度どの角度から見ても美しいデザイン、ウェグナーの想いが詰まったチェアです。
CH25 | Lounge Chair
カジュアルとクラシックを併せ持つチェア
大胆で彫刻的なフォルムから、当時は革新的なデザインと評価されました。フォルムばかりでなく、素材にもウェグナーは新しい試みとして戦時中の物資不足の中で一般的には知られていなかったペーパーコードを背と座に使用。十分な耐久性と美しさを見出し、現代においてもこのペーパーコードに多くの人が魅了されております。
楽な姿勢で身体を預けられる角度と背もたれ、カジュアルながらクラシックな趣あるチェアです。
CH26 | Dining Chair
エレガントなクラフトマンシップを感じるチェア
1949年当時、ラウンジチェアCH22を元にダイニングチェアCH26としてデザインしていました。しかし図面は残されていたものの試作品も製作もされず、長い期間世に紹介されていませんでした。ついに、2016年CH22の復刻と合わせて、ハンス J. ウェグナーデザイン事務所と協働し、復刻となりました。
丸みのある優しい肘掛けからすらっと伸びた流線を描く束は本当に美しく、クラフトマンシップが映えるエレガントなチェアです。
The first masterpieces Exhibition
展示期間
2025年4月19日(土) ~ 5月11日(日)