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白熱灯より蛍光灯がエコな訳

温室効果ガス削減効果は約200万トン!?

温室効果ガス削減へ向けて、「2012年までに、白熱電球(白熱灯)の国内製造・販売を中止し、電球形蛍光灯への全面切り替えを完了させる」 との方針を政府が表明しています。
蛍光灯のほうが長持ちなのはわかるけど、そんなに違うものなのでしょうか?

白熱灯は 「導体に電気を通し、高温に熱することで発光する灯り」 です。
オレンジ系のあたたかみのある灯りで、光と影の陰影を浮かび上がらせ、料理などの色を引き立ててくれます。
蛍光灯は 「放電によって発生した紫外線が、ランプに塗ってある蛍光物質を刺激して発光する灯り」 です。
寿命が長く経済的。やや青みのある白い光で、陰影がつきにくく全体を均一に明るくします。蛍光物質の違いにより、「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」などの種類があります。

蛍光灯のメリットは?

消費電力が少ない

蛍光灯の消費電力は白熱灯に比べて1/4〜1/5。60W型電球の実質消費電力は、白熱灯54Wに対して蛍光灯が10Wから12Wです。1日数円の電気代の差も、家中の電球の1年分となると万の単位になります。
また、点けているとき熱くならないのもメリットと言えます。

寿命が長い

白熱灯の寿命は約1.000時間。これに対して、蛍光灯の寿命は最も長いもので約10.000時間です。その間電球交換の手間が省けることを思えば、単純にコストの差以上の効果があります。

蛍光灯のデメリットは?

昔からよく言われる、「点灯時に電力を使うから頻繁につける場所には向かない」「点灯に時間がかかる」・・などのデメリットはずいぶん改善されています。白熱灯独特のおだやかな灯りを好まれる方も多いと思いますので、適材適所で使い分けてみてはいかがでしょう。
やはり一番のデメリットは、白熱灯の約10倍という価格。電気代や寿命のことを思えば蛍光灯のほうが経済的なのですが、今!目の前に安い白熱灯と高い蛍光灯があれば、やっぱり安い白熱灯を選んでしまいます。

白熱灯を電球型蛍光灯へ

蛍光灯のエコ効果は‘節電’にとどまりません。交換の手間がかからないのは、高齢者のご家庭や交換しづらい場所の器具にはうれしいこと。電球の原材料や梱包材、輸送にかかるコストやエネルギーもおさえられ、ゴミも減ります。
全世帯が白熱灯から電球型蛍光灯に切り替えた場合、CO2削減効果は家庭からの排出量の約1.3%、およそ200万トンと言われています。新しい電球を買うときにちょっと思い出していただければ、「高い!」「もったいない!」という気持ちも薄れるのでは??

いずれはLED?

信号や大型テレビなどに使われているLED(発光ダイオード)が、家庭用照明としても注目されています。消費電力は蛍光灯の1/2。まだまだ発光効率の悪さやコストの高さが問題ですが、いずれはエコな照明として主流になっているかもしれません。

電器に頼らない生活

究極は使わないこと

伝統的な日本家屋の構造は、湿度の高い夏を涼しく過ごすように工夫されていました。ポイントは陽射しを遮り、風を呼び込むこと。
エアコンのスイッチを入れるのは簡単ですが、ちょっとだけ自然と仲良くして 「夏は夏らしくかつ涼しく」 「冬は冬らしくかつ暖かく」 過ごすことも可能です。なるべくなら電化製品に頼らない生活・・というのも、豊かで贅沢な暮らし方かもしれません。

季節感を取り入れる

見た目の心地よさってとても大事です。夏は爽やかな白やブルーをインテリアに取り入れたり、麻や木綿・ガラスといった涼しげな素材を使ったり、季節の草花を飾ったり。暑くてじめじめして嫌だと思うより、インテリアも気持ちも夏仕様にしてしまったほうがずっと楽しいはず。・・・一年中同じカーテンがかかっていませんか?カーテンを替えると、がらりとイメージが変わりますよ。

陽射しや風をコントロール

夏は窓を開けて風を通す。カーテンやすだれで陽射しを遮る。冬はカーペットで床を暖かくする。カーテンを閉めて暖房効率を上げる。窓を締め切ってエアコンを効かせるより、窓を開けて風を通したほうが家具や家、そして体のためにもなります。打ち水をした後に吹く風の心地よさは、結構やみつきですよ。

自然の素材は生きている

たとえば羽毛布団。水鳥の羽根が空気を包み込み、温度や湿度をコントロールします。だから夏涼しく、冬暖かい。和室の畳や障子にも通気性や保温性、調湿機能があります。森林浴の清々しさの元はフィトンチッドという物質ですが、これは木材になっても永く保たれます。だから木の家や木の家具にはリラックスや疲労回復の効果がある。自然の素材は、暮らしを快適にする手助けをしてくれています。

どうしてもエアコンを使ってしまうときでも、効率を上げエネルギーを節約することができます。
・冷えた空気は上にたまります。扇風機で空気をかくはんしましょう。
・室外機の周りに余計な物を置いていませんか?室外機はなるべく日陰に、そして風通しをよくしましょう。
・設定温度の目安は、夏は外気マイナス5〜6度、冬は20度以下になるように。
・フィルターが汚れていると風量が落ち余計なエネルギーを使います。2週間に一度はフィルターのお掃除を。
・カーテンを閉めて、窓からの直射日光を遮りましょう。

環境への負担を減らす

何が何でも自然素材がいいというわけではないけど

人工の素材は膨大なエネルギーを使って作られ、使い捨てられ、ゴミとして処理するのにも環境に負担をかけます。
自然素材のエコロジーな点は環境への負担が少ないこと。自然から生まれ、自然に還り、循環します。傷がつきやすかったり、お手入れに手間がかかったりするのは生きているから。その分あたたかみがあり、安心感を与えてくれます。そんな素材だから大切に扱う、大切に扱うことは長く使うことになる、物を長く使うことは一人一人が簡単にできる一番のエコロジーです。
そして、家具インテリアに関わる人間として一番言いたいことは、木の家具は使えば使うほど味わいが出るということ。劣化するだけの人工素材との大きな違いです。

インテリアをちょっと変えるだけで

無駄なエネルギーを減らし、環境への負担を減らすことができます。
自然と仲良くし、季節を楽しむ。・・・そんな暮らしを心がけてみませんか?


(2008年6月作成)


本文中に使用している家具・インテリアの写真はイメージです。当社にてお取扱いのない商品が含まれる場合がございます。また、掲載しました情報はコラム作成当時のものとなりますので予めご了承ください。

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