色事典 緑の巻 3
緑の四方山話
鮮やかな新緑、萌え出る若葉、みずみずしい実の色・・・、くすんだ緑、渋い緑、深い緑、さまざまな表情を見せる複雑な緑・・・。 例えば植物だけをとっても、さまざまな 【緑】 があります。
色は、階級を表す (階級によって使う色が定められる) ものであったり、わずかな色の違いでおしゃれを楽しむものであったり、人々の生活に密着したもの。 動物・植物・鉱物・染料・顔料・・などから自然に生まれ、生活の中でさまざまな形で使われてきた慣用色はどれも美しく、なじみのあるものばかりです。
【緑】 の慣用色名を集めてみました。 お楽しみください。
※環境によって色の見え方が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
鶸色 ひわいろ
秋によく見られるひわ(スズメ科)の羽の色。明るい黄緑
鶯色 うぐいすいろ
うぐいすの羽の色。 やや茶色がかった渋い黄緑。 江戸時代頃から用いられた
裏葉色 うらはいろ
葉の裏側のような、白っぽく淡い緑。 平安時代にはすでに用いられていた
青磁色 せいじいろ
セラドン 青磁は淡い青緑のうわぐすりをかけた磁器
若竹色 わかたけいろ
その年に生えた新しい竹の冴えた緑。「若」 は鮮やかな色調を意味する
緑青色 ろくしょういろ
飛鳥・奈良時代に中国から伝えられた青緑色の顔料。 中でも最も良質なのが 「孔雀石」
萌黄色 もえぎいろ
草木の芽が萌え出る時の黄緑色。 木の芽が萌え出る色ということで 「萌木」 とも書く
萌葱色 もえぎいろ
緑の強い黄緑で、江戸時代人気のあった染め色。 歌舞伎座の定式幕の縦縞は 「黒・柿色・萌葱色」
麹塵 きくじん
こうじかびの出す色で、高貴な色。 皇室の晴れの儀式に用いられ、陽に当たると緑の光沢を放つ
海松色 みるいろ
浅い海の岩につく海藻 「海松」 の色。 青みの強いものを 「海松藍」、茶の強いものを 「海松茶」と呼ぶ
千歳緑 ちとせみどり
常緑の松の色。せんざいみどりとも呼ぶ
利休色 りきゅういろ
千利休にちなんだ抹茶の色
グラスグリーン grass green
草の葉のような濃い黄緑。古くからある色名
リーフグリーン leaf green
木の葉の表の色。くすんだ萌黄色
アップルグリーン apple green
青りんごの実の色
コバルトグリーン cobalt
コバルト顔料の色。明るく鮮やかな緑
マラカイトグリーン malachite
最古の顔料のひとつ。古代エジプトでは目を守る呪いとして、この色でアイラインをひいていた
ミントグリーン mint green
ミントの葉、または薄荷(ハッカ)酒の色。 ミントはシソ科ハッカ属の多年草の総称
ピーコックグリーン peacock
孔雀の羽の色。冴えた青緑
ビリジアン viridian
語源はラテン語の「viridis(ビリジス=緑)」
アイビーグリーン ivy green
常緑樹の木蔦、アイビーの葉の色
ボトルグリーン bottle green
ぶどう酒のガラス瓶の色
(2006年3月作成)
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