色事典 緑の巻 3

緑の四方山話

鮮やかな新緑、萌え出る若葉、みずみずしい実の色・・・、くすんだ緑、渋い緑、深い緑、さまざまな表情を見せる複雑な緑・・・。 例えば植物だけをとっても、さまざまな 【緑】 があります。

色は、階級を表す (階級によって使う色が定められる) ものであったり、わずかな色の違いでおしゃれを楽しむものであったり、人々の生活に密着したもの。 動物・植物・鉱物・染料・顔料・・などから自然に生まれ、生活の中でさまざまな形で使われてきた慣用色はどれも美しく、なじみのあるものばかりです。

【緑】 の慣用色名を集めてみました。 お楽しみください。
※環境によって色の見え方が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

鶸色 ひわいろ

鶸色 #CBC547

秋によく見られるひわ(スズメ科)の羽の色。明るい黄緑

鶯色 うぐいすいろ

鶯色 #918D40

うぐいすの羽の色。 やや茶色がかった渋い黄緑。 江戸時代頃から用いられた

裏葉色 うらはいろ

裏葉色 #C1D8AC

葉の裏側のような、白っぽく淡い緑。 平安時代にはすでに用いられていた

青磁色 せいじいろ

青磁色 #60B49F

セラドン 青磁は淡い青緑のうわぐすりをかけた磁器

若竹色 わかたけいろ

若竹色 #65C294

その年に生えた新しい竹の冴えた緑。「若」 は鮮やかな色調を意味する

緑青色 ろくしょういろ

緑青色 #47845E

飛鳥・奈良時代に中国から伝えられた青緑色の顔料。 中でも最も良質なのが 「孔雀石」

萌黄色 もえぎいろ

萌黄色 #A9D159

草木の芽が萌え出る時の黄緑色。 木の芽が萌え出る色ということで 「萌木」 とも書く

萌葱色 もえぎいろ

萌葱色 #006C4F

緑の強い黄緑で、江戸時代人気のあった染め色。 歌舞伎座の定式幕の縦縞は 「黒・柿色・萌葱色」

麹塵 きくじん

麹塵 #7D8361

こうじかびの出す色で、高貴な色。 皇室の晴れの儀式に用いられ、陽に当たると緑の光沢を放つ

海松色 みるいろ

海松色 #6E6B41

浅い海の岩につく海藻 「海松」 の色。 青みの強いものを 「海松藍」、茶の強いものを 「海松茶」と呼ぶ

千歳緑 ちとせみどり

千歳緑 #2B6442

常緑の松の色。せんざいみどりとも呼ぶ

利休色 りきゅういろ

利休色 #667137

千利休にちなんだ抹茶の色

グラスグリーン grass green

グラスグリーン #6D8346

草の葉のような濃い黄緑。古くからある色名

リーフグリーン leaf green

リーフグリーン #91BA58

木の葉の表の色。くすんだ萌黄色

アップルグリーン apple green

アップルグリーン #96C78C

青りんごの実の色

コバルトグリーン cobalt

コバルトグリーン #40BA8D

コバルト顔料の色。明るく鮮やかな緑

マラカイトグリーン malachite

マラカイトグリーン #009D5B

最古の顔料のひとつ。古代エジプトでは目を守る呪いとして、この色でアイラインをひいていた

ミントグリーン mint green

ミントグリーン #90CE9C

ミントの葉、または薄荷(ハッカ)酒の色。 ミントはシソ科ハッカ属の多年草の総称

ピーコックグリーン peacock

ピーコックグリーン #00AE9D

孔雀の羽の色。冴えた青緑

ビリジアン viridian

ビリジアン #00896B

語源はラテン語の「viridis(ビリジス=緑)」

アイビーグリーン ivy green

アイビーグリーン #487C38

常緑樹の木蔦、アイビーの葉の色

ボトルグリーン bottle green

ボトルグリーン #005739

ぶどう酒のガラス瓶の色

(2006年3月作成)

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