色事典 茶の巻 2
さまざまな茶
個人的な話ですが・・・
カラーコーディネートの勉強をしたときに 「主な慣用色」 も勉強しました。 きれいな色だなぁとは思ったけれど、「勉強」 「覚える」 となるとそれ以上の興味が湧かなくて・・・ ちっとも覚えられませんでした。
今回、このページを作るために改めて調べてみると、・・・ 本当に面白い。
いわれやエピソードを知るだけでその色が何か特別な色のような気がして、より美しく感じられます。
「好きな色は?」 と聞かれて 「赤」 と答えるより、 「ルビーレッド。 私の誕生石の色なんです」 と答えるほうが、自分だけの特別な色のような気がしませんか?
動物の色、草木の色、花の色、石の色 ・・・ たくさんの美しい色が存在します。
塗り絵では水色一色に塗ってしまう空の色も、決して単色ではなく、また刻々と変化します。ぜひ、身の回りの美しい色を意識してみてください。
前置きが長くなりましたが、 【茶】 の慣用色名を集めてみました。 お楽しみください。
環境によって色の見え方が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
白茶 しらちゃ
ベージュのような、薄く明るい茶色。緑がかったものを 「利休白茶」 という
香色 こういろ
ちょうじ(クローブ) や ニッケイ(シナモン) など、香木で染めた明るい茶色
金茶 きんちゃ
黄みの強い派手目の茶色。和装の色として欠かせない色
琥珀色 こはくいろ
透明感のある明るい茶色で、ウィスキーやブランデーの色を言い表したりする
媚茶 こびちゃ
「媚」 は 「艶っぽく、人目を引く」 という意味。江戸時代花柳界から流行った色といわれている
国防色 こくぼうしょく
【カーキ】 カーキはヒンズー語の 「土」 のこと。日露戦争のとき日本陸軍の色と定められた
黄櫨染 こうろぜん
天皇が儀式のときに着る袍(ぼう)の色で、禁色。黄櫨とは 「ハゼノキ」 「やまうるし」 のこと
煤竹茶 すすたけちゃ
古くなってすすけてきた竹の色。江戸時代に流行した渋好みの色です
路考茶 ろこうちゃ
江戸時代の女形、瀬川菊之丞が用いた茶。 「路考」 は瀬川家代々の 「俳名」
璃寛茶 りかんちゃ
江戸時代の人気役者二世嵐吉三郎が好んだ茶。女性の間で大流行した
女性に人気の 「役者色」
◇ 歌舞伎の定式幕にも用いられている 「団十郎茶」(柿色)
◇ 嵐吉三郎と人気を二分した三世中村歌右衛門(芝翫)が好んだ 「芝翫茶(しかんちゃ)」
◇ 初代尾上梅幸が好んだ緑がかった渋めの茶、「梅幸茶」
など、歌舞伎役者にちなんだ色は他にもあります。 江戸時代中期、江戸では歌舞伎役者の絵が売られ、競って買い求められました。 人気の歌舞伎役者が身に付けた衣装の色や柄を女性が真似し、 茶系を中心にたくさんの流行色が生まれたようです。
エクリュ ecru
さらしていない麻や絹の色。生のまま。生成り
語源は 「クリュ(Cru)」 で 「未加工」 という意味
トパーズ topaz
11月の誕生石トパーズの色。和名は 「黄玉」。様々な色があるが、色名のトパーズは黄褐色
コルク色 cork
コルクの色 コルクはコルク樫の樹皮から製造される
マルーン maroon
大粒のスペイン栗のような明るい赤みの茶。日本語の 「栗色」 は栗の皮のような灰みの茶
ロー・アンバー raw umber
アンバーは天然の土を原料とする褐色の顔料。名前の由来は産出地イタリア・ウンブリア州より
ロー・シェンナ raw sienna
天然の土が原料、黒味を帯びた黄褐色の顔料。由来は産出地イタリア・トスカーナ地方シェーナ
※ 「ロー・-」 は生のままの色、燃焼させたものの色は 「バーント・-」 と呼びます
セピア sepia
イカの墨の色。 語源はラテン語の 「コウイカ」。 イカ墨で書いた文字は日光で色あせ、薄い褐色になる。 これが写真などでいう 「セピア色」 のこと
(2006年5月作成)
本文中に使用している家具・インテリアの写真はイメージです。当社にてお取扱いのない商品が含まれる場合がございます。また、掲載しました情報はコラム作成当時のものとなりますので予めご了承ください。