快眠をコーディネート

睡眠時間を8時間とすると一日の3分の1にもなります。若い頃はもったいない時間だと思っていましたが、眠りは決して非活動的な時間ではありません。さまざまなホルモンが分泌され、血圧や心拍数も変化し、たっぷりと汗もかきます。身体と脳を休めて翌日のエネルギーを蓄え、成長ホルモンが筋肉を作り、皮膚の新陳代謝を促して美肌をつくり、脳の記憶力をよくするなど、人間の活動に欠かせない大切な時間です。徹夜で試験勉強をするよりも、十分に睡眠を取り、覚えたことを脳に定着させるプロセスが大切です。それを受験生の頃に知っていたらなあ。とにかく快適な眠りが得られないと、心と身体に悪影響を及ぼしかねません。快適な眠りは快適なベッドルームから。睡眠環境を考えてみませんか?

寝具で快眠

「すぎ」はよくありません

「硬すぎるベッド」では、お尻や肩など出っ張った部分に圧力がかかり、局部的にしびれて体全体が疲れてしまいます。
「やわらかすぎるベッド」では、体が沈み込みすぎて不自然な体勢になり、寝返りをうつのにも余計な力が必要になります。
硬すぎず、やわらかすぎず、立っている時と同じような自然な姿勢を保てるのが、ちょうどよいベッドです。必ず寝て試し、寝返りもうってみましょう。

「高すぎる枕」では、首が不自然に曲がり肩や首の筋肉に負担がかかります。
「低すぎる枕」では、頚椎を支えられず寝違えや肩こりの原因に。また頭に血が上り、頭痛やむくみを引き起こします。
「硬すぎる枕」では、頭部が安定せず不快感があります。
「やわらかすぎる枕」では、頭部が深く沈みこみ蒸れや息苦しさを感じます。寝返りもしづらいでしょう。
肩口から頚椎(首の後ろ)と後頭部のカーブをしっかり支え、自然にキープしてくれるのがよい枕です。枕の端が肩口に触れるくらいしっかり引き寄せて、首を支えておやすみください。

「重すぎる掛け布団」では、寝苦しい上に寝返りができなくなってしまいます。血行不良になり、心臓に負担がかかることも。
「軽すぎる掛け布団」では、寝返りをするたびに体から外れてしまったり、フィット感がなく寒く感じてしまうかもしれません。

寝返りをうっても体を包み込む適度な重さとやわらかさ、そして保温性、汗を吸収し発散する吸放湿性が掛け布団の条件です。

十分眠っても疲れが取れない、眠りが浅い、夜中に目が覚めるなど、眠りに関するお悩みをお持ちでしたら、一度寝具を見直して眠りの質の改善をしてみてはいかがですか?

カラーコーディネートで快眠

寝室に必要なのはリラックス。インテリアも刺激を避け、安らかな眠りへと身体をいざなうよう、落ち着いたコーディネートが大切です。

床や壁、天井などの壁紙のベースとなる色には、白やベージュなどのどんな色にも合わせやすいナチュラルカラーがおすすめです。
ソフトな色合いのブルーやグリーンをあわせると、ゆったりと落ち着く寝室になります。グリーンや深みのあるブルーは気持ちを落ち着かせてくれる色です。ただ使いすぎると寒々しくなってしまいます。また鮮やかな色は意識が冴えてしまうので要注意。

薄いオレンジ・レモン色などやわらかい暖色系の色味も、あたたかみがあっておすすめです。朝気持ちよく目覚めることができるはず。落ち着いたワインレッドのような少し暗めな赤紫色はよく使われますが、同じ暖色系でも、彩度の高い色や鮮やかな赤やオレンジなどの色は神経をたかぶらせ緊張させる色なので、寝室には不向きです。

ベッドリネン(ベッドで使用する布製品の総称。 シーツ、ベッドカバー、枕カバーなど)やカーテン、ラグなど面積の広いファブリックには落ち着いた色柄を使い、クッションやスリッパなど小物でアクセントをつけましょう。目が疲れる細かいチェック柄、照明が反射する素材、寝る前に目に入ってしまうと気になって眠れなくなってしまう趣味のものなど、刺激のあるものはなるべく避けたほうがいいと思います。

ライティングで快眠

夜眠る前に明るい光を目にすると、なかなか寝付けなくなってしまいます。カラーコーディネート同様、落ち着いたやわらかい光でリラックスできるコーディネートをしましょう。
LEDライトの普及で照明はリモコンで明るさや色温度をコントロールできるタイプが多く出ています。色温度とは光の色の尺度で低いと暖色系、高いと寒色系なります。色温度が低い順に「電球色」の温かみのある光、「昼白色」の自然な光、「昼光色」のさわやかなクールな光と3種類の光が選べるようになっています。
一般電球やボール電球はE26、小型のクリプトン球はE17のタイプの口金を選べば、そのまま電球型のLEDに交換できます。ただ明るさの基準が40型とかだったのが、ルーメン表記になっており選ぶ際は注意が必要です。また調光器対応タイプや密閉形器具対応タイプなど用途に合った電球があります。

メインの照明は直接下を照らすタイプ(直接照明)よりも、乳白色のカバー付のものや天井に光をバウンドさせるタイプなどを選んでください。光が柔らかくなります。ベッドに入ったまま操作できるリモコン付が便利です。枕が照明の真下にならないようレイアウトして、できるだけ光が目に入らないよう工夫しましょう。光源はあたたかみのある「電球色」がリラックスできます。

間接照明やスタンドライトやブラケットライト(壁付け照明)などを併用すれば、お休み前の雰囲気作りができます。癒しでしょうか、おしゃれな寝室でしょうか。
足元灯は夜中にトイレに行く時などに安全で便利。メインの照明を点けてしまうと、自分も目が冴えてしまうだけでなくパートナーも起こしてしまう恐れがあるので、ぜひ活用してください。
読書用のスタンドはできればひとり一灯用意したいですね。
真っ暗にすると不安で眠れないという方は、リラックスできる環境になるようできるだけ低い場所に小さな灯りをつけておきましょう。

朝はお日さまの光を浴びることで身体が目を覚まします。
快適な寝室でぐっすり寝て、気持ちよく目覚め、よい一日をお過ごしください。

(2008年12月作成)

本文中に使用している家具・インテリアの写真はイメージです。当社にてお取扱いのない商品が含まれる場合がございます。また、掲載しました情報はコラム作成当時のものとなりますので予めご了承ください。

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