夏の快眠術
蒸し暑くて寝苦しい夏の夜、熱帯夜。温暖化の影響で夜間の最低気温が25度以上の日が連続で続くことが当たり前になってしまいました。エアコンを付ける付けないで夫婦喧嘩をしたり、寝たんだか寝てないんだかで結局寝不足で1日ぼーっと過ごしてしまうのはもうたくさんです。快眠のために今スグできること、体調面と環境面からまとめてみました。ポイントはリラックス。でもお酒片手に動画配信サービスを観まくっていたら眠れませんよ!
コンディション(体調)をととのえる
睡眠は脳と身体の休息。代謝量を抑えるために体温を下げ、安静な状態を保ちます。
おひさまの光で目を覚まし、コップ一杯のお水や朝ご飯、運動などで徐々に身体を起こしていくように、睡眠にも“休息へ向かう準備体操”が必要です。
眠りにつきやすい身体でお布団に入ることが大切になってきます。ではコンディションの面からいくつかその方法を紹介していきます。
ぬるめのお風呂にゆっくりつかる
ぬるめのお風呂にゆっくり入ることで、疲れがとれ、リラックスして眠りにつきやすくなります。
- ・シャワーだけでは身体の表面しか温めることができません。
- ・熱すぎるお風呂では体温が上がりすぎ、身体が冷えるまでに時間がかかってしまいます。
38〜40度のぬるめのお風呂に20分程度つかり、休息をつかさどる副交感神経を優位にさせます。入浴後、体温を下げようとする働きにあわせて、30分〜1時間くらいまでの間に布団に入るとスムーズに眠りにつくことができるそうです。
- ・長くお風呂につかるには、身体に負担をかけない半身浴がおすすめです。
- ・お風呂上がりになかなか汗がひかないときは、脚の付け根の内側やわきの下を冷たいタオルで冷やしてみましょう。
1日エアコンの効いた室内で過ごした方や、血行が悪く冷え性で汗をかきにくい方などはぜひ試してください。全身の血行が良くなることで発汗作用も促され、体温が下がりやすくなり、自然に眠りにつくことができます。
リラックスタイムをつくる
寝る直前までテレビやパソコンのモニターやスマホを見ていませんか?ブルーライトの光の刺激が身体を覚醒させてしまいます。お休み前には、心と身体をリラックスさせ、眠る体勢を整えてあげることが大切です。ストレッチで身体をほぐしたり、好きな本を読んだり、好きな音楽を聴いたりだど1日働いた身体をOFFにする時間を作ってみましょう。
冷奴で安眠?
たんぱく質に含まれるトリプトファンというアミノ酸は体内に入るとセロトニンに、セロトニンはメラトニンに変わります。メラトニンは体内のリズムを整え、自然な睡眠を誘うホルモンです。
トリプトファンを多く含む食品は、肉・魚・豆・ナッツ・豆乳や乳製品など。またバナナやマンゴー、ドリアンなどにも含まれるそうです。夕食のメニューに取り入れてみてください。
睡眠中は胃腸も休ませてあげたいですから、寝る2〜3時間前には食事をすませましょう。
お休み前には、ハーブティーやホットミルクがおすすめです。
アルコールは1時間前までに
お酒を飲むと寝つきがよく、ぐっすり眠ることができるという説は間違いです。
アルコールが寝つきをよくするのは確かですが、これはあくまでも一時的なもの。その後深い眠りに移行するのを妨げてしまい、一度目が覚めるとなかなか寝付けなくなってしまいます。利尿作用がありトイレに行きたくなってしまうのも、睡眠の妨げとなります。よりよい睡眠のために、お酒は適量、寝る1時間くらい前までには切り上げることを心がけてください。
習慣付ける
早めに食事を済ませ、アルコールも早々に切り上げる。ぬるめのお風呂にゆっくりつかって疲れを癒し、好きな音楽や好きな香りでリラックス。そしていつもの時間に眠りにつく…
眠りにつく時間やお休み前の行動を決めておくと、身体がそれを覚えてくれます。時間が不規則な方も、飲み物や音楽、ストレッチなど眠る前の習慣を何かつけておくと、逆にそれをすることで身体が眠ろうとしてくれるかもしれません。
環境をととのえる
暑さと、汗による蒸れが夏の寝苦しさの大きな原因です。快適湿度をキープすることが大切です。エアコンや扇風機をうまく活用することともに、快適な寝具を選ぶことが快眠のポイントです。
エアコンは1時間タイマーでも朝までつけてもダメ!?
熱帯夜になると、外気温だけでなく室内も高温となるケースがあることから、熱中症を発症する可能性も高くなるといわれていることからも、体温をスムーズに下げ自然に眠りにつくためには、エアコンの力を借りるのも有効な手段です。
ただし、睡眠中は体温が下がり抵抗力が弱まっています。朝までつけっぱなしにするのは、弱った身体に追い討ちをかけ続けるようなもの。お目覚め前には身体が体温を上げようとするので、その際も体に負担をかけてしまいます。女性の方、お肌にも良くないですよ!
エアコンは体温を下げようとする働きを助けるために使います。必ずタイマーをセットしましょう。90分後に訪れる浅い眠りの際に目が覚めてしまわないよう、2時間後から3時間後にセットするのが目安です。送風口を調節して、冷たい風が身体に直接あたらないようにして下さい。
また、湿度を50~60%に下げることで汗を乾かす環境を作りましょう。
お休み前にエアコンや換気で室温を下げておくのもポイントです。夜どうしても暑くて目が覚める時は、扇風機を風が壁にあたるようにセットしておけば、微風が室内を循環します。
夏の寝装品選びのポイントは、『通気性・吸放湿性』と『洗える』
汗をかき、枕が首筋に当たるのさえ嫌な夏の夜。湿気を吸いやすく放出しやすい天然素材の寝具がおすすめです。枕カバーやシーツを替えるだけでも効果があります。特におすすめは麻。吸放湿性にすぐれ、さらりと爽快感があり夏にぴったりな素材です。
汗を吸収したお布団をしっかり干すのも忘れないで下さい。どうしても干せない日は、布団の下に本などをはさんで空間を作り、しばらく風を通してから押入などにしまいましょう。ベッドの方は、ベッドパッドをこまめに洗濯し、ときどきマットレスを立てかけて風を通しましょう。
冷やしすぎは逆効果
保冷剤や水枕で首筋を冷やすのも快眠に効果あり。でも冷やしすぎは逆効果です。身体が熱を作ろうとしてしまいます。タオルなどを巻いて、冷えすぎないよう注意してください。
視覚からも安眠効果
見た目にも涼しげで、気持ちを鎮めてくれるブルーやグリーンをインテリアに取り入れてみてください。照明は明るすぎないものを。間接照明は雰囲気作りに一役買ってくれます。
快適な睡眠を手に入れよう
「心頭滅却すれば火もまた涼し」とは言いますが、暑いものは暑いし、眠れなければ翌朝つらい。お風呂やエアコン、扇風機に快適寝具、水や氷など使えるものは何でも活用し、質の良い睡眠を手に入れましょう。今夜はぐっすりとお休みください。
(2009年7月作成)
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