家具の梅雨対策

シトシト、ジメジメ、嫌な季節、梅雨。雨にぬれたアジサイや、きれいに咲いた傘の花・・・と、文学的には趣があっても、湿気やカビのことを考えるとどうしても憂鬱になってしまいます。 そこで前もってカビ対策! 湿気と上手に向き合ってカビを撃退。梅雨を元気に乗り越えましょう。

カビとカビ対策

降り続く雨に部屋の湿度は上昇。洗濯物も乾かないし布団も干せない。何より心配なのは湿気が大好きな「カビ」です。カビは家具や内装を傷めるばかりでなく、ダニの発生やアレルギーの原因になったりもします。カビは微生物の一種。胞子をまき散らしあっという間に増殖します。カビの発生しやすい条件は次の通り…

湿度 ・・ 70%〜90%
温度 ・・ 20度〜30度 28度で最も盛んに増殖します
栄養 ・・ 食べ物だけでなく、ほこりや手垢、石鹸カスなども栄養となります

カビを生やさないためには、風通しを良くして温度と湿度を下げ、エサとなるホコリや手垢汚れをためないようまめにお掃除しましょう。カビが生えやすいポイントとカビ対策をまとめましたので、参考にしてみてください。

浴室

ドアのパッキンやタイルの目地に黒いカビ! 湿気も十分、石鹸カスや垢など栄養分も豊富にありまさにカビの天国です。

入浴が済んだら…

  1. 1. お湯を抜く・・ためておく場合はふたをきっちり閉めておく
  2. 2. 壁に熱いシャワーをかける・・・飛び散ったカスや垢を洗い流します
  3. 3. 冷たいシャワーをかける・・・浴室の温度を下げ水蒸気がつくのを防ぎます
  4. 4. バスタオルなどで壁の水分を拭き取る・・・ご面倒でなければおすすめ
  5. 5. 換気する・・・湿気を十分に逃がしてやります

ぜひお試しください。

カビ取り剤で掃除するときは吸い込んだり肌につけたりしないよう十分注意し、必ず換気をしながらにしましょう。力任せにこするのではなく、歯ブラシなどで軽くすり込む程度にして放置した後、水で洗い流します。しぶといカビにはティッシュなどを貼りつけ十分に薬品をしみ込ませてください。

キッチン

火を使っているときだけでなく、洗い物など水を使っているときも換気扇を回して、湿気を外に出しましょう。使用後もしばらく回しておくと効果的。飛び散った油や食べ物のカス、水滴はカビのエサになるのでこまめにふき取ってください。

エアコン

内部にカビが生えるとカビの胞子を部屋中にまき散らすことになります。まずフィルターはまめにお掃除。2週間から1ヶ月に一度は掃除機でほこりを吸い取り、2ヶ月に一度は水洗いしましょう。しばらく使っていなかった場合は、運転の前に窓をあけてしばらく送風運転しましょう。またエアコンを使った後は、30分〜1時間ほど送風運転させると内部の水分を飛ばすことが出来ます。

ふとんと押し入れ

一晩分の汗をタップリ吸い込んだ寝具のふとんは、すぐに押入れにしまわず少し乾燥させてからにしましょう。押入れの中には物をぎゅうぎゅうに詰め込まないこと。スノコを利用して壁や床に隙間を作ると、空気の通り道が確保できます。スノコがなくても壁から数センチ離して収納するよう心がけてください。換気するときは両側を少しずつ開け、空気の流れを作ってあげるとより効果的です。

玄関・下駄箱

ぬれた傘や靴をそのまま持ち込まないこと。家に入る前に水分をよく切ってください。ぬれた靴は新聞紙などを入れて乾かしてから下駄箱にしまうようにしましょう。下駄箱の中は新聞紙を敷いたり、湿気吸収剤を置くなどして湿気を取り、ときどき換気してください。

洗濯機・洗濯物

洗濯し終わった衣類はすぐに洗濯機から取り出し、ふたはあけたままにして中を乾燥させておきます。
洗濯物は室内に干さないのが原則ですが、どうしても部屋の中に干すときは、湿気が他の部屋に流れないよう部屋を締め切り、除湿機やエアコンの除湿機能を使いましょう。浴室に干すのもいい方法です。入り口は締め切り窓を開けるか換気扇をまわす、または除湿機や乾燥機で乾かしましょう。

雨が降っているときに窓を開けると、湿気が入ってきて逆効果です。発生した湿気はすぐに外へ逃がすこと。空気の通り道を作って風通しを良くすること。ほこりや汚れはすぐにお掃除すること。・・・を心がけてください。 生えてしまったカビは、丁寧にふき取り消毒用アルコールで消毒しましょう。

家具の梅雨対策

さて本題の家具の梅雨対策です。湿気とカビは家具にも大敵です。家具に使われている素材や塗装方法や設置場所でカビが生える、生えないがありますが、高温多湿の日本ではまずカビの防止策が大切となってきます。

家具のカビ予防

様々な要因がありますが、なんといっても一番は湿気です。最近の住宅事情で高気密、高断熱の部屋もカビが生えやすい原因になっています。梅雨の時期は除湿に気を配りましょう。

1.換気をする
高気密、高断熱の住宅はエアコンを使うことが多く、窓を開けて換気をすることが少なくなりました。部屋の湿度が高いとカビが生えやすくなるので、湿度を下げるためにも、窓を開けて時々換気しましょう。家具の扉や引き出しも閉じていると密閉されているので、窓を開けるように開けて空気を通らせるとカビの予防に効果的です。

2.ドライシートや新聞紙を入れてみる
家具の中に湿気吸収剤を入れておくと湿気を吸ってくれます。敷くタイプの湿気取りシートもあります。このタイプは天日に干すと効果が復活しますので繰り返し使えて経済的です。
新聞紙にも吸湿効果があるのでおススメです。

3.家具と壁の間に隙間を作ろう
家具を置く際、壁にピッタリくっつけて置くことはカビが生える原因になります。壁の湿気を家具が吸い込んでしまうからです。壁との隙間を作ることで空気の通る道を作り湿気を抑えカビの発生を防ぎます。見栄えは悪いですが、下にスノコを敷いて床からも離してあげるとより効果的です。

4.除湿機やサーキュレーター
濡れた洗濯物を室内で干すと、部屋の湿度は上昇します。そこで除湿器をおススメします。またサーキュレーター(扇風機)で空気を循環させると湿度の上昇を抑え、また洗濯物も乾きやすくなります。

5.ほこりは拭きましょう
ほこりはカビの栄養素です。ほこりを取るだけでカビの発生が減少します。

家具にカビが生えてしまったら

家具から中のモノを取り出し、硬く絞ったタオルなどでカビを取り除いて、乾拭きして壁から離して乾かします。
家具の中の湿気をとるためにサーキュレーターなどで風を当てて乾燥させることも効果的です。

※自然塗料や天然木の家具には消毒用アルコールの使用には家具を傷めてしまう可能性があるので注意が必要です。

水太り?

湿気が多くなると木の家具は湿気を吸って膨張します。すきまをなくして湿気をシャットアウトし、収納物を守ってくれるありがたい性質。ですが、引出しが開けにくくなってしまう場合もあります。そんなときの対処方法です。

  • ・天気の良い日に風通しの良い日陰で風に当てると元に戻ります。
  • ・それでもダメならドライヤーの冷風を側面に当ててみましょう。ドライヤーは約30cm離し、熱風をかけないよう必ず冷風を当ててください。
  • ・引き出し本体の側面や底板にロウを塗るかサンドペーパーをかけておくとすべりがよくなります。
  • ・どうしても引き出せないときはその他の引出しを抜いたり扉を開けたりして、家具本体に風を通してみましょう。

楽しく湿気対策

「梅雨だからお掃除しなきゃ」「家具を動かすの大変」「家具の裏側なんて見たくない!」などと考えるとちょっと億劫になってしまいます。
じゃあ思い切って、「模様替え」をしてみませんか? 家具をほんの少し動かすだけで、家具に風が通るだけでなく気持ちもリフレッシュします。ふき掃除も模様替えの一連の動作ならあまり苦になりません。
レイアウトをそっくり変えてしまおうなんて気負わなくても、ちょっと移動させてみたり、インテリア小物の配置を変えてみたりするだけで十分。ついでにお掃除して、ちょっと壁から離してあげればいいのです。
また「衣替え」のときも、家具に風を通すことを意識してみてください。タンスの中身を入れ替えるついでに中をふいて、しばらく開け放し、干しておいてみては?

滞っているものを動かして風を通す家具にもリフレッシュが必要です。家具をリフレッシュさせることで、家も、そして人もリフレッシュ。気持ちよく梅雨を乗り切りましょう。


(2005年6月作成)


本文中に使用している家具・インテリアの写真はイメージです。当社にてお取扱いのない商品が含まれる場合がございます。また、掲載しました情報はコラム作成当時のものとなりますので予めご了承ください。

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