家具・インテリアの大掃除

「今年こそ徹底的にきれいにしてすがすがしい気持ちで新年を迎えるぞ!」…毎年そう思います。
「普段からやってるから別に年末に慌てなくても大丈夫」…尊敬します。

いつやるか、どう分担するか、どこまでやるか、などと考え出すとタイヘン!「こりゃ〜一大事だわ!」と取り掛かる前から疲れてしまったり、「今年はカンタンでいいや!」と投げ出してしまったり、「どうしてやらなきゃならないの!?」と怒り出したりって、そんなことはないですけどね。
家の中を大掃除するついでに、家具やインテリアもきれいにしてあげてください。「いつもありがとう」と「これからもよろしくね」という気持ちをちょっぴり込めて。家具・インテリアの大掃除のコツをまとめてみました。

知れば納得! 大掃除

もともとは年中行事の一つ

すすはらい

大掃除は、元をたどれば「煤払い(すすはらい)」という年中行事。
新年の安泰と五穀豊穣を祈り、年神さま(農耕の神さま)をお迎えするために、家中のすすを払って清めたのです。
江戸時代は12月13日をお正月行事の事始めの日と定めていました。お正月を迎えるための最初の準備として、この日は神棚や仏壇の掃除をしてから、家の内外を掃き清めたそうです。これが大晦日の大掃除として定着したのです。
最近では水を使ったり開け放したりするのが気持ちいいからと、夏に大掃除をするご家庭も増えているようです。梅雨明けのカビ対策にもなるし、夏休み中のお子さんにも存分に手伝ってもらえます。
効率の良い夏の大掃除と、新年を迎える準備としての大晦日の大掃除。
オススメは年2回。さっぱりと暮らしたいものです。

ほうきは神聖な道具?

お前百(はく)まで わしゃ九十九まで(くまで)

神聖な行事に使われる「ほうき」もまた、神聖な道具として大切に扱われました。
大掃除が終わると、地方によっては家の前に立てて御神酒やお茶などをお供えしたり、川に流したり燃やしたりしたそうです。
ほうきはゴミを掃き出すと同時に掃き集めるのにも使うことから、「何かを追い払う」とともに「何かを落ち着かせる」「掻き集める」といった儀礼的な意味合いを持ちます。古事記には「玉箒(たまぼうき)」と記されていて、人間の霊魂(たま)とかかわりの深いものでした。
結婚式でよく「高砂やぁ〜」と謡われる謡曲「高砂」。松の精である老夫婦が持っている大きな熊手と箒は、霊魂を掻き集めて生命力の更新をはかり、「お前百まで、わしゃ九十九まで」と長寿を全うしようとするのだそうです。
またほうきに宿る箒神は、出産に立ち会う産神の一つと考えられ、ほうきを大切に扱わないと難産になると戒められています。

無理なく楽しく

大掃除の意味もわかったところで、いざ! 大掃除スタート!
とはいえ、どこから手をつけてよいかわからず結局目に付くところだけやって終わりにしていたり、徹底的にやろうとして収拾がつかなくなってしまったことはありませんか?
無理のない計画を立て、家族みんなで楽しみながら大掃除しましょう。
そのために重要なのが下準備。収納を見直し、無駄なストック品は思い切って処分します。大きなものはまとめて処分場へ。使えるものはできるだけリサイクル。修理するもの、クリーニングに出すもの、自分で洗濯するもの、まとめて買出しするものなどリストアップしておきましょう。
古くなったタオルやシャツは大掃除に使えるので、捨てずに小さくカットしておきます。必要な洗剤や掃除用具もチェックして、用意しておきましょう。大掃除当日は、おやつやおにぎり、飲み物など用意しておくとレクリエーション気分で楽しめます。お気に入りの音楽を流して気分を盛り上げるのもいいですね。
お子さんにも身の回りの片付けや窓拭き、雑巾がけなど、できることを分担してあげましょう。

基本は「上から下」

リビングや各部屋から始めて、キッチンや風呂・トイレなど水回りを最後に掃除します。基本は「上から下」、そして「奥から手前」。
照明器具やカーテンなどはずして洗うものをまずはずし、天井から壁面、窓枠、窓や建具などをきれいにした後、最後に床を掃除します。フローリングのワックスがけを行う場合は、大掃除の仕上げにワックスがけをした後外出するようなスケジュールを立てておくといいでしょう。
何日かに分けて行う場合は、窓拭きの日、押入れ掃除の日など、掃除の内容ごとに分けてもいいかもしれません。使う洗剤の種類や雑巾の数が少なくてすみ、無駄な動作が省けます。

さあ、大掃除

ではいよいよ本題。「家具・インテリア」の大掃除のポイントをご紹介します。どうして家具・インテリアだけなんだって!? うちは家具屋ですから!

木製家具

基本は乾拭き。でも使っているうちにどうしても手垢やホコリで汚れてしまいますね。大掃除のときにぴかぴかにしてあげましょう。

ぬるま湯でうすめた中性洗剤に柔らかい布を浸し、固く絞ってふき取ります。その後、ぬるま湯に浸した布でしっかり洗剤分をふき取り、乾拭きしてよく乾かします。家具用の洗剤も市販されていますし、手垢汚れやカビ対策にエタノールも有効。
ただしどの場合も、必ず目立たないところで試してから全体に使用すること、直接吹き付けたりしないことを心がけてください。
桐や白木の家具、無塗装の家具は洗剤を使用せず乾拭きします。つや消し塗装の家具は、ワックスなどを使うとムラになってしまう場合があるので気を付けてください。
オイルフィニッシュ仕上げの家具は、1〜2年に一度オイルを擦り込んであげると艶が長持ちします。「大掃除のとき」と決めておくと、忘れず定期的にできてよいのでは?

ソファ

座ることで毎日汚れをすり込んでいます。普段のお掃除は、布張りソファはお部屋の掃除のときにいっしょに掃除機掛け、革張りソファは柔らかい布で乾拭きしてあげてください。

布張りソファ

まずは毛足の柔らかいブラシでブラッシングし、掃除機でホコリを吸い取ります。
ぬるま湯でうすめた中性洗剤に柔らかい布を浸し、固く絞ってふき取ります。「後ろから前」「上から下」「毛並みに沿って」拭いてください。その後、ぬるま湯に浸した布でしっかり洗剤分をふき取り、乾拭きしてよく乾かします。カーペットクリーナーやカーペットシャンプーなども使えますが、必ず目立たないところで試しぶきをしてからにしましょう。

革張りソファ(合成皮革)

布張り同様、うすめた中性洗剤で汚れを落とししっかりふき取って乾かします。細かい部分は、ゴム手袋の上に洗剤液に浸してよく絞った軍手をはめて拭くときれいになります。

革張りソファ(天然皮革)

必ず専用のクリーナーを使用します。クリーナーは直接つけず、柔らかい布などにつけ、試しぶきをしてから使用してください。年に一回くらいの割合で、皮革専用のクリームを薄く塗っておくと艶が長持ちします。

カーテン

カーテンを洗うとなるとちょっと身構えてしまいます。でも、「洗うのは洗濯機まかせ。レールに掛けておけば勝手に乾く」と考えると少し気が楽。部屋の中でも「パッ」と目を引くカーテンですから、薄汚れた印象にならないよう「パリッ」とお洗濯しましょう。意外と汚れていますよ!

  1. [1]まず洗濯できるかどうか品質表示をチェックします。洗うと縮むものもあるので要注意。よく晴れた日を選んで、レースから先に洗濯します。
  2. [2] 厚手のカーテンははずす前に軽く掃除機を掛けておきます。レールからはずし金具を取り除いたら、ヒダを揃えて「屏風だたみ」にし、さらに二つ折りにします。
  3. [3] 洗濯機の場合は、水量は最大、水流は弱にし、40度以下のぬるま湯か水で洗います。
    脱水はきれいにたたみなおして1分程度にします。手洗いの場合は30度以下の水で押し洗い。もみ洗いはしわの原因となります。長く洗っていないと1回の洗濯では汚れが落ちないことがあります。あらかじめ浸け置きしておくか、2度洗いしましょう。
  4. [4] カーテンを洗っている間に、レールと金具をきれいに洗っておきます。窓の汚れはカーテンの汚れの原因となるので、この間に窓拭きも済ませてしまうのが効率のいい大掃除です。
  5. [5] 水がたれない程度に軽く脱水したら、レールにつるして窓を開け自然乾燥させます。
    軽く下に引っ張り全体を手でたたいておくとしわも伸びます。※乾燥機は絶対に使わないでください。

カーペット

カーペットの汚れのほとんどはホコリによるもの。普段から丁寧に掃除機がけをすることを心がけておきましょう。大掃除のときは、普段掃除機だけでは取りきれなかった汚れをしっかり落としてあげます。

  1. [1]まずは掃除機でホコリを吸い取ります。ブラシやたわしなどでゴミを掻き出してからかけると効果的。隅に残ったホコリは歯ブラシなどで掻き出し、絡みついたゴミを粘着ローラーでコロコロ取れば完璧です!
  2. [2] 水かぬるま湯に中性洗剤を溶かし、雑巾を固く絞って拭き掃除をします。まず毛並みに沿って拭き、次に毛並みに逆らって拭きます。円を描くように拭くと汚れが分散してしまうので、必ず同じ方向に向けて拭きましょう。※洗剤やカーペットクリーナーなどを使うときは、使用上の注意をよく確認し必ず隅のほうで試してから全体を拭きましょう。
  3. [3] 水、またはお湯で固く絞ったぞうきんで洗剤分をしっかりふき取り、最後に乾拭きしてよく乾かします。置き敷きのカーペットは、よく晴れて乾燥した日に外で干してあげましょう。

照明器具

ついつい忘れがちな照明器具のお掃除。1年間掃除しないでいると、明るさは20%も低下するといわれています。はずしてきれいにしてあげれば、家の中が驚くほど明るくなります。

電球や蛍光灯

十分に冷ましてから取り外し、汚れをふき取ります。口金やピンなどをぬらさないように注意。洗剤を使ったときは、しっかり水拭きして洗剤分が残らないようにしましょう。充分に乾かしてから本体に取り付けます。

シェード

十分に冷ましてから取り外します。素材にあったお掃除をしてあげましょう。

プラスチック

30〜40度のせっけん水をスポンジなどにつけてこすり洗いします。きれいに水洗いしたら、そのまま自然乾燥させます。乾いた布などでふくと、静電気を生じやすいので注意しましょう。また、シンナーなど揮発性のものを使用するとくもりやヒビが発生することがあるので気を付けて。

布、木、和紙

ハタキでホコリを払い、軽く乾拭きします。特に和紙はデリケートなのでそっと。木製のシェードは化学ぞうきんも効果的ですが、白木の場合はシミや油膜の原因になるので避けましょう。

ガラス

中性洗剤を含ませたスポンジなどでやさしく洗い、水洗いしてよく乾燥させます。でこぼこのあるものはスプレー式のガラスクリーナーをふきつけて、乾いた布でふき取ると効果的です。透明ガラスは化学ぞうきんで拭くと油膜が付くので注意が必要。クレンザーの使用も避けましょう。くもりガラスは指紋が残らないようゴム手袋を使うなどしてください。
水だけで落ちる白いメラミンスポンジというお掃除の便利アイテムがあります。ガラスはメラミンスポンジより硬いですが、フィルムやコーティングがあると傷をつけてしまうので注意してくだい。

金属、陶磁器

金属で表面塗装してあるものは化学ぞうきんが効果的です。メッキ仕上げはやわらかい布で空拭きします。シンナーなどを使用すると塗装がはがれることがあるので使わないようにしましょう。陶磁器のものはやわらかい布で1〜2回軽く拭きます。

掃除とメンテナンスは切り離せない

忙しい年末の大掃除はできれば時間をかけず手短に済ませたいし、どうせやるなら普段手を付けてない場所も綺麗にしたいですね。掃除をすることで傷んでいるに箇所に気づくことも家具を長く使うために大事なことです。みなさんも楽しんで大掃除してください。

コチラもご参照ください >>

「家具のお手入れ」
https://www.murauchi.net/culture/care/index.html
家具・インテリアの日常のお手入れから汚れたときの対処法など、さらに詳しくまとめています。


(2003年12月作成)


本文中に使用している家具・インテリアの写真はイメージです。当社にてお取扱いのない商品が含まれる場合がございます。また、掲載しました情報はコラム作成当時のものとなりますので予めご了承ください。

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