ソファスプリングの役割とは?4つの種類と特徴・選び方を確認

/ 最終更新日:2024/08/19

ソファスプリングの役割とは?4つの種類と特徴・選び方を確認

ソファには、フカフカとした感触や弾力感を出すためにさまざまな素材が使われています。

定番の素材のひとつであるスプリング(バネ)は、体の重さを受け止めて快適な座り心地を作るために欠かせないものです。

スプリングはソファの内部に取り付けられていますが、具体的にはどのような役割や種類があるのでしょうか。

この記事では、ソファのスプリングの概要や役割、4つの種類について紹介します。

目的や使い心地に応じたソファスプリングやブランドごとの特徴も取り上げていますので、ソファ選びの参考にしてください。

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ソファのスプリングとは

ソファのスプリングは、弾力性をもたせるために使われる部品です。

特定の部品の名称ではなく、「ウェービングベルト」や「Sバネ」など、弾力をもたせるための部品の総称です。

スプリングがなかった時代には、イスの下に藁や綿を入れて厚みを出していました。

しかし、体の重さを受け止め続けると圧縮や伸展によって弾力が失われるため、ベルトやスプリングに置き換えられました。

体を横たえられる十分な大きさのソファでも、座面や背面に弾力がなければベンチのような硬い座り心地になってしまいます。

ソファは自重を適度に跳ね返す弾力感、全身を受け止める柔らかさが求められるため、スプリングで支える構造が採用されました。

「ウェービングベルト」や「Sバネ」もスプリングの一種ですが、木枠の内部に平面状に張り巡らせる仕組みのため、下から上へ支えられる「コイルスプリング」「ポケットコイル」が採用されています。

スプリングはへたりやすい布や綿に代わってクッション材としての役割を果たします。

適度な硬さがありつつも、重さをうまく吸収して跳ね返すので、弾力感が持続します。

スプリングは木枠に対して平面または立体に設置されています。

どのような役割をもっているのか、さらに詳しくみていきましょう。

ソファのスプリングの役割

ソファのスプリングは、腰をかけたり横になったりしたときに重さを受け止め、体を支える役割があります。

座面・背面のみの状態では硬さや居心地の悪さが気になります。

一定時間座ったり寝たりする場合、ソファから体の面に接触圧や体圧といった圧力が加わります。

体圧を受け続けると、腰への負担から腰痛や姿勢の乱れが発生する可能性もあるため、スプリングは体を支える重要な役割があるのです。

そこで、スプリングを搭載することで体圧を分散し、重さがかかっても弾力を保って体表にかかる力を減らします。

ソファ自体のへたりも防止できるので、修理や買い替えまでの期間を延ばす効果もあります。

スプリングにはいくつかの種類があり、下から上へ立体的に支えられる構造のポケットコイルやコイルスプリングはややコストが高く、よりリーズナブルなSバネやウェービングベルトはリーズナブルです。

スプリング自体は硬さがあるため、ソファとしての柔らかさを出すためにはウレタンなどの素材との相性を考えると良いでしょう。

代表的な例としてソフトウレタンとバネタイプのスプリングの組み合わせが挙げられます。

はじめのうちは適度な硬さを感じますが、スプリングに支えられるため体が沈み込みすぎず、ウレタンの弾力によってしっかりとした座り心地が持続します。

ソファのスプリングの種類

ソファのスプリングには「ポケットコイル」「コイルスプリング」「Sバネ」「ウェービングベルト」の4種類に分けられます。

それぞれどのような特徴やメリットがあるのか確認していきましょう。

ポケットコイル

ポケットコイルとは、らせん状に巻いた硬銅線を1つずつ不織布で包んだものを縦と横に配置し、その上から布で包んでソファの座面やマットレスにしたものです。

コイルがそれぞれ独立した構造のため、座面の下から点の力が支えるような図になります。

どんな沈み込み方をしてもコイル一つひとつが垂直に支えるので、体にフィットしやすく快適な座り心地になります。

すべてのコイルを均等に並べた並行配列と、互い違いに並べた交互配列があります。

内部の通気性を考慮すると、少しのすき間ができる並行配列がおすすめですが、しっかりと体を支えてほしい場合は密度が高くなる交互配列を選びましょう。

体圧が気になる方や骨などに痛みを感じる方は、凹凸に対応しており体にフィットしてくれるポケットコイルソファがおすすめです。

コイルスプリング

コイルスプリングは、らせん状の巻いた硬銅線を袋に入れずに、太い線で縦と横に連結させたスプリングです。

ポケットコイルのように独立して配置されてはいませんが、使用するコイルや並び方はポケットコイルと似ているため、座った感触もポケットコイルに似ています。

コイル同士は独立せず連結した状態で並んでおり、座ったときに上からかかる負担を分散して、全体的にへたりにくい構造になっています。

コイル自体に耐久性があり、さらに負荷を分散できる構造が備わっているため、寝ていて体が痛くなる方におすすめです。

コイルスプリングは個包装されていないため、風が通り抜けやすく通気性も確保できます。

湿気の多い環境や、こまめに掃除ができない場合はコイルスプリングタイプのソファを選ぶと良いでしょう。

Sバネ

Sバネ(S字バネ)は、鋼線をSの字に加工して木枠の中に横並びに取り付けた構造です。

S字に加工しただけでは弾力性が加わらないため、Sバネができあがるとさらに膨らみをつけます。

山型に膨らませたバネを固定し、熱処理を施してからバネとバネを組み付け、サビ止めを施してソファやベッドに組み込みます。

立体方向に弾力をもたせるポケットコイルなどと比べるとシンプルな構造であり、コストがかからないためソファの価格も安価です。

また、大量のコイル部品を使う必要がないため、ソファが大幅に軽量化されます。

弾力性ではポケットコイルやコイルスプリングに劣るため、体を支える機能を重視しない場合はSバネタイプのソファが適しています。

ウェービングベルト

ウェービングベルト(ウェービングテープ)は、合成ゴムや天然ゴムを主な材料として作った細いゴムを編み込んでベルトを作り、そのベルトを木枠の中の縦方向と横方向に巡らせたものです。

ベルトの張力が重さを受け止め、何本も張り巡らせることでへたりを防止します。金属を使わないためきしむような音がなく、重さが出ないためソファの軽量化に役立ちます。

座面の下に使われるゴム材は伸縮性と耐久性があり、通常のゴムのように引っ張る力や圧力に強く、経年劣化してゴムが伸びてしまっても張り替えが可能なため、メンテナンス性にもすぐれています。

愛用のソファを長く使い続けるためにはメンテナンスが必要です。

交換や修理のしやすさやコストを考えたとき、ウェービングベルトタイプのソファは手入れしやすく張り替えもスムーズです。

目的・使い心地から選ぶ【ソファスプリング】

ソファスプリングは目的や求める使い心地に応じて選びましょう。

ここからは、目的や使い心地ごとに適したスプリングのタイプをみていきましょう。

目的 スプリングの種類
しっかりした座り心地 Sバネ・ポケットコイル(交互配列)
ふかふかのソファ ポケットコイル(並行配列)・コイルスプリング
リビングダイニングで使用 ウェービングベルト・ポケットコイル
体を横たえたい ポケットコイル(並行配列)・コイルスプリング
軽い・扱いやすい Sバネ・ウェービングベルト
メンテナンスしやすい ウェービングベルト・スプリングなし

しっかりした座り心地のソファが好きな方なら

ポケットコイルはリビング・ダイニングに置いて使えるほか、体を横たえても沈み込みにくく多用途に活用できます。

Sバネはポケットコイルほどコストがかからず、最低限の本数で体を支えられます。

座り心地を求めながらも、軽量または安価なソファを求める場合は、Sバネタイプのソファを検討すると良いでしょう。

ふかふかのソファが好きな方なら

ふかふかなソファは、体を受け止めて跳ね返すスプリングの強さと、体が接する部分(座面)の素材から構成されています。

適度な弾力のスプリングに、ウレタンやフェザーといった素材を重ねて作ります。

スプリング部分はポケットコイルやコイルスプリングが力を発揮します。

ポケットコイルの中で、密度の高い交互配列はやや硬さを感じるため、ふかふかな座り心地を求める場合は並行配列タイプが良いでしょう。

リビングダイニングで使うなら

メンテナンスのしやすさではコイルよりもウェービングベルトタイプがすぐれています。

例外的に、スプリングがなく木枠の上にウレタンのマットレスを設置するタイプのソファも、マット部分を交換するだけでメンテナンスが完了します。

ソファのスプリングを選ぶ際の注意点

ソファのスプリングを選ぶときは、4種類のうちのどのタイプなのかを確認しましょう。

ポケットコイルの場合はコイルの配列を確認し、通気性が確保されているかも忘れずにチェックしてください。

スプリングのサイズ・大きさ・メンテナンスが可能かどうかに加え、可能であれば直接ソファに座って座り心地を比べてみてください。

ソファブランド紹介

ソファブランド「フランネルソファ(FLANNEL SOFA)」「マスターウォール(MASTERWAL)」「シーヴ(SIEVE)」「カリモク家具」について紹介します。

フランネルソファ

フランネルソファは、株式会社FLANNELが1997年に発表した国産のオリジナルブランドです。

ソファメーカーとして培った技術をもとに、メイド・イン・ジャパンのこだわりのもと、自社工場で1台ずつ手作業で製作しています。

機械による量産ではなく、デザイナーと職人が設計と試作を重ねてハイクオリティのデザインが完成しました。

フランネルソファは、170種類以上の生地と脚の種類・背もたれクッションの高さを選べます。

自由な設置が可能な肘クッションが付いているので、どんな姿勢も自由に変更できます。

フランネルソファの詳細はこちら

マスターウォール

100年後にも愛用されるアンティーク家具を目指して製作されるマスターウォール。

AKASE(旧・アカセ木工)が2006年に立ち上げたオリジナル家具ブランドです。

無用な森林伐採を防ぎ、長く愛用できる家具を製作するというコンセプトのもと、すべての家具を自社工場で受注生産しています。木を知り尽くしたプロが世界三大銘木のひとつであるウォールナットの無垢材を使い、素材の長所を追求しています。

ロータイプのデニッシュソファなど、ウォールナット材の良さを活かしつつライフスタイルにマッチするデザインをラインナップ。

ダイニングテーブルなどのアイテムと組み合わせることも可能です。

マスターウォールの詳細はこちら

シーヴ

シーヴは、日本のデザイナーによるナチュラル・シンプルモダンをテーマとする国産家具ブランドです。

毎日使う家具のデザインや素材を見直し、コンセプトを見つめ直すことで、穏やかで豊かなライフスタイルを提供しています。

オークの無垢材にモダンな配色のファブリックを組み合わせたソファは、150cmを超えるワイドタイプや浮遊感のある背もたれを備えたブラケットソファなど、機能的でありながら個性あふれるデザインが揃っています。

コンパクトな1人用・肘かけ付き・ユニットタイプ・オットマン・クロッシングソファとラインナップも豊富です。

シーヴの詳細はこちら

カリモク家具

日本国内の木材に向き合い、素材の特徴や機能を踏まえた家具を提供するカリモク家具。

環境にやさしく、防災対策や有害物質の削減にも配慮した木の家具を揃えています。

先進的なアイディアに国産の広葉樹未利用材を組み合わせた「カリモクニュースタンダード(KARIMOKU NEW STANDARD)」は、国内外のデザイナーが集結し、新たなデザインを追求するブランドです。

豊富なカラーラインナップと、スツールなどとの組み合わせが可能な自由度の高さが魅力的。

インテリアやライフスタイルに合わせたチョイスが可能です。

カリモク家具の詳細はこちら

目的や好みに合わせてスプリングを選ぶ

この記事では、スプリングの役割と4種類のスプリングの違いや特徴を中心に、ソファの選び方について紹介しました。

スプリングには体圧を分散させ、長時間の着座にも耐えられるように負荷を軽減する役割があります。スプリングの種類にこだわることで、快適なソファに出会えます。

ソファはサイズ・色・デザイン・素材の組み合わせで表情が変わります。リーズナブルなメーカー、ハイブランドや個性派デザイナーによる商品から、お気に入りの1台を見つけてみてください。



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