ソファの爪とぎ防止対策とは?猫と暮らす際のポイントを解説
公開日:2025/08/19 / 最終更新日:2025/09/09
 
猫との暮らしは楽しく、心が癒やされますよね。
しかし、快適に過ごすには工夫も必要です。
なかでも注意したいのが、爪とぎによる家具の傷や汚れです。
特にソファは、猫にとって格好の爪とぎ場所になりやすく、悩んでいる飼い主も少なくありません。
そこで本記事では、猫がなぜソファで爪をとぐのかを理解したうえで、効果的な対策やソファの選び方をご紹介します。
猫と快適に暮らすために、ぜひ最後までお読みください。
目次
猫がソファで爪とぎをする理由
  まずは、猫がなぜソファで爪をとぐのか、その理由から確認していきましょう。
  この行動は、決して飼い主を困らせたり、いたずらしたりするためではありません。
これには猫の本能に基づく、次のような理由があると考えられています。
猫がソファで爪をとぐ理由
- ・爪をケアするため
- ・ストレスを発散するため
- ・マーキングのため
- ・飼い主の気を引くため
- ・ソファに爪をとぎやすい素材が使われているため
爪をケアするため
  元来、猫は野生で暮らしていた動物で、獲物を狩る際には爪を武器として使っていました。
  そのため、常に爪を鋭く保つ必要があり、本能的に爪をといでケアする習性が残っているのです。
  人間と違い、猫の爪は何層にも重なっている構造をしています。
  爪をとぐことで、表面の古くなった部分が剥がれ落ち、その下の層から新しく鋭い爪が出てくるのです。
  つまり、爪の鋭さや形を整えるために、爪とぎは大切なメンテナンス行動なのです。
ストレスを発散するため
爪とぎには、ストレスを発散して気持ちを落ち着かせる目的もあります。
  たとえば、見知らぬ人が家に来たときや、飼い主に叱られたあと、同居猫とケンカをしたときなど、興奮やイライラを感じたタイミングで、爪をとぐ場合があります。
  さらに、引越しや家具の配置換え、新しい家族やペットが加わったときなども同様です。
こうした環境の変化によって強いストレスを感じた際に、猫はそれを発散するために、爪とぎの回数が増える傾向があるのです。
マーキングのため
また、縄張りを主張するマーキング行動の一環として、ソファで爪をとぐ場合もあります。
  猫の肉球には“臭腺(しゅうせん)”とよばれる、においを出す器官が備わっており、爪をとぐことでそこから出るにおいをこすりつけ、自分の存在を周囲に示しているのです。
  特に、同居する猫が増えるとか、近所にほかの猫の気配を察知すると、縄張りが脅かされていると感じ、マーキング行動が活発になることがあります。
  また、この行動は、猫自身が安心感を得るための手段でもあります。
  室内の目立つ場所にあるソファには、飼い主や家族のにおいが染みついているため、猫にとって安心できる場所になりやすいのです。
飼い主の気を引くため
  猫は「かまってほしい」と感じたときに、飼い主の気を引くため、わざと大きな音を立てながら爪をとぐことがあります。
  これは以前、その音に飼い主が反応してくれた経験を覚えていて、「爪をとげば振り向いてくれる」と学習しているためだと考えられています。
  そのため、目立つところにあるソファを爪とぎに使うことで、「ねえ、こっち見て!」「遊んでよ!」といった気持ちをアピールしているのです。
  こういった行動は、単なる習性というより、猫なりのコミュニケーションの一環ともいえるでしょう。
ソファに爪をとぎやすい素材が使われているため
ソファの素材に、猫が爪をとぎやすいものが使われていることも、爪とぎのターゲットになる大きな要因の一つです。
  猫は爪がしっかりと引っ掛かり、力強くとげる素材を好みます。
  そのため、柔らかい布地や木が多く使われているソファは、猫にとって非常に魅力的な“爪とぎスポット”になってしまうのです。
特に背もたれやひじ掛けなど、ある程度の高さと安定感がある部分は、猫が力強く爪をとぎやすいため、狙われやすくなります。
猫の爪とぎを防止するには
  では、こうした爪とぎの被害を防ぐには、どのような方法があるのでしょうか?  
  ここからは、実践しやすい効果的な対策を6つご紹介していきます。
  猫の性格や生活環境に合わせて、試してみてください。
猫の爪とぎを防ぐ方法
- ・ソファカバーを使用する
- ・爪とぎ防止用グッズを使用する
- ・猫の爪を定期的にお手入れする
- ・ソファで爪とぎをしないようにしつける
- ・猫用のソファを置く
- ・爪とぎに強いソファを置く
ソファカバーを使用する
  ソファを爪とぎから守るための手軽で効果的な方法は、ソファ全体をカバーで覆ってしまうことです。
  そうすれば、猫が爪を立てても、ソファ本体を傷つけずに済むだけでなく、すでにできてしまったキズも隠せます。
また、猫が毛玉を吐くとか、粗相をした場合でも、カバーなら取り外して洗えるため、清潔さを保ちやすいのも大きなメリットです。
爪とぎ防止用グッズを使用する
  市販されている爪とぎ防止グッズを使うのも効果的です。  
  猫の習性に合わせて開発されたさまざまなアイテムが販売されているので、住環境や使いたい場所に応じて選ぶことができます。
爪とぎ防止グッズとして、代表的なものとしては次の3つがあります。
爪とぎ防止グッズの例
こうしたグッズをうまく活用することで、猫が「ここで爪をとぐのはやめよう」と自然に覚え、結果として決まった場所で爪をとぐ習慣づけにもつながるのです。
| 爪とぎ防止テープ | 厚みのある透明のテープで、猫が爪を立てても傷がつきにくく、家具の保護にも効果的 | 
| 爪とぎ防止シート | ツルツルとしたビニール製で、ソファや壁に貼ることで爪が引っ掛からず、物理的に爪とぎを防止できる | 
| 猫が嫌うにおいのスプレー | 柑橘系や木酢液など、猫が苦手とする香りを含むスプレーをソファや壁に吹きかけることで、近づきにくくさせる | 
猫の爪を定期的にお手入れする
  猫の爪を定期的に切ってお手入れしておくことも、有効な爪とぎ対策の一つです。
  爪が短ければ、万が一ソファで爪をといでもダメージを抑えられるだけでなく、爪が割れたり折れたりするのを防げるため、大切なケアといえます。
  爪切りの目安は、月に1回程度で十分ですが、高齢の猫は爪が伸びるのが早いため、月に2回ほど切るのがおすすめです。
  爪を切るときは、先端の白い部分だけを少し切り、血管や神経が通っているピンク色の部分は切らないようにしましょう。
切った直後は、猫が違和感を覚えて爪をとぎたくなるため、そのタイミングで爪とぎ器に誘導すれば、正しい爪とぎ場所を覚えさせることができます。
ソファで爪とぎをしないようにしつける
犬に比べ、猫のしつけは難しいといわれますが、根気強く続ければ、爪をといで良い場所とダメな場所を覚えさせることは可能です。
  猫がソファに爪を立てようとしたら、その場ですぐにやさしく声をかけ、代わりに爪とぎ器のほうへ連れて行ってあげましょう。
  そして、爪とぎ器を使ってくれたら、すかさずしっかり褒めて、「ここでとげば褒められる」と覚えさせていきます。
  子猫のうちからこうした習慣づけをしておくと、大人になってからも良い行動が定着しやすくなります。
  猫は人の言葉を完全には理解できませんが、声のトーンや状況から褒められているのか、注意されているのかは感じ取ることができる動物です。
  焦らず、気長に繰り返し教えることが、しつけ成功のコツです。
猫用のソファを置く
猫専用のソファを用意してあげることで、飼い主用ソファでの爪とぎが収まることがあります。
ペットショップやネット通販などで、爪とぎができる段ボール製の猫用ソファが多く販売されているため、見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。
  こうした専用ソファを猫が気に入って使うようになれば、「ここは自分の居場所だ」と感じるようになり、ほかの家具での爪とぎが減る可能性があります。
  快適なスペースを用意すれば、猫のストレスも軽減され、自然と爪とぎの習慣もそちらに向かいやすくなるのです。
爪とぎに強いソファを置く
もしソファの買い替えを検討しているなら、あらかじめ“猫の爪とぎに強い”素材や構造のソファを選ぶことも検討してみてください。
  爪とぎに強いソファとは、爪が引っ掛かりにくい素材を使っているソファや、猫が爪とぎしにくいデザインのものなどです。
  また、カバーが交換できるソファなら、万が一爪とぎされても、本体へのダメージが少なく、お手入れも簡単です。
ソファを選ぶ際は、素材・構造・カバーが取り替え可能かどうかの3つのポイントを意識するとよいでしょう。
猫と快適に暮らすソファの選び方
  それでは、猫との暮らしを快適にするためのソファの選び方について、詳しく紹介します。
  具体的には、以下のような特徴を備えたソファがおすすめです。
猫と快適に暮らすソファの特徴
- ・爪が引っ掛かりにくい素材
- ・爪をとげるスペースが少ない
- ・脚が金属製
- ・カバーの交換が可能
- ・汚れに強くお手入れしやすい
爪が引っ掛かりにくい素材
猫は、爪が引っ掛かるところで爪とぎをするのが好きなため、ソファを選ぶときは、できるだけ爪が引っ掛かりにくい素材を使ったものを選ぶのがおすすめです。
たとえば、以下のような素材が挙げられます。
爪が引っ掛かりにくい素材
- ・スエード
- ・人工スエード
- ・合成皮革
- ・目が細かいファブリック素材
  スエードや人工スエードは、生地表面の織り目が細かいため、猫の爪が入りにくく、ひっかき傷がつきにくい素材です。
  合成皮革も表面がツルツルとしていて爪が立ちにくく、猫にとっては爪とぎしづらい素材といえるでしょう。
  目の細かいファブリック素材や、引っかき傷防止加工された生地もおすすめです。
反対に、粗い織り目の生地は爪が引っ掛かりやすいため、注意が必要です。
爪をとげるスペースが少ない
猫が爪をとぐ場所が少ないデザインのソファも効果が期待できます。
  先ほども触れたとおり、猫はある程度高さがあって、体を預けてもグラつかない安定した家具で爪をとぐ傾向があります。
  そのため、背面や側面などの広い面積に布地が使われているソファは、縦方向に爪をとぎやすくなってしまうのです。
反対に、ひじ掛けの側面に布が使われていないタイプや、ひじ掛け自体がないベンチソファなど、爪をとげる面積が少ないソファなら、爪とぎの被害を減らすことができます。
脚が金属製
ソファの脚に使われている素材も、猫の爪とぎを防ぐうえでチェックしておきたいポイントです。
  木製の脚は、爪を引っ掛けやすいため、猫にとっては格好のターゲットになりやすく、避けたほうがよいでしょう。
  その点、金属製の脚なら硬くて表面がツルツルしているため、爪が立ちにくく、爪とぎ対策として効果的です。
  また、脚の形状も重要で、ローソファのように脚が短くて猫がとぎにくい形のデザインも有効です。  
  さらに、脚に布やカバーを巻いて物理的に保護する方法もあります。
カバーの交換が可能
  先ほども少し触れましたが、ソファを選ぶ際はカバーの取り外しができるタイプを選ぶのがおすすめです。
  猫が爪をといで傷をつけてしまっても、カバーを交換できればソファ本体はそのまま使え、カバーを外して洗濯できるので、清潔に保ちやすくなります。
  ソファを買い替えることを思えば、カバーだけ取り替えられるのはとても経済的です。
  汚れや傷が気になったときに、気軽にリフレッシュできるのも魅力の一つです。
  また、本体のカバーが外せない場合でも、市販のソファカバーを掛ければ同じように保護でき、インテリアの雰囲気を手軽に変える楽しさもあります。
汚れに強く、お手入れしやすい
また、汚れに強くてお手入れがしやすいかどうかも、ソファ選びの大切なチェックポイントです。
猫は毛玉を吐いたり、粗相をしたりすることがあるため、撥水性や防水性のある素材を使ったソファなら、汚れが染み込みにくく、拭き取るのも簡単です。
  たとえば、爪が引っ掛かりにくい人工スエードは、爪とぎ防止にも役立ち、汚れにも強いうえ、洗濯機で洗えるタイプもあります。
  合成皮革も表面が滑らかで汚れや毛がつきにくく、吐しゃ物も楽に掃除できます。
  また、目の細かいファブリック素材も傷や汚れに強いほか、カバーリングするタイプなら取り外して洗えるので、いつでも清潔に保てるでしょう。
猫と暮らすうえで注意したいインテリア
猫と一緒に暮らす部屋では、ソファだけでなく、ほかの家具やインテリアにもいくつか気をつけたい点があります。
  たとえば、布が多く使われているベッドやダイニングチェアなどの家具のほか、カーテンやカーペットなども、ソファと同様に猫の爪とぎ対象になりやすいため注意が必要です。
  また、飾ってある小物や置物は猫が落とすこともあるので、壊れやすいものは高い場所や猫の手が届かないところに置くようにしましょう。
  電源コード類も、かじってしまうと感電や火事のリスクがあるため、モールで隠したり、収納ボックスにまとめたりして対策をしておくことが大切です。
  特に子猫はなんでも口に入れてしまう時期があるので油断できません。
さらに、猫が勢いよくジャンプしたときに家具が倒れてしまうのを防ぐために、突っ張り棒やストッパーを使って、しっかり固定しておくと安心です。
猫の行動をあらかじめ想定して、ケガや事故のないよう安全な空間をつくることが、猫と快適に長く暮らしていくためのコツです。
ソファでの猫の爪とぎを防ぐには、爪をとぎにくいソファ選びやカバー、防止グッズを活用しよう
本記事では、猫がソファで爪をとぐ理由とその対策方法やソファの選び方を解説しました。
  猫が爪をとぐのは、爪のケアやストレス発散、あるいは飼い主にかまってほしい気持ちのあらわれなど、自然で大切な行動です。
  そんな猫の習性とうまくつき合っていくには、まずソファにカバーをかけたり、爪とぎ防止グッズを使ったりして、爪とぎされにくい環境をつくるのが効果的です。
  さらに、はじめから爪とぎに強いソファを選ぶという選択肢もあります。
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