マットレスの種類と特徴|自分に合ったマットレスの選び方
公開日:2024/06/28 / 最終更新日:2024/08/19
「マットレスにはどんな種類があるの?」「それぞれの特徴を教えて欲しい」などと考えていませんか。
自分に合っているマットレスがわからず困っている方は多いでしょう。
マットレスには、スプリング、ウレタン、ファイバーなど、さまざまな種類があります。
種類により寝心地や耐久性などは異なります。
それぞれの特徴を踏まえて選択することが大切です。
ここでは、マットレスの種類と特徴を紹介するとともに、自分に合っているマットレスの選び方、マットレスを長持ちさせる方法などを解説しています。
マットレスの種類5つ!それぞれの特徴を紹介
マットレスには、以下の種類があります。
【種類】
- ・スプリング
- ・ウレタン
- ・ファイバー
- ・ラテックス
- ・TPE
それぞれの特徴を解説します。
スプリング
マットレスの中にバネを組み込んでいるものをスプリングマットレスといいます。
複数のバネで体を支える構造と考えればよいでしょう。
主な特徴は、バネの部分に空気の通り道があるため通気性がよいことと体圧を均一に分散しやすいことです。
ただし、具体的な性能はスプリングの数や構造などで異なります。
他の種類に比べて選択肢が多い点もスプリングマットレスの魅力です。
安価なモノから高価なモノまで、さまざまな選択肢があります。
予算、目的、好みにあわせて商品を選びやすいと考えられます。
ボンネルコイルとポケットコイルの違い
スプリングマットレスは、以下の2種類にわかれます。
【種類】
- ・ボンネルコイル
- ・ポケットコイル
ボンネルコイルは、バネを横方向に連結させたマットレスです。
バネを連結させているため、体を「点」ではなく「面」で支えます。
したがって、横になるとマットレス全体が沈み込みます。
上記の特徴を備えるため、寝返りを打ちやすいといえるでしょう。
ただし、横揺れはしやすい傾向があります。
どちらかというと、一人での使用に向いているマットレスと考えられます。
寝心地は、やや固めのものが多いでしょう。
ポケットコイルは、袋に入れたバネを全体に敷き詰めているマットレスです。
それぞれのバネが独立しているため、体を「面」ではなく「点」で支えます。
したがって、横になると体に沿うように沈み込みます。
体圧を分散しやすい点が魅力です。
同様の理由で、横揺れしにくいと考えられています。
2人での使用に適しているマットレスといえるでしょう。
ただし、それぞれのバネを袋に入れているため、ボンネルコイルほどの通気性はありません。
寝心地は、バネの数から影響を受けます。
数が多いと固め、数が少ないと柔らかめになります。
ウレタン
バネの代わりに、ウレタンフォーム(最大の厚さが50mm以上)を使用しているものをウレタンマットレスといいます。
ウレタンフォームは、2つの原料を触媒発泡剤などと混合して製造するプラスチック発泡体です。
軟質ウレタンフォーム、半硬質ウレタンフォーム、硬質ウレタンフォームに分かれます。
マットレスに多く使用されているのは、柔軟性と復元性に優れた軟質ウレタンフォームです。
ウレタンマットレスの主な特徴は、体の凹凸に沿って沈み込むことといえるでしょう。
体圧を分散しやすく、寝心地がよいと考えられています。
ダニが繁殖しにくい点も魅力です。
ただし、通気性はあまりよくありません。
管理を怠るとカビが繁殖する恐れがあります。
また、耐久性もそれほど高くないと考えられています。
特徴を踏まえて選択することが大切です。
3つのウレタンマットレスの違い
ウレタンマットレスは、以下の3種類に分かれます。
【種類】
- ・低反発ウレタン
- ・高反発ウレタン
- ・高弾性ウレタン
低反発ウレタンは、粘性(粘る力)を高めたウレタンマットレスです。
簡単に説明すると、軟らかめのウレタンマットレスといえるでしょう。
包み込まれるような優しい寝心地が最大の魅力です。
高反発ウレタンは、弾性(跳ね返る力)を高めたウレタンマットレスです。
こちらは、硬めのウレタンマットレスと説明できます。
適度な反発力があるため、寝返りを打ちやすく、寝姿勢をキープしやすい点が魅力です。
また、体圧の分散にも優れています。
高弾性ウレタンは、高反発ウレタンと同じく弾性を高めたウレタンマットレスです。
一般的に、高反発よりも軟らかめのウレタンマットレスが多いといわれています。
高弾性ウレタンの魅力は、体にフィットしやすい一方で、一定の弾性があり寝返りを打ちやすいことです。
ファイバー
樹脂製の繊維を編み込んでいるマットレスです。
内部に空洞ができるため通気性に優れます。
ダニやカビが繁殖しにくいマットレスといえるでしょう。
反発力が強い点も魅力です。
繊維が複雑に絡み合っているため、さまざまな角度から体を支えてくれます。
寝返りや起き上がりをスムーズに行えます。
原則として、マットレスを丸洗いできる点も見逃せません。
樹脂製の繊維を使用しているため、お手入れは非常に簡単です。
マットレスの汚れが気になる方に向いています。
ただし、耐久性はそれほど高くありません。
長期間使用すると、へたる傾向があります。
また、繊維が擦れて音が鳴る点や横揺れしやすい点にも注意が必要です。
2人で使用する場合は、使用感を確かめておくほうがよいかもしれません。
ラテックス
天然ゴム(または合成ゴム)を原料とするマットレスです。
環境意識の高まりを受けて注目を集めています。
ラテックスマットレスの特徴は、柔軟性と弾力性を兼ね備えていることです。
体にフィットするものの、沈み込みすぎないため、快適な寝心地を確保できます。
寝返りをうったときに、音や振動が生じにくい点も魅力です。
2人での使用に適しているマットレスと考えられます。
耐久性の高さもラテックスマットレスの特徴です。
復元力が高いため、長期間、使用しても劣化しにくいと考えられています。
ただし、合成ゴムを使用した安価な製品は数年で劣化することがあります。
長く使い続けたい場合は注意が必要です。
TPE
熱可塑性エラストマー(TPE)を用いたマットレスです。
熱可塑性エラストマーは、常温だとゴム状、加熱で軟化する樹脂です。
一般的に、ゴムとプラスチックの特性を備えた素材といわれています。
TPEマットレスの特徴は、柔軟性と弾力性に優れることです。
寝心地がよく、寝返りをうちやすいマットレスといえるでしょう。
衝撃、振動が伝わりにくい点もTPEマットレスの特徴です。
就寝中にパートナーの動きが気になる方に向いています。
また、TPEマットレスは優れた通気性も備えます。
蒸れを気にせず快適に使用できるでしょう。
ただし、他のマットレスに比べ、重いものが多いといえます。
具体的な重量は製品で異なりますが、小まめに移動させたいなどのニーズがある場合は注意が必要です。
自分に合うマットレスの種類の選び方
以上の通り、マットレスにはさまざまな種類があります。
どのように選択すればよいのでしょうか。
選び方のポイントを紹介します。
硬さで選ぶ
寝心地に大きな影響を与えるのがマットレスの硬さです。
ただし、一概に柔らかければよい、硬ければよいといえるものではありません。
自身の体重にあわせて選ぶことが大切です。
一般的に、体重が重い方は、硬めのマットレスが適しているといわれています。
ある程度の体重があっても、深く沈みこまないためです。
体重が重い方でも寝返りを打ちやすいでしょう。
反対に、体重が軽い方は、柔らかめのマットレスが向いていると考えられています。
適度な沈み込みにより、自然な姿勢と快適な寝心地を確保できるためです。
同様に、寝るときの姿勢にも注意が必要です。
うつ伏せで寝る方は硬めが適しています。
体の重い部分が沈み込まず、自然な姿勢を保ちやすいためです。
横向きで寝る方は、軟らかめが向いています。
体の凹凸に沿って沈み込み、真っすぐな姿勢を保ってくれるためです。
実際の感じ方は、好みによっても変わります。
以上を参考に、自分に合っているものを探すことが大切です。
素材から選ぶ
マットレスの特徴は素材で大きく異なります。
通気性に優れるもの、ダニが繁殖しにくいもの、耐久性が高いものなどがあります。
こだわりたいポイントや重視したいポイントなどを明確にしてから選ぶことが大切です。
たとえば、通気性に優れる素材として、ファイバー・TPE・スプリングがあげられます。
スプリングマットレスの通気性は、ポケットコイルよりボンネルコイルのほうが優れています。
湿気やカビが気になる方は、これらの素材からマットレスを選ぶとよいでしょう。
パートナーや子どもと一緒に使用する場合は、横揺れが気になるはずです。
横揺れしにくい素材として、低反発ウレタン、ラテックスがあげられます。
一方で、スプリングマットレスのボンネルコイルは連結されているため横連れを伝えやすいと考えられています。
2人以上で使用する場合は注意が必要です。
メンテナンスのしやすさで選ぶ
マットレスの寿命は、品質、使用頻度、使用方法のほか、毎日のメンテナンスから影響を受けます。
したがって、お手入れしやすいマットレスを選んでおくことも大切です。
手軽さを重視したい方は、ファイバーマットレスを候補に加えるとよいでしょう。
丸ごと洗えるうえ、軽いため、簡単に干したり、裏返したり、回転させたりできます。
ダニやカビが繁殖しにくい点も魅力です。
ただし、耐久性はそれほど高くありません。
この点も踏まえて選択することが重要です。
一方で、スプリングマットレスは、お手入れにやや手間がかかります。
ある程度の重さがあるためです。
干したり、裏返したりするときに体力を要します。
体力に自信がない方は注意が必要です。
マットレスの寿命と買い替え時のサイン
マットレスには寿命があります。
ここでは、一般的な寿命と買い替えのサインを紹介します。
マットレスの寿命
マットレスの寿命は3~10年程度です。
具体的な寿命は種類で異なります。
【平均的な寿命】
- ・スプリング:7~10年程度
- ・ウレタン:3~7年程度
- ・ファイバー:6~8年程度
- ・ラテックス:6~10年程度
- ・TPE:7~10年程度
寿命は、製品の品質、日々のメンテナンスなどからも影響を受けます。
一般的に、安価な製品は寿命が短いと考えられています。
上記より短い期間で寿命を迎えることも少なくありません。
マットレスが寿命を迎えると、さまざまなサインが現れます。
どのような点に注意すればよいのでしょうか。
買い替え時のサイン
マットレスが寿命を迎えると、次のサインなどが現れます。
【買い替え時のサイン】
- ・寝ている箇所が凹んだまま戻らない
- ・朝起きると腰や首などが痛い
- ・ギシギシとしたきしみ音がする(スプリングマットレス)
- ・寝ると背中にスプリングがあたる(スプリングマットレス)
- ・カビが生えている
マットレスが著しく汚れているときや生地が破れているときも、買い替えを検討したいタイミングです。
以上を参考に、マットレスの状態をチェックしてみてはいかがでしょうか。
マットレスを長持ちさせるコツ
最後に、マットレスを長持ちさせるコツを紹介します。
上下・裏表をローテーションする
定期的に、マットレスの上下、裏表(両面、使用できるもの)を入れ替えて使用すると長持ちしやすくなります。
同じ箇所に負荷がかかり続けることを防げるためです。
寝ている箇所の凹みを防ぎたいときに有効な対策といえるでしょう。
干して湿気を取り除く
定期的に、陰干し、または日干しをすると、マットレスは長持ちしやすくなります。
マットレスにこもった湿気を取り除けるためです。
湿気がこもると、生地や詰め物が劣化しやすくなります。
また、カビのリスクも高まります。
これらの対策として、陰干し、または日干しが有効なのです。
ただし、マットレスの中には、日干しに対応していないものがあります。
取扱説明書を確認してから干しましょう。
マットレスは種類と特徴を理解してから選ぶ
ここでは、マットレスの種類について解説しました。
マットレスには、スプリング、ウレタン、ファイバーなどがあります。
それぞれの特徴を理解してから選ぶことが大切です。
悩むときは、硬さやメンテナンス性を考慮するとよいでしょう。
これらを比較すると、自分に合っているものが分かりやすくなります。
マットレスは、睡眠の質に大きな影響を与える大切な寝具です。
この記事を参考に、満足できるものを見つけてみてはいかがでしょうか。
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