家具の配置はどうやって決める? 部屋のレイアウト案も紹介
公開日:2023/09/06 / 最終更新日:2024/08/19
居心地のよい空間作りには、家具の配置が大きく影響します。
レイアウトに失敗すると、部屋で過ごす時間が満足度の低いものになるため、普段過ごす空間こそ、家具の配置にはこだわりたいところです。
そこで本記事では、部屋の居心地をアップさせる家具配置のポイントや、レイアウト案を紹介します。
部屋のレイアウト次第では、同じ空間でもまったく違う印象になるので、引っ越しや模様替えの検討をしている方は、参考にしてください。
目次
部屋の間取りの基礎知識
部屋の間取りは「R」「L」「D」「K」 のように、アルファベットを用いて表記されます。
馴染みがない方にとっては、アルファベットがそれぞれ何を指しているのか、ピンとこないかもしれません。
間取りの表記でよく見られるLはリビング、Dはダイニング、Kはキッチンを表しています。
それを踏まえたうえで、実際にどのような間取りの物件があるのか、例を見ていきましょう。
1R・1K
1Rと1Kは、主に1人暮らしに適した、コンパクトな物件です。
1は部屋の数を表していて、特に1Rは「ワンルーム」ともよばれます。
キッチンと居室が区切られておらず、完全に1部屋なのが1R、キッチンと居室が区切られているのが1Kです。
キッチンのスペースが独立しているぶん、居室の面積が同じときには、1Rより1Kのほうが広いと判断できます。
1DK・1LDK
1DKと1LDKは、1つの居室とは別に、DKあるいはLDKがあることを意味しています。
DKとは、ダイニングとキッチンの機能が併存する部屋のことです。
また、DKに加えて リビングの機能も併存する部屋を、LDKといいます。
DKとLDKは、『不動産公正取引協議会連合会』によって、明確に定義が分けられています。
キッチンの広さが4.5畳以上8畳未満であればDK、8畳以上10畳未満であればLDKです。
部屋の広さを表す単位としては「畳(帖)」がありますが、これは畳に換算したときの枚数を表しています。
家具を配置する際のポイント
家具を上手く配置するには、いくつかのポイントがあります。
これまで特別に意識せずに「家具が増えた順番に適当に配置していた」という方は、少なくないでしょう。
要点を押さえて家具を配置すれば、快適な空間が手に入るので、部屋のレイアウトをお考えの方は参考にしてください。
ポイント1役割ごとに空間を分ける
部屋にはそれぞれ役割があり、くつろぐ場所、料理する場所、勉強する場所と、そこで過ごす目的は 様々です。
しかし、DKやLDKのように複数の機能が併存する部屋では、用途の異なる家具が入り乱れ、バランスの悪い配置になりかねません。
そこで、役割ごとに家具をまとめて配置し、部屋の中の空間を分けてみましょう。
1つの部屋の中で「くつろぐスペース」「料理するスペース」「勉強するスペース」と、目的に応じて空間が分けられていると、機能的で調和のとれたレイアウトが実現します。
ポイント2動線を踏まえて家具を配置する
家具を配置する際は、動線も意識したいところです。
動線とは、人が移動するときの経路のことです。
動線上に家具を配置してしまうと、部屋の中をスムーズに移動できなくなり、ストレスの原因となります。
扉からソファ、家具からベランダといった、部屋の中での動きを妨げないように、日常生活での移動を意識して、動線を確保した配置を心がけましょう。
ポイント3空間ごとに収納を作る
物の多い部屋で過ごしていると、どうしても窮屈に感じてしまいます。
部屋の中を役割ごとに分けたあとは、それぞれの空間に収納場所を設けましょう。
クローゼットやチェストを活用して、空間ごとに物をまとめれば、広々と感じられる快適な空間になります。
家具を活用した、部屋を広く見せるためのレイアウト案は、後程 詳しく紹介します。
部屋のレイアウトを決める前に確認しておきたいこと
部屋のレイアウトを考えるとき、一番好ましくないのは、闇雲に家具を配置していくことというのはご理解いただけたでしょうか。
一度置いた家具を動かすのは時間がかかりますし、労力も削られてしまいます。
事前にある程度イメージを持った上で、効率のよい方法を取りたいところです。
ここからは、レイアウトを決める前に確認しておきたい3つのポイントを紹介します。
部屋の形を確認する
レイアウトを決めるときに意外と重要なのが、部屋の形です。
部屋の形は広さにかかわらず、いくつかの種類があり、1Rや1K、1DKに多い長方形の部屋のほかに、正方形やそれ以外の形の部屋も存在します。
家具の配置は、部屋の形によって適したレイアウトが異なります。
同じ長方形であっても、縦長と横長では空間の作り方が違ってくるはずです。
レイアウトを決めるときは、最初に部屋の形を確認しておきましょう。
長方形(縦長)の場合
1Rや1Kで一般的な縦長の部屋では、選べるレイアウトが限られます。
横幅が短いため、ベッドやソファなどの大きな家具を配置できる場所が、ある程度決まってしまうからです。
こまめな模様替えが難しい形なので、家具を配置する際は、ほかの部屋以上に事前のシミュレーションが求められます。
長方形(横長)の場合
長方形の部屋では、入り口から左右に伸びている横長のケースもあります。
その場合は、家具を使って部屋を仕切り、空間にメリハリをもたせることが可能です。
入り口から見て正面に大きな家具を置くと圧迫感があるため、なるべく左右の両端に寄せた配置がおすすめです。
正方形の場合
部屋の形が正方形の場合は、どの面にも家具を配置できるものの、レイアウトが上手くいかなければ、窮屈な印象になってしまいます。
配置の組み合わせは豊富なため、定期的に模様替えをするなど、さまざまなレイアウトを試したい方に適しています。
特殊な形の場合
なかには台形や三角形など、特殊な形をしている部屋もあります。
このような部屋では一般的なセオリーが当てはまらないケースも多く、家具の配置に苦戦するかもしれません。
その際は、部屋の形に合わせて家具を選んだり、収納方法を工夫したりと、スペースを有効活用できるように、あれこれトライしてみてはどうでしょう。
うまくいけば、独創的な部屋が完成して、愛着のある空間が手に入ります。
部屋での過ごし方をイメージする
レイアウトを決める際は、 一通り配置が終わった部屋で実際に過ごすときの姿を、イメージしてみましょう。
たとえば、テレビの近くにソファを置いたり、クローゼットの近くにスタンドミラーを置いたりと、普段の生活を考えて自然な配置を想定することが大切です。
扉の開閉に問題がないか、動線が塞がっていないかも、あわせて確認したいところです。
大きい家具の配置を最初に決める
部屋のレイアウトでは、サイズの大きい家具から配置を決めるのが鉄則です。
ベッドや本棚などの大きい家具だと、他の家具との組み合わせに、どうしても制限があります。
順番を考えずに家具を配置していくと、「ソファを置ける場所がどこにもない」といった事態に陥りかねません。
最初に大きい家具の配置を決めて、余った空間に残りの家具を配置すると、部屋のレイアウトがスムーズに決まります。
部屋を広く見せるためのレイアウト案
それほど広くない部屋でも、レイアウト次第では開放感が得られます。
動線や視線を意識して家具を配置すれば、快適な空間を実現するのは難しくありません。
部屋を広く見せることができれば、ストレスを感じすに、普段から気持ちよく過ごせます。
なかにはすぐに実践できるアイディアもあるので、ご自身の部屋に取りいれてみてはいかがでしょうか。
大きい家具を壁際に寄せる
ベッドやソファといった大きな家具が部屋の中心にあると、存在感が強く、部屋全体が狭く見えてしまいます。
このような家具は壁際に沿って配置し、可能な限り部屋の中心を空けておきましょう。
視線が集まりやすい空間には何も置かずに、視線が通るように空けておくのがセオリーです。
動線の確保にもつながり、実用面でも過ごしやすい部屋が完成します。
部屋の対角にインテリアを置く
自然と人の視線が集まる場所を「フォーカルポイント」とよび、部屋においては、入ったときに最初に目がいく箇所を指します。
入り口の正面や対角がフォーカルポイントに該当し、そこに意識してインテリアを置くことで、部屋全体にメリハリが生まれて、奥行きを演出できます。
フォーカルポイントに置く家具としては、観葉植物やフロアスタンドがおすすめです。
背の低い家具を選ぶ
部屋を広く見せるには、背の低い家具を選ぶことも重要です。
特に、6畳程度の広くない部屋で効果的な手法です。
背の高い家具を置くと圧迫感があり、部屋全体に窮屈な印象を与えてしまいます。
家具の高さを目線より低い位置に揃えれば、視界が遮られずに見通しがよくなります。
必要な家具を絞る
基本的に、物が増えれば増えるほど、部屋を広く見せるのが難しくなります。
必要な家具を絞って、最低限の配置に抑えられれば、快適な空間に近づきます。
一般的に理想とされる家具の占有率は、部屋の面積の3分の1です。
6畳の部屋なら2畳分、12畳の部屋なら4畳分が目安になります。
理想の占有率を意識して、適切な量の家具を配置していきましょう。
窓を塞がないように家具を配置する
部屋を広く見せるには、大きな家具を壁側に寄せるのが効果的だと説明しましたが、その際は、窓を塞がないように注意しなければなりません。
窓の前に大きな家具を配置すると、外の様子がわからなくなり、部屋全体が暗く、窮屈な印象になります。
また、結露する窓を家具で塞いでしまうと、窓際の壁紙にカビが発生する原因にもなります。
窓の前に家具を配置する場合は、背の低いものを選ぶなど、閉塞感がでないような工夫が必要です。
壁を収納に活用する
家具の数を絞ることで、収納場所が足りなくなる場合は、壁を活用するのが効率的です。
スペースを要する家具の代わりに、パンチングボードやディアウォールといった壁面収納グッズを使えば、空間を広く見せられます。
ただし、壁面収納グッズも家具と同様に、配置しすぎると圧迫感を生じるので、使い過ぎに注意しながら、ゆとりのある空間を目指してみてくださいね。
床が見える面積を増やす
部屋に配置する家具の量が減れば、自然と床が見える面積が増えますし、空間にゆとりが生まれます。
家具を置いていないスペースは掃除しやすいのもメリットです。
家具を必要最小限に抑えたり、壁面収納グッズを活用したりと、床が見える面積を増やすことのできる工夫はいくつもあります。
部屋全体を白を基調とした淡い色で統一する
部屋全体に開放的な印象を与えるには、家具やインテリアを、白を基調とした淡い色で統一するのも一案です。
淡い色は圧迫感が少なく、部屋を明るく広く見せる効果があります。
すっきりとしていて清潔感があり、多くの方に好まれる配色です。
ただし、白を基調とした部屋には多くのメリットがある一方で、バランスを間違えると、空虚感が強くて落ち着かず、リラックスしづらい空間になってしまいます。
白い家具やインテリアは、汚れが目立つのもデメリットです。
白を使う場合は、完全に白一色で統一するのではなく、ライトグレーやベージュなど、相性のよい色を取りいれることで、ほどよくリラックスできる、上品な部屋が作れます。
部屋の雰囲気を簡単に変える方法
気分転換に模様替えをしたいと思っても、家具を動かすのは大変なので、どのように手をつければよいかお悩みの方は多いでしょう。
部屋の雰囲気は、ちょっとした工夫でガラッと変えられます。
ここからは、部屋の印象を大きく変える3つの方法を紹介します。
方法1テレビの位置を変える
最初に紹介するのは、テレビの位置を変えて部屋の印象に変化をつける方法です。
部屋のレイアウトを、テレビの位置を中心に決める方は多いでしょう。
テレビの位置が決まると、それに付随してソファやテーブルといった、周辺家具の位置も固定されます。
そのため、テレビを動かすことで、周辺家具の適したポジションが自然と変わり、部屋全体の雰囲気が変化します。
アンテナ端子の場所が決まっていて、テレビの位置を動かすのが難しい場合もありますが、画面の向きを変えるだけでも、ソファなどの位置が動けば十分効果的です。
簡単に部屋の印象を一新できるため、可能な範囲で実践してみましょう。
方法2ソファやテーブルを壁に寄せる
ソファやテーブルを中心に置いている部屋は、珍しくありません。
これらの家具を少し動かし、壁に寄せるだけでも、印象が劇的に変わります。
部屋の中心から家具を除けば、視線が通って広く感じられる、開放的な空間が手に入ります。
方法3照明の数を変える
照明は、部屋の雰囲気を大きく左右するインテリアの1つです。
照明の数を増やしたり、違う種類のものに交換したりすると、部屋の印象が変化します。
大きな家具とは異なり、照明の増減や取り換えは容易に行えるため、手軽に模様替えをしたいときに適しています。
部屋に必要な明るさを確認して、実用性と装飾性のバランスを取りながら、お気に入りの照明を配置してみてください。
部屋を広く見せられる家具の配置を考えよう
本記事では、部屋に家具を配置するときのコツやレイアウト案を紹介しました。
部屋のレイアウトを考える際は、部屋での過ごし方をイメージした、動線の確保が重要です。
家具の配置次第では、部屋の印象が大きく変化します。
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