夏こそ楽しむカーペット

カーペットやラグのメリットは暖かさだけではなく、ホコリが舞い上がらない、防音性がある、滑りにくい、洗って干せたり、取り替えて模様替えが出来る、そして種類が豊富でデザイン性に優れていることなどなど。

小さい子供がいるからとかアレルギーだからといった理由でカーペットを敬遠されている方もいらっしゃるかもしれません。小さいお子さんには、滑りにくくて転んだときの衝撃も少なく、特にマンションの方には階下への騒音防止にもなるカーペットはむしろおすすめです。ダニやほこりがご心配でしたら、ぜひ下記の<湿気とほこり・ダニ対策>をお読みください。

冬暖かく夏さらっと気持ちいい自然素材のものを選べば1年中楽しめます。冬はモコモコのウール素材、夏は湿度が高いのでさらりと麻のラグなどと季節によって衣替えを楽しむことも出来ます。夏こそ、もっともっとカーペットを楽しみましょう。

夏向き素材

お部屋のフローリングのひんやりとした感触も心地よいですが、夏は畳や麻・綿素材など天然素材の感触も恋しくなりませんか? カーペット売場にも籐や竹、麻製品など上質な素材がたくさん並んでいます。見た目にも涼しげでさらりと気持ちいい、天然素材の感触をぜひお楽しみください。

古くは「大麻(ヘンプ)」のことを言いましたが、広い意味では大麻に似た繊維の取れる植物や繊維のことを言います。麻と名のつく植物は20種類くらいあるそうです。(品質表示で「麻」と表記するのは亜麻(あま・リネン)と苧麻(ちょま・ラミー)だけ)
吸水性がよく、乾きやすい。さらりとした感触がとても心地よく、ホームリネンや衣料、インテリアと広範囲に活用されています。「チクチクする」と気にされる方もいらっしゃいますので、触って肌触りを確かめてお選びください。

サイザル麻

夏こそ楽しむカーペット サイザル麻

リュウゼツラン(龍舌蘭)科多年草の葉の繊維。断熱性があり湿気を吸収・拡散してくれるので、夏涼しく冬暖か。光沢もあります。

ケナフ(洋麻)

夏こそ楽しむカーペット ケナフ

別名ホワイトハイビスカス。二酸化炭素を吸収しながら短期間で成長し、パルプの代用になることからエコロジーの面でも注目されている繊維。

ジュート(黄麻)

夏こそ楽しむカーペット ジュート

シナノキ科1年草の茎の繊維。コシと安定感、そしてざっくり感があります。やわらかいので素足で歩くと気持ちいい!(写真は綿60%ジュート40%)

アバカ(マニラ麻)

夏こそ楽しむカーペット アバカ

バショウ科、バナナの仲間。最近注目が集まっています。日本のお札はマニラ麻で作られているそうですよ!(写真はアバカ材チェアの座面)

その他の天然素材

ココヤシ

夏こそ楽しむカーペット ココヤシ

ココナツの実からとれる繊維。腐りにくくカビが生えにくい。
湿気を帯びるとココヤシは伸び、サイザル麻は縮むので、寸法を安定させるために両方を混織したカーペットもあります。

イグサ(い草)

夏こそ楽しむカーペット い草

なんともいえない香りと肌触りは日本人でよかったと思えるはず。置き畳からごろ寝マット、枕、ラグ、座布団などなどたくさんのイグサ製品があります。
別名:灯心草(トウシンソウ)。イグサの芯をろうそくや行灯(あんどん)の灯心として利用したことからついたそうです。

コルク

夏こそ楽しむカーペット コルクイメージ

ブナ科コルクガシの樹皮から作られる。たくさんの気泡が熱をのがさず保つので、夏は素足でも気持ちいいサラサラ感があり、冬はじんわりと暖かく心地いい。

籐(ラタン)

夏こそ楽しむカーペット ラタン

熱帯に自生するヤシ科のつる性植物。表面にホーロー質と呼ばれる独特のガラス質の艶があり、軽くて丈夫で弾力性がある。カゴや小物から家具・床材まで幅広く使われています。

シーグラス

夏こそ楽しむカーペット シーグラス

陸に上がって進化した植物がもう一度水中に戻ったもの。とても丈夫で撥水性があり、日本のイグサに似ている。使い込むと深い味わいに。

夏こそ楽しむカーペット 竹

イネ科の多年生植物。世界には1,000種類以上あるといわれている。素足にとても心地よく、アジアンテイストの中にも和を感じさせてくれる素材。

ウォーターヒヤシンス

夏こそ楽しむカーペット ウォーターヒヤシンス

日本ではホテイアオイという名で金魚と一緒にも売られている、ミズアオイ科の水生植物。シーグラスよりややソフトで肉厚。ナチュラルな雰囲気が人気です。

ペーパーコード

夏こそ楽しむカーペット ペーパーコード

樹脂を含ませた天然紙ファイバーをこより紐状に加工したもの。天然繊維の良さを保ちつつ、耐久性は強化され強度は畳の15倍。品質が均一なのも魅力です。

天然素材のお手入れ

普段は柔らかいブラシでブラッシングするか、掃除機でほこりを吸い取ってください。吸湿性が高いので水は避け、柔らかい雑巾で乾拭きします。
また湿った状態で使うとカビが生えやすくなります。万一生えてしまった場合は、十分に乾燥させてから消毒用アルコールでふき取ります。
床暖房や暖房器具などの使用で極端に乾燥してしまうと、表面がささくれ立ったりすることがあります。固く絞った雑巾で、表面に軽く湿気を補ってあげてください。
紫外線の影響で変色・変質する場合があります。また日の当たる部分と当たらない部分があると、部分的に変色する恐れがあります。

湿気とほこり・ダニ対策

ダニってどこにいるの

アレルギーの原因のひとつでもあるダニは、どこにでもいます。特に好むのが

  1. 1.人間のふけや髪の毛、食べかす、カビなど餌のあるところ
  2. 2.適度な湿気のあるところ
  3. 3.もぐりこめるところ

寝具や畳、カーペット、布製のソファ、ぬいぐるみなどはダニの住処になりやすく、まめに乾燥させてほこりをためないようにする必要があります。
また生きているダニだけでなく、死体や卵、糞などもアレルギーの原因となります。

カーペットがダニやほこりの原因!?

カーペットがダニの原因だと騒がれたことがありましたが、それは、ダニがついたままの東南アジア産のイグサで作った畳が原因でした。吸湿する畳の上に保温性の良いカーペットを敷いて、ダニにこの上なく居心地のいい場所を提供してしまったからです。「畳 + カーペット」の組合せは避けるのが無難です。
カーペットに湿気をためないように換気し、きちんとお掃除しましょう。掃除機かけは週2回、毛並みを起こす方向(色が濃くなる)と毛並みに沿った方向(色が薄くなる)の2回かけると効果的です。押さえつけず、軽くかけてください。またカーペットはほこりが出るから嫌だという方もいらっしゃると思いますが、ほこりもダニ同様どこにでもあるもの、空気中を漂っているものです。
フローリングは掃除が楽ですが、ほこりが目立ちやすく、空気中にも舞ったままとなります。カーペットは表面の繊維が空気中のほこりを吸着してくれ、付いたほこりも目立ちにくい。ただしまめに掃除機をかけないと、カーペット自体がほこりだまりになってしまいます。どちらがどうとは言えませんが、いずれにしてもまめに換気・掃除をして清潔に保つのが一番です。

湿気対策

湿ったままのカーペットを使っていると、パイル(表面の繊維の束)に悪い癖がつきほこりや汚れが付きやすくなります。逆にカーペットが汚れていると湿気を呼んでしまいます。
天気のいい日には窓を開け放して換気をします。風通しが悪い部屋には除湿機を使うのも効果的。しっかり掃除をした後、ラグや置き敷きのカーペットなら裏返しにしたり少し持ち上げたりして、裏側にも空気を入れてあげましょう。

防ダニカーペットって?

夏こそ楽しむカーペット 防ダニ加工マーク

「防ダニ加工マーク」は、「防ダニ加工製品協議会」の厳しい基準をクリアした製品に表示されています。その効果は下記の3つ。

  • ・ダニの忌避効果(ダニが嫌がり、逃げる効果)
  • ・効果の安全性(安全性が高く、体に優しい薬剤を使用)
  • ・効果の持続性

殺虫剤を含ませダニを殺してしまう方法では、死骸が残ってアレルゲンとなる可能性があります。
防ダニ加工マークがついた商品は、ダニを寄せ付けずまた増やさない効果があります。そしてそれが持続すること、安全であることが確認されたマークですので、安心してお使いいただけます。

夏のお手入れ

冬のカーペットをしまう

夏はフローリングのひんやりとした肌触りを楽しみたい、また夏は夏用のカーペットを楽しみたいという方。冬の間活躍してくれたカーペット、また来年も気持ちよくつかえるようにきれいにしてしまってあげましょう。

干す

良く晴れた日、できれば晴天が続いて空気が乾燥している日に、カーペットを裏向きにして陰干しします。1日干しておくと水分が抜けて軽くなります。

ほこりをとる

カーペットの両面を布団たたきなどで丁寧にたたき、取り込んで両面にしっかりと掃除機を掛けます。

しまう

きれいなハトロン紙で包み、風通しのよい日陰に立てて保管します。その際除湿剤を入れておくと効果的。

長く使わないカーペットも、半年に一度は広げて虫干しをしてあげましょう。

ラグやマットを洗う

台所や玄関のラグやマット、常に踏まれ汚れてしまっています。できれば洗ってしまいたいですね。まず裏面の洗濯に関する表示を見て、洗えるかどうか確認してください。

水洗いできないもの

  1. 1.表面を布団たたきなどでたたいてほこりを出す。
  2. 2.薄めた中性洗剤を少しつけたブラシで、良くブラッシングする。
  3. 3.固く絞った雑巾でよく拭いて、洗剤分をしっかり取り除く。洗剤が残っていると汚れの原因になります。
  4. 4.風通しの良いところに陰干し。

水洗いできるもの

  1. 1.浴室のスノコや浴槽の中に畳まずに置く。
  2. 2.水で湿らせ、粉末中性洗剤で踏み洗い。または浴槽に10cmくらい水を張り、中性洗剤を溶かしてその中で踏み洗い。
  3. 3.スノコの上で水洗いし、洗剤分をしっかり取り除く。洗剤が残っていると汚れの原因になります。
  4. 4.浴槽のふちにかけて水を切り、風通しの良いところに陰干し。

天然染料を使っているキリムはお湯で洗うと色落ちします。必ず水で洗ってください。洗剤を使う場合は、中性洗剤だと色がにじむので専用の洗剤かシャンプーを使います。

カーペットのお手入れ

カーペットの普段のお手入れに関しては、こちらもあわせてご覧下さい。
家具のお手入れ/メンテナンス

(2004年7月作成)

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