仕舞う家具 -棚/収納家具について-

ひとくちに収納家具といっても…

ひとくちに収納家具といっても、ワードローブや食器棚などの大きなものからサイドボードやチェストなど小ぶりなもの、飾り棚など様々です。
「収納するものに合わせて」「置く場所に合わせて」「機能で」「デザインで」・・選び方も様々。
適材適所。生活動線の邪魔にならず、使いやすく、部屋のイメージに合った、お好みの収納家具を、ばっちり選んでください!

収納家具とは、その名の通り生活用品や衣類・書籍などを収納する家具のこと

その種類は本当にたくさんあり、機能ごと、種類ごとにたくさんの呼び名があります。特定のものを収める機能にこだわった家具、座ったり化粧したり他の機能を兼ね備えた家具、多目的な家具、デザインにこだわった家具、収めるものを見せる家具/隠す家具・・・。
まずは主な収納家具をまとめてみました。 家具選びのお役に立てれば嬉しいのはもちろんですが、言葉の由来など知ることによって家具選びをもっと楽しんでいただけるようになれば幸いです。

ラック / シェルフ

物を置いたりかけたりする台、棚のこと。シェルフには、店舗で使う 「商品を陳列する棚」 という意味があります。

ローボード / サイドボード

サイドボードは、低くて横長の飾り棚のこと。よくリビングボードの意味で使われますが、本来は食器棚のことでもあります。ローボードはテレビ台など背の低い棚の総称。

チェスト

チェスト(chest) は 「胸部」 という意味。高さが胸ぐらいまでの小型の整理ダンスをこう呼びます。高さによって ローチェスト / ハイチェスト に分けられます。また、古くから使われた家具のひとつで、衣類や調度品を収納するふた付きの長方形の箱「櫃(ひつ)」のこともチェストと呼びます。ベンチチェストは、座面をふたにしたり、引出しをつけたりして収納できるようにした椅子のこと。「ベンチ(bench)」と「チェスト(chest)」を合わせた造語です。

キャビネット

キャビネット(cabinet) は、「納戸」 や 「物置」 などを指すフランス語。 小型の整理箱も含む、戸棚や飾り棚のことですが、特に縦長で背の高いものを指す場合が多いようです。またAV機器の外箱もキャビネットと呼びます。

キュリオケース

キュリオ(curio) は 「骨董品」 という意味で、それを陳列するケースのこと。一般的には、高級な飾り棚をキュリオケース、またキュリオキャビネットと呼びます。

カップボード / ダイニングボード / ハッチ

カップボードは、14世紀頃のイギリスで生まれた金や銀の高価な皿を飾るための棚のこと。一般には台所で使う食器棚のことをいいます。 ダイニングボードは、ダイニングに置く飾り棚を兼ねた食器棚のこと。ハッチは 「小窓」 という意味で、間仕切りを兼ねた両面使いの食器棚を両面ハッチと呼びます。

ドレッサー

本来は中世のイギリスで用いられたオープン型の食器棚のこと。お皿を飾って収納することができ、調理の準備にも利用されました。
現在では鏡と引出しがついた化粧ダンスや化粧テーブルのこと。

鏡台 ・・ 鏡と化粧道具を収納する引出しがついた和家具。 一面鏡、三面鏡、半三面鏡などに分けられます。 姫鏡台はタンスの上に置いたりして使える小型の鏡台。

ワードローブ

語源は長い上着などを吊るしておく部屋 「ワードルーム」。洋服を吊るして収納する家具のことですが、現在では洋服ダンスの総称として使われています。

その他

パンダジ ・・ 韓国李朝時代の代表的な家具で、衣類や書類などを収納する家具。 「半分閉じる」 という意味で、前面の半分が手前に開く形の収納ダンスです。

チャイナキャビネット ・・ チャイナ(china) は英語で陶磁器のこと。 コレクションした陶磁器を飾るための高級な飾り棚で、チャイナクロゼット(china closet) とも呼びます。

シェルフ

シェルフ

両面ハッチ

両面ハッチ

ハイチェスト&ワードローブ

ハイチェスト&ワードローブ

収納家具の形やサイズ、機能は限りなくバリエーションがあります。名前に惑わされないのも選び方のひとつ。「スペースに合ったもの」 「自分の持ち物に合ったもの」 「部屋のインテリアに合ったもの」 「自分の好みに合ったもの」 と考えていくと、選択肢は無限にあるはず。食器は必ず食器棚にしまわなければならない・・・ という決まりはないんです!

選び方…チェックポイント

家具選びの前に

梁下、窓の近くはちょっと気をつけて・・

あらかじめ置くスペースの大きさをしっかり測っておくと、家具選びがスムーズに出来ます。背の高い家具を置く場合は天井や梁までの高さも測っておきましょう。コンセントプレートやスイッチプレート、テレビ・電話のジャックなどがじゃまにならないかもチェック。窓の近くに置く場合は、カーテンに注意してください。 カーテンは窓より大きめに掛かっていますし、開けて束ねたときはかなり厚みがあります。 そのためのスペースを空けておかないと、見た目が窮屈になってしまいます。

梁下、窓の近くはちょっと気をつけて・・

思ったより大きかった!

置く場所もしっかり把握してイザ家具選び!気に入った家具が見つかったら、購入の前にサイズをチェックしておきましょう。 天井が高く広々とした店内では、家具は実際より小さく感じてしまいます。せっかく買ったのに大きすぎた!・・なんてことがないように!

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置く場所と家具のサイズは要チェック!

長持ちする家具を選ぼう!

家具を長く使うためには造りのしっかりした家具を選びましょう。 特に金具や引き出しのレールなど、可動部分がしっかりしているかがまずポイントになります。

丁番

扉が大きければ丁番にかかる負担も大きくなります。 丁番は多いほうが負担が分散されます。

引き出し

引き出し自体の造りがしっかりしているかまずチェック。接着剤だけで接合されているものより、木材同士がしっかり組んであるもの(写真:蟻組み)のほうが丈夫です。また、出し入れはスムーズに出来るか、ストッパーが付いているか、がたついたりしないかもチェックしておきましょう。

背が高い家具は横揺れに弱いですが、背板や扉に横木が使ってあるものであればある程度その心配もなくなります。

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取っ手や丁番、引き出しなどよく動かす部分の造りをチェック!

使いやすいのはどの形?

何を入れるのか、どこに置くのか、どのくらい頻繁に使うのか、などによって使いやすい形は違ってきます。 まずは自分に適した形、そして開け閉めがスムーズで造りのしっかりしたものを選びたいものです。

オープン or 扉 / ガラス扉 or 板扉

頻繁に使うものを置いておいたり、ちょっとした台替わりにもなるオープン棚。 ただホコリがたまりやすいので収納には不向きです。ガラス扉は中身が見えて整理しやすく、また圧迫感が少なくなります。 目隠ししたい棚にはガラスの入っていない板扉を。
※家具には転倒防止などの対策をされている方が多いと思いますが、ガラス扉の対策は大丈夫ですか? 震災のとき、扉のガラスが割れると破片で怪我をしたり、中身が飛び出したりといった危険があります。 飛散防止フィルムを貼るなどの対策をしておきましょう。

棚板 or 引き出し

用途に合った形を選びましょう。棚板は枚数が増やせるか、強度がしっかりしているか、高さが細かく調節できるかチェック。引き出しはがたつかずスムーズに出し入れできるか、引き出し自体がしっかりしているかチェック。

食器棚やクローゼットなど頻繁に開け閉めする家具は、めいっぱい収納すると出し入れがしづらくなります。 クローゼットは服を傷める原因にもなります。 将来的なことも考えて、収納力に余裕を持った大き目の家具を選びましょう。

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置く場所と入れるものに合った形を選びましょう!

引き出しは便利

引き出しの利点は 「奥行きを有効に活用し、上から出し入れできる」 こと。重ねて棚に並べると取り出しにくい茶碗や汁椀も、引き出しなら楽に整理できます。
あまり高いと使いづらくなります。 一番上の段が自分の目線くらいまでのものを選びましょう。大きく深い引き出しはたくさん入って便利ですが、引き出し自体が重くなり、出し入れもしづらくなります。 やはり入れるものにあわせた適度な大きさを選びたいものです。

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引き出しは有効に使いましょう!

ゆとりをもって適材適所

モノは増え続けます。結婚して新居を構えた方やお引越しをされた方なら、「収納場所は十分だと思ったのに思ったより入らなかった」 という経験、ないですか? 「新しいマンションにはクローゼットが付いているから大丈夫」 と思っていても、自分の持ち物を考えてみるとそれだけでは足りないはず。 ‘たたんでしまう収納’ も絶対に必要になります。
まずは 「適切な場所に適切な家具を置く」 こと。「モノを置かずシンプルに暮らす」 にしても、「好きなものに囲まれて暮らす」 にしても、基本は 「適材適所」 です。

足しすぎず、引きすぎず、「必要なところに必要な分」 ・・・ を心がけることからはじめてみませんか?

ゆとりをもって収納

思い切って処分するかマメにリサイクルでもするかしない限り、物は増えるばかり。将来のことを少し意識して、収納力に余裕を持たせましょう。

ワードローブ

収納力以上にスーツを掛けると、スーツがしわになってしまったり、出し入れがしづらくなったり ・・・ 衣類にとってあまりよくありません。 「スーツ一着につき幅約7センチ」を目安に、収納力に余裕を持って選びましょう。
効率よく収納できるようワイヤーバスケット、小引き出し、シャツやベルト・ネクタイのストッカーなど様々な機能がついた家具もあります。 自分の持ち物と相談しながら、上手に選んでください。
ただし、細かい機能に分かれているということは、入れるものが限られるということでもあります。その機能が自分にとって本当に必要なスペースなのか見極めることも大切です。

ワードローブの収納例

ダイニングボード

2人暮しの平均的なダイニングボードの収納物は以下のとおり

・ 大皿 12枚
・ 中・小皿など 16枚
・ 大鉢・椀 8個
・ 中・小鉢など 16個
・ 和食器(ご飯茶椀・汁椀など) 6セット

・ 洋食器(ボウル・グラタン皿など) 5セット
・ 銀器(スプーン・フォークなど) 小引き出し半分
・ 和小物(箸・箸置きなど) 小引き出し半分
・ お茶・コーヒー・紅茶セット 各2セット
・ 雑食器(鉄板皿・中華椀など) 各5個

開き扉にすると開閉スペースが多く必要になります。 ダイニングテーブルの近くに置く場合や、キッチンのスペースにゆとりがない場合は要注意。 食器の出し入れがしやすいよう、また食器が増えることを考えてやはり収納力に余裕を持って選んでください。

ダイニングボードの収納例

ゆとりをもってレイアウト

図は6帖(255×352cm)・クローゼット付きの部屋にベッドとチェストを置いた場合のレイアウト例です。 ※この場合クローゼットとベッドの間はかなり狭くなるのでご注意ください

ベッドを壁に寄せて置く場合、ベッドメイキングのために約5〜10cm壁から離して置きましょう。チェストの上に鏡を置けばドレッサーも兼ね、省スペースに。ベッドと家具がどうしても接近してしまう場合は、通路として65cmくらいは開けておきましょう。
クローゼット用の収納家具などもたくさん市販されています。短い洋服の下など空きスペースをうまく使って、クローゼットを有効に活用してください。

6畳のレイアウト例・・クローゼット付き

ベッドとワードローブの間は十分に開けておかないと衣服の出し入れがしづらくなります。

開き扉のタイプならベッドとの間に約90cm必要。スライド式の扉(引き違い戸)なら扉を開けるスペースが要らなくなり、自分が立つ空間が確保できればOK。(それでも70cmくらいは開けておきましょう) 省スペースを考えるならスライド式のほうが便利ですが、扉が全開できないという弱点もあります。 引き出しの場合は、しゃがんで引き出しを引くという動作に、広い空間が必要になります。約90cmは開けておきましょう。

ワードローブの前には十分なスペースを

ふとんにすると・・・

ふとんの上げ下ろしのスペースがあれば十分なので、スペース的には余裕が出ますが、 別にふとんの収納スペースが必要になります。 あまり家具を置きすぎると寝ているときに圧迫感を感じたりしますので、寝るスペースは余裕を持って確保し、家具の転倒防止対策をしっかりしておきましょう。

本文中に使用している家具・インテリアの写真はイメージです。当社にてお取扱いのない商品が含まれる場合がございます。また、掲載しました情報はコラム作成当時のものとなりますので予めご了承ください。

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