あれやこれやアジア
ルーツを探る
中国
18世紀のヨーロッパ、ロココ調の時代に、東洋との交易が盛んになるにつれて中国的な装飾が室内装飾や家具のデザインに取り入れられるようになります。シノワズリ(=中国趣味)はデザイン全般に及びました。
そのころ中国は美術工芸の盛んな時代。明、そして清の時代の家具は最高峰とされています。
15世紀から17世紀にかけての明式家具はすっきりした流れるようなラインと気品ある装飾が特徴。18世紀から清代末期の清式家具は複雑な装飾が好まれ、ディテールに凝った彫刻が施されています。
韓国(李朝家具)
李王朝時代(1392-1910)に造られた家具を李朝家具と呼びます。木目の風合いと真鍮金具の組合わせが美しい家具です。李王朝は儒教思想の国家で、家具もその影響で独特のデザインや機能を持っています。
儒教思想の元では男女は日中でも顔を合わせることは無く、男女別々の部屋があり食事も別にとったそうです。そのため小盤(ソバン)という脚付きのお膳が発達しました。また舎廊房(サランバン)といわれる男性の部屋には机、本棚、書類入れ、薬ダンスなどが、アン房(アンバン)といわれる女性の部屋には、収納ダンス類、鏡台、小物入れや貴重品入れなどが置かれていました。
その他特徴的なものとして、パンダジという家具があります。「半分閉じる」という意味で、前面の半分が手前に開く形の収納箪笥です。
その他
アジアの国々はヨーロッパ各国の植民地にされていた歴史があります。例えばシンガポールはイギリス、フィリピンはスペイン、インドネシアはオランダなどなど。家具造りの技術はそのころヨーロッパからもたらされたという国が多いようです。
西洋からもたらされた技術に民族の伝統や文化が融合し、独自の家具文化が発展したんですね。
・タイの代表的な家具は、ラバーウッド(樹液を採取した後のゴムの木)製の木製家具や水牛革製品。また竹製家具やウォーターヒヤシンスなど植物繊維を編んだ家具なども人気です。
・フィリピンはラタン(籐)家具の名産地として有名です。また複雑な彫刻が施された木製家具なども人気があります。
・インドネシアは、オランダの植民地時代から400年に及ぶ植林の歴史があり、チーク、メルクシ松、マホガニーなど豊富な木材資源を使って家具が作られています。
知ってるつもり
アジアンインテリアのお店でよく耳にするあの言葉、この言葉・・・。もちろん実物を見て、さわって、楽しむのが一番ですが、一言二言うんちくを知っていると愛着も増します。アジアンインテリアの“知ってるつもり”です。
ファブリック 他
キリム
トルコやイランなどで織られる毛足のない平織りの織物。ラグとして敷くのはもちろん、ソファカバーやベッドカバーにしたり壁に飾ったりして楽しめます。
イカット
インドネシア産、絣(かすり)織物のこと。島や村によって動物、人、花など様々な模様があり、衣類からカバー、小物まで用途は様々。
バティック
「ジャワ更紗」。インドネシア、主にジャワ島原産のろうけつ染の布。もともとは王宮の衣装としてつくられていました。
ロンジー
ミャンマーの男女が身につけている腰巻状の衣類。
バービアン
ラオスの浮織りシルク。女性が寺院に行くときに身に付ける肩掛け。タペストリーやテーブルセンターとして楽しめます。
マットミー
タイの東北部に古くから伝わるシルク絞り染の布。
ギャッベ
イラン遊牧民の毛足の長い手織絨毯。粗くざっくりと編みこまれた素朴さが魅力です。
ヘレケ
トルコ・イスタンブール近郊のヘレケという村で織られる絨毯。ペルシャ絨毯の最高峰と言われています。
素材
ラタン
籐。熱帯に自生するヤシ科のツル性植物。カゴや小物入れから家具まで幅広く使われます。
バンブー
竹。イネ科の多年性植物。世界に1,000種類以上あるといわれています。ラタンと共にアジアンインテリアの代表ですね。
パンダン
根元がタコの足のように数本で立ち上がっていて、葉が扇型をしているタコノキ科の植物。葉を編んでマットや籠、バッグなど。香りがよいのでお菓子の香り付けにしたり、虫除けにもなるので様々な用途に利用されます。
アタ
インドネシアに自生するシダ科の植物で、籐によく似ています。茎を裂いたものを編みこんでいき、形を整えたら天日干しして燻します。燻すことで防虫防水効果が生まれ、アメ色に変化します。バッグ、バスケットなどによく利用されます。
シーグラス
シーグラスとは緑藻類の仲間が陸に上がって進化し、もう一度海にもどった「海草」と呼ばれるものです。池や川に生えている「水草」も陸に生えていた草が水の中に戻ったもの。これらの繊維を乾燥させ編み込んでバッグやバスケット、家具に使います。
チーク
タイ、ミャンマー、インド、インドネシアなどアジアに分布する世界的な高級銘木。原産国の名をとってタイチーク、インドネシアチークなどと呼ばれます。耐久性に優れ狂いが少ないので、家具のほか船舶の甲板やガーデンファニチャーなどに使われます。
雑貨
バードケージ
鳥かご。アジアン雑貨としてよく目にします。国によって様々な素材、デザインがあるようです。グリーンやアレンジメントを飾ったり、お気に入りの小物を入れたり、ちょっと変わったインテリアが楽しめます。
ココナツ
南国雑貨には欠かせない素材。殻を使って器やカトラリーなどの雑貨に加工したり、パウダーやミルク状にして食材にしたり、石鹸を作ったりと、様々に利用されます。
(2002年10月作成)
本文中に使用している家具・インテリアの写真はイメージです。当社にてお取扱いのない商品が含まれる場合がございます。また、掲載しました情報はコラム作成当時のものとなりますので予めご了承ください。