ウィンドウトリートメント

「ウィンドウトリートメント」とは、窓回りを装飾的に演出することをいいます。またカーテンやブラインドやローマンシェードやロールスクリーンなどの製品の総称として使われることもあります。

インテリアを引き締める赤

建物には必ず「窓」があります。外の光を取り入れ、換気をし、外とのつながりを持ち、また建物自体の表情を作ってくれます。その「窓」の機能を活かしながら、用途やライフスタイルに合わせ表情をつけていきましょう。
カーテンやブラインド、シェードや障子・すだれなどによって、内側からも外側からも窓を美しく装うばかりでなく、室内の明るさを調節したり、プライバシーを保護したり、また断熱や防音の効果もあります。
また、必ずしも内と外の2本のレールにそれぞれ「ドレープ」と「レース」を掛けなければいけないというわけではありません。外からの視線が気にならない窓ならお気に入りの「レース」だけ掛けても素敵です。和室にブラインドやシェードを合わせるのもよし。自由に「ウィンドウトリートメント」を楽しんでみてください。

カーテン基礎知識

カーテンの役割

カーテンに代表されるウィンドウトリートメントの役割を改めて書くと下の5つに代表されます。

  1. 1.「装飾」 インテリアとして、外からも中からも美しく窓を演出します。
  2. 2.「調光」 明るく開け放したり、遮ったり、光をコントロールします。
  3. 3.「断熱・保温」 夏は熱気を遮り、冬は暖かさを保ち、省エネ効果があります。
  4. 4.「防音」 音を吸収し響きにくくします。
  5. 5.「遮蔽」 外からの視線を遮り、プライバシーを守ります。

カーテンの素材

  • 【アクリル】軽くて暖かく、しわになりにくく、吸水性が少ないので汚れがつきにくい素材。やや毛羽立つのと火災に弱いのが難点。
  • 【ポリエステル】しわになりにくく、縮みにくい、熱に強く取り扱いやすい素材。難点は静電気がおきやすく汚れやすいこと。
  • 【レーヨン】再生繊維と呼ばれ、吸湿性がありさらりとした感触があり、美しいドレープと光沢感がある素材である。耐久性には劣り、縮む恐れがあるのでドライクリーニングがおすすめ。
  • 【綿】ナチュラルな風合いが魅力の天然素材。肌触りが良く通気性があり夏は涼しい。始めのうちは洗濯で縮むものが多いので注意。

カーテンの種類

  • 【ドレープ】一般的な織物の厚手のカーテン。保温性に優れ高級感がある。
  • 【プリント】比較的フラットな生地に柄を後からプリントしたもの。鮮やかな色柄や幾何学模様など多彩なデザインが可能で、個性的な窓作りができる。
  • 【遮光】西日がきつい部屋や寝室向きの日光を遮ってくれるカーテン。等級があり遮光1級は人の顔が判別できないほど日光を遮ってくれます。
  • 【ケースメント】ドレープとレースの中間的なカーテン。レースのように透過性があるが、ドレープのようなボリューム感もある。
  • 【レース】透過性のある薄手のカーテン生地。扱いやすいポリエステル製が多い。色柄や素材も豊富。
  • 【ミラー】光の屈折を起こしやすくする糸を使い、視界や日光を防いでくれるレースカーテン。プライバシーの保護や省エネ、日焼け防止に役立つ。

カーテンの機能

  • 【遮光】遮光性を高めるために特殊な織りや加工を施したカーテン。窓との隙間を防ぐようにカーテンボックスを付けたり、窓を包み込むようにコの字につるしたりすることによって効果はアップします。※遮光カーテンには、生地そのものに遮光機能が付いているタイプと、遮光機能のない生地に遮光裏地を付けることで遮光機能を持たせるタイプがあります。
  • 【ウォッシャブル】ご家庭の洗濯機で洗えます(40℃以下で弱水流)。収縮率や吸湿性の少ない繊維を使っていて、しわになりにくく早く乾きます。
  • 【防炎】火がついても燃え広がらず、チリチリと燃えて自然消火します。
  • 【抗菌・防カビ】カビや有害な菌の繁殖を抑える働きをもつカーテン。
  • 【撥水】水をはじき浸透を防ぐカーテン。シャワーカーテンなど。
  • 【制電】繊維の電気抵抗を小さくし、静電気の発生を防ぐカーテン。

様々なウィンドートリートメント

そのほかにも匂いを防ぐ【消臭機能】、汚れがおちやすい【フレッシュコート機能】など、さまざまな機能付カーテンがあります。売り場でマークを確認し、用途に合わせて選んでください。

「リビングのカーテンはちょっと高級感のあるドレープを」、「子供部屋にはお子さんと楽しめるようビビッドでカラフルなプリントをいくつか用意する」など、お部屋に合わせて選んでみてください。もちろん“寝室には遮光カーテン”と決まっているわけではありません。“朝の日差しの中で目覚めるのが好き”など、部屋の用途やライフスタイルに合ったものをお選びください。

選び方とコーディネートのコツ

カーテン選びとコーディネート

カーテンは大き目のサンプルで選びましょう

柄物はもちろん、無地のカーテンもできるだけ大きいサンプルで選びましょう。小さいサンプルは実際の色より濃く見えがちです。また照明の違いや日光の入り具合、周囲の壁の色などによっても色の見え方は違ってきます。サンプル帳の小さいチップではなく吊りサンプルを、できれば実際に取り付けるお部屋で見てみるのが理想です。

カーテンは部屋を広く見せる!?

例えば縦縞は天井を高く見せる効果があります。小さい柄やパターン柄は広がりを感じさせてくれます。またビビッドカラーよりナチュラルなカラー、濃い色より淡い色のほうが、広がりを感じさせてくれます。逆に、大き目の柄を小さい窓に掛けると、柄のパターンが活かされず窮屈な印象になってしまいます。
左右に広く開放感を取りたい場合は上下に開放するもの(横型ブラインド・ロールスクリーン等)、上下に広く開放感を取りたい場合は左右に開閉するもの(カーテン・縦型ブラインド)が望ましいといわれています。
窓の大きさにぴったりあわせなくても、例えば図のように 床面から80~90cmの高さが窓の下端になる「腰高窓」に天井高いっぱいのカーテンを掛けることで縦のライン(高さ)を強調することができます。

機能性とインテリア性のバランス

デザインばかりを重視して必要な機能が満たされていなかったり、逆に日光をしっかり遮って冷暖房効果もばっちりでも、見た目に味気ないカーテンがかかっていたりするのは機能性とインテリア性のバランスが悪いと感じます。
春夏秋冬の日ざしの具合や風向き、冷暖房効果や外からの視線など、遮光性や断熱性など住まいの快適生活に関わる問題をしっかりおさえた上でのカーテン選びは見た目にも美しく素敵なインテリアになります。
機能性とインテリア性、両方のバランスがうまく取れたウィンドウトリートメントを心がけましょう。カーテンをデザインの一部として見せたいのか、それともプライバシーをしっかり守りたいのか、よく考えて最適なウィンドウトリートメントにしたいですね。

部屋別コーディネート

リビング・ダイニング(LD)

家族の団らんの場でありお客様を迎える公共の場でもあるリビングは、家族らしさを出せる部屋です。あまり個性的になりすぎないよう、全体の雰囲気や統一感に注意しましょう。リラックスできる楽しい部屋を演出するため、ナチュラルカラーや淡いトーンの色を使うといいでしょう。ソファーやラグなどとのカラーコーディネートも忘れずに。
ダイニングには赤やオレンジなどの暖色系を選ぶと、食欲が増し楽しく食事ができます。ひと続きのLDなら全体の統一感を考慮しましょう。テイストが違いすぎるカーテンをかけてしまうと、部屋の印象がバラバラになってしまいます。同じスタイルやカラーでコーディネートしましょう。

ベッドルーム

ブルーやグリーンの寒色系は、心を落ち着かせ深い眠りに誘う安らぎの色です。やわらかなトーンで、おとなしめの柄を選ぶと安らげる空間が演出できます。またパープルやワインなどムードのある配色も素敵です。ベージュやオレンジなど暖色系で暖かみを演出しても良いです。プライベートルームなので、自由にコーディネートしてみてください。日光がどうしても気になる方は遮光カーテンがおすすめです。外光をシャットアウトすると同時に、多少の防音効果もあります。

和室

和の和やかな雰囲気をつくるなら、和風柄やベージュ系のナチュラルな色で落ち着いた窓辺に。素朴で暖かみのある素材を選ぶとより効果的です。 ジャパニーズブルー(ジャパンブルー)と呼ばれる藍色も和室の雰囲気作りには最適です。色をおさえた細かい柄を選ぶといいでしょう。また洋風のモダンな柄も和室に意外とマッチいます。「和室には和風」という観念を打ち破ってみるのもいいのではないでしょうか。

子供部屋

できるだけ自然の環境にしてあげたいので、遮光カーテンはあまりおすすめできません。はっきりとした色使いで楽しい雰囲気をつくりましょう。薄手で柄の種類が豊富なプリントカーテンなら、お子さんも一緒になってカーテン選びを楽しめます。
お子さんの成長は早いので、“これ”と決めてしまわないことです。小学校にあがる頃には勉強に集中できる落ち着いたカラーに、またインテリアに興味を持つようになったらお子さんの好みに任せたり、成長に合わせてウィンドウトリートメントも変化させていきましょう。

カーテンは部屋の中からだけでなく、外から見たときのことも考えるとコーディネートは2倍楽しくなります。同じ壁面、隣り合った窓に同じ柄や同じスタイルがコーディネートされている・・なんていうのも素敵です。
カーテンレールもさまざまな装飾レールがありますので、今のカーテンに飽きたら思い切ってレールごと取り替えてみてはいかがでしょう。

その他の窓装飾

窓まわりの雰囲気を変えるアイテムはカーテンだけではありません。どれを選ぶかで部屋のイメージだけでなく使い勝手も変わってきます。では、それぞれの特徴をおさえて紹介していきます。

ローマンシェード

昇降装置に生地を取り付け、上下に開閉できるようにしたのがローマンシェード。ヒダやギャザーのとり方、ウェーブの間隔、昇降方法などによってさまざまなスタイルがあり、装飾性も高く人気です。レースの代わりにローマンシェードをドレープとあわせても良いでしょう。

ローマンシェードの種類

ブラインド

カーテンと並んで認知度の高いウィンドウトリートメント。開閉のほかに、スラット(羽根)を回転させることで採光を調節することが出来ます。
一般的なのは横型。イタリアのベネチアで生まれ、「ベネシャンブラインド」と呼ばれています。オフィスで使われていて、一般家庭にも浸透しつつあるのが縦型ブラインド。スラット(羽)が窓と垂直(バーチカル)に交わっているので「バーチカルブラインド」とも呼ばれます。
スラットの素材はアルミや木製のほかに、アルミに酸化チタンをコーティングしたお手入れのしやすいものや、ファブリック、カーテン生地を使ったものなどさまざまです。

ロールスクリーン

上部の巻き取り部分に、主に布製のスクリーンを巻きつけていくもの。
カーテンと共に歴史は長く、シンプルなスタイルが愛されつづけています。
ウィンドウトリートメントのほかに、部屋の間仕切りやタペストリーなどとしても使えます。

ロールスクリーン

プリーツスクリーン

ブラインドとロールスクリーンの中間のようなイメージ。
スクリーンにプリーツ(ヒダ)加工が施されていて、開くとヒダがたたまれるように下から上がっていきます。

プリーツスクリーン

用途やライフスタイルにあわせて選びましょう

窓辺の装飾であるウィンドウトリートメントには、このようなさまざまな種類があります。機能性やインテリア性に応じて、適切なスタイルを選んで組み合わせることが素敵な窓辺への近道になります。部屋の模様替えや引っ越しの際に、ぜひこの記事を参考にしてみてください。みなさんも楽しいウィンドウトリートメントの世界に挑戦してみてはいかがでしょうか。


(2004年5月作成)


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