香りをコーディネート

友達の家の玄関で「あれ?」と思うことがありませんか? 何かはわからないけど、嫌ではないけれども、何かがにおう。 ・・・もしかして、私の家もにおってるのかな?・・・ そのにおいは、あなたの家の印象を左右します。
においの原因はさまざまですが、普段暮らしていると慣れてしまって気付きにくくなります。 生活している以上においとの縁は断ち切れません。 ・・・ならば、できるだけ出さず、消したり、追い出したりして、いい香りに変える・・・そう、コーディネートすることが大切です。
急なお客さまがいらっしゃる時は、洗面所をきれいにする前にまず窓を開けましょう! 停滞した空気では、お客さまをおもてなしできませんよ。

においはモトから断ち切りましょう

玄関のにおい

蒸れた靴、靴についた汗や垢から繁殖した雑菌、下駄箱に充満した湿気やほこりや土やカビ、ぬれた傘の湿気やカビ・・・などがにおいの原因。
同じ靴を何日も続けて履かないようにし、なるべく陰干ししてから下駄箱にしまいましょう。雨でぬれた傘はしっかり乾かし、ぬれた靴は丸めた新聞紙を中に入れるなどして湿気を取りましょう。下駄箱は時々換気を。新聞紙を敷いておくと、湿気対策になります。重曹や炭、天日干しした緑茶の茶殻やコーヒーのカスなどを置いておくと、においを消してくれます。

トイレのにおい

便器に汚物や水垢が付着したにおい、床や壁・マットなどに飛び散った尿のにおい、トイレブラシに繁殖した雑菌のにおいなど。
汚れをためないようにこまめに掃除することが第一です。トイレ用洗剤のほか、酢水も効果あり。形が複雑で細かい部分の掃除には、布を巻きつけた割り箸や歯ブラシなどを使ってみてください。尿が飛び散った床や壁も忘れずに水ぶきしましょう。

お部屋のにおい

家族のにおい、ペットやタバコのにおい、料理のにおい、汚れやほこり・カビのにおいなどなど、部屋の中にはさまざまなにおいがあります。
カーテンやカーペット・ソファカバーなどの布製品、表面がザラザラしたもの、でこぼこなものなどににおいが染み付き、部屋に充満します。洗える物はマメに洗い、掃除をし、よく換気しましょう。

身近なものでにおい対策

アルカリ性の重曹は油や酸性のにおいに効果有り。生ゴミにふりかけたり、広口ビンに入れて下駄箱などに置いておくとにおいを取ってくれます。お気に入りのアロマオイルを数滴たらしておくとよい香りもします。茶殻コーヒーカスを天日干ししたものもにおいに効果有り。よく乾かさないと、カビが生えて逆効果になるので注意しましょう。靴のにおいには十円玉。胴がバクテリアを分解してくれます。ただしそのまま履くのは衛生上よくありません。十円玉はキッチンの排水口のぬめり防止にも役立ちます。ほかに、アルミホイルも効果大。軽く丸めてトラップカゴに置いておくと、金属イオンを発生し、細菌の繁殖を防いでくれます。排水口のお掃除には重曹+。重曹を1/2カップふりかけ、酢1/2カップ、熱湯1/2カップをそそぐとシュワシュワと発泡してお掃除してくれます。栓をして30分くらい置いた後、水を流してすすいでください。

空気をリフレッシュしましょう

いちばん簡単なにおい対策は「換気」です。空気を入れ替えることで気持ちもリフレッシュします。自然に換気が出来ていた昔の日本の家屋と違い、現代の家は高気密です。意識して換気をしないと、空気がよどみ、湿気やほこりがたまってにおいのモトとなります。
建材や接着剤のにおいが気になる新築の建物も、しばらく換気することで気にならなくなります。建ててすぐは湿気を多く含んでいるので、乾燥の意味でもしっかり換気しておきましょう。新しい家具も引出しや扉を開け放し、しばらく風を通してください。

ポイントは風の「入口」と「出口」、2ヶ所以上を開けて「通り道」を作ってあげること。できれば対角線上になるように開けましょう。換気扇をまわすときも、風の「入口」となる窓を開けてください。「出口」を全開にし「入口」を15cmくらいの細めに開けておくと、空気の流れがさらによくなります。空気が流れない場所や天井に向けて扇風機をまわすのも効果有り。寒い時期は億劫になりがちですが、1日少しずつでも換気を心がけてください。

掃除して、換気して、尚におう場合は、消臭剤・脱臭剤・芳香剤や空気清浄機などが役に立ってくれます。

お金もかからず即効性のある「換気」

消臭と脱臭と芳香の違い

消臭・・においのモトを化学反応で中和させて消します
脱臭・・においを吸着させて抜き取ります
芳香・・別のよい香りで不快なにおいをごまかします
デオドラント・・細菌の繁殖を抑えて、においを防ぎます

消臭スプレーなどには化学物質が含まれていますから、吸い込んだり目に入れたりしないよう注意してください。脱臭剤には炭がよく使われますが、炭がにおいを取ってくれるのは細孔がにおいの分子を吸着してくれるからです。芳香は、気を付けないとにおいが混ざり合ってかえって嫌なにおいなってしまう可能性もあります。においを消してから使ってください。

香りをコーディネートしましょう

仕上げにお好みの香りでお部屋を演出してみましょう!
よい香りをかぐことで、疲労の軽減・作業効率のアップやストレスの緩和などの効果があります。気持ちが癒され、またお客様のおもてなしにもなります。ただし、それぞれ好みがありますし、強すぎると不快感を感じてしまうこともあります。やりすぎないように注意しましょう。

やさしい香りを心掛けて!

アロマテラピーを楽しむ

香りの演出といえば、すっかりおなじみのアロマテラピー。植物の花・葉・果皮・樹皮・根・種子・樹脂などから抽出した精油(エッセンシャルオイル)を使って、心身を癒し、美や健康を増進する自然療法です。
アロマポットやアロマランプ、アロマディフューザーを使って好きな香りを拡散させれば、気軽に香りを楽しむことが出来ます。その他、バスタイムに5滴程度たらして香りの全身浴を楽しんだり、ハンカチなど身の回りの物に1滴たらして香りを持ち歩いたり、さまざまな楽しみ方が出来ます。また、オイルトリートメント(マッサージ)をしたり、コスメや殺菌・消臭効果のあるハウスキーピンググッズを手作りすることもできます。
精油は口に入れたり直接肌につけたりしないで下さい。また6歳以下のお子さまへの使用は避け、妊婦さんは医師に相談してから使用してください。

おすすめエッセンシャルオイル

ラベンダー

ハーブと花のエッセンスが調和した澄んだ香りで、さまざまな効果があるため万能精油ともいわれます。おやすみ前に使えばとてもリラックスでき、また抵抗力を高め、風邪予防にも効果があります。

ティートリー

とても生命力の高い木から抽出される樹木系の香り。清潔感あふれる香りで、沈んだ気持ちを明るくしてくれます。殺菌消毒作用が強く、免疫力を高めてくれます。

ユーカリ

コアラの主食として知られる常緑樹。シャープですっきりとした香りです。脳内の血流量が増え、しゃきっとリフレッシュします。

ゼラニウム

ミントのような清涼感とバラのような甘さをあわせもつ、上品で清々しい香りです。ストレスなどによる緊張をやわらげ、気分を高揚させてくれます。

ローズマリー

爽快感の強いハーブらしい香り。ノルアドレナリンの放出を促し、頭の回転を良くし、記憶力を高めてくれます。

その他の香りを楽しむ

お花やハーブを飾れば、ほのかに香る自然の香りを楽しむことができます。
お香は和風・エスニックな雰囲気を楽しむこともでき、インテリアのエッセンスに。
香水は香料をアルコールに溶かしたもので、アルコール純度と香料濃度の高い順に 「香水」「オー・デ・パルファム」「オー・デ・トワレ」「オー・デ・コロン」となります。室内用にはアルコール純度と香料濃度の低い「オー・デ・コロン」が向いています。

木の家具にも香りの効果があります

樹木が発散している「フィトンチッド」という揮発性の物質。もともとは樹木が自らの身を守るために発散している物質で、よい香りと共に気分をリラックスさせてくれる森林浴の効果、疲労回復や抗菌、消臭効果などがあります。
木材になってもその効果は消えません。ヒノキ・ヒバ・スギなどには白アリ・ダニ・蚊・カビなどを寄せつけない効果があり、「総ヒバ造りの家には、3年間は蚊が入らない」といわれています。クスノキは樟脳の原料になる木で、防虫・防腐作用に優れています。 「クスノキで作った家具には防虫剤はいらない」 とさえいわれます。


(2010年4月作成)


本文中に使用している家具・インテリアの写真はイメージです。当社にてお取扱いのない商品が含まれる場合がございます。また、掲載しました情報はコラム作成当時のものとなりますので予めご了承ください。

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