ファブリックのメンテナンス

ファブリックとは生地や織物のことです。インテリア業界ではカーテンやカーペットやベッドカバーやソファのカバーの布張りなど布を使ったもの全般のことを指しています。

カーテンやカーペットの汚れはほとんどがほこりによるもの。日々ほこりを溜め汚れていっています。部屋の中でも大きな面積を占めており目を引くアイテムですので、いつも清潔に保ち、インテリアを鮮やかに演出したいもの。ファブリックが薄汚れていては気分も晴れません。すっきりさっぱりとお手入れしませんか?

カーテンのお手入れ

日常のお手入れ

カーテンの汚れの原因は、外からの土ぼこり、家の中の綿ボコリ、煙草のヤニ、台所の煙などによるもの。網戸が汚れているとこすれてその汚れが移ってしまいます。汚れは時間がたつと落ちにくくなるので普段のお手入れが肝心です。 お部屋のお掃除といっしょにホコリを取っておきましょう。掃除機がけをする前にハタキをかける、あるいは洋服ブラシでブラッシング。また掃除機の先に隙間ノズルをつけてホコリを吸い取るのも効果的です。ホコリのたまりやすいひだの部分を重点的に掃除しておきましょう。

汚れてしまったら

カーテンには洗濯表示(取扱い絵表示)がついていますので、必ず確認し表示に従ってお洗濯してください。ウォッシャブルマークのあるカーテンならご家庭の洗濯機で丸洗いできます。

洗濯の仕方

フックを取り外しホコリを払っておきます。ヒダをそろえて屏風だたみにし、さらに二つ折りにします。

[洗濯機の場合]

水量は最大、水流は弱にし、40度以下のぬるま湯か水で洗います。脱水はきれいにたたみなおして1分程度にします。

[手洗いの場合]

30度以下の水で、「押し洗い」で生地に負担をかけないよう優しく洗います。「もみ洗い」はシワの原因になるので避けてください。きれいに洗ったフックをつけ、レールに吊るして干します。軽く下に引っ張り、全体を手でたたくとシワものびます。外に干す場合は必ず陰干ししましょう。

乾いたら「防水スプレー」をかけておくと汚れやニオイがつきにくくなります。汚れのひどいときは40度以下のぬるま湯に30分から1時間程度つけ置きしてから洗いましょう。乾燥機は絶対に使わないで下さい。

効率よくお掃除

カーテンを洗っている間にレールやフックも洗っておきましょう。住居用洗剤をうすめた液で雑巾を絞り、細かい部分まで丹念に拭いた後、水拭きします。
大掃除のときは、カーテンを洗っている間に窓拭きを済ませてしまいましょう。天気のいい日に窓回りのお掃除を一気に済ませ、あとは窓を開けて洗い終わったカーテンを吊るしておけば、風も通るしカーテンも良く乾く。気持ち良いですよ!

カーペットのお手入れ

日常のお手入れ

カーペットの汚れの80%はホコリによるもの。お手入れはまず掃除機をかけることから始まります。カーペットの毛足の中にホコリや小さなゴミが入り込んでしまうと取り除くのが困難。目に見えない部分も意識してすみずみまで丁寧にかけましょう。掃除機はできれば毎日、最低でも1週間に2回はかけましょう。

掃除機のかけ方

毛を起こしたままで

掃除機で押さえつけてホコリを吸い取ろうとするのは逆効果。パイル(表面の繊維の束)の根元に空気を通すように毛を起こしながらかけましょう。

毛並みを確認しよう

手でなでてみてカーペットの色が「薄くなる」方向が毛並みの方向。まず始めに毛並みの方向、続いて毛並みを立てるように逆方向へと二度がけするのが理想です。

ゆっくりゆっくり

理想は1分間で1平方メートル。毛の中まで吸い取るようにゆっくりと掃除機を動かしましょう。

排気に注意

掃除機の排気によるゴミの飛散にも注意しましょう。

もうひと手間

隅にたまったホコリは歯ブラシで

壁や家具の隅にたまったホコリは歯ブラシやミニぼうきでかき出してから。

絡みついたゴミは粘着ローラーで

掃除機のあと粘着ローラーをかければ完璧。絡み付いて吸い取れなかったゴミや排気で舞いおりたホコリを取り去ります。

汚れてしまったら

カーペット全体が薄汚れているようなら拭き掃除できれいにしましょう。月に一度ぐらいの割合で行えばカーペットがきれいなままで長持ちします。軽い汚れであれば、きれいな雑巾を水またはお湯につけ、固く絞って水ぶきします。汚れがひどいようなら中性洗剤か住宅用合成洗剤を、水またはお湯で薄めて使用します。

ふき掃除の仕方

洗剤の溶液を作る

目安は、バケツ半分の水またはお湯にキャップ一杯。使用法、使用上の注意などの確認を忘れずに。必ず事前に隅のほうで試してから使用しましょう。

効果的にふく

カーペットの毛並みと逆方向にふくのが効果的です。円を描くようにふくと汚れが拡散するのでやめましょう。

きれいなぞうきんで

ぞうきんはこまめにすすいで、たえずきれいな面を使うようにしましょう。洗剤の成分がカーペットに残ったままだと、逆に汚れやシミの原因に。水またはお湯で水ぶきし、最後に乾いたぞうきんでからぶきしましょう。

頑固な汚れはカーペットシャンプーで

中性洗剤や住宅用合成洗剤などで落ちない頑固な汚れには専用のカーペットクリーナーを。カーペットに少しずつスプレーして、泡をブラシで一定方向にのばし、乾いた布でふき取ります。

夏素材カーペット

日常のお手入れ

イグサや籐、麻やシーグラスなど夏ひんやり気持ちいい自然素材のカーペットは、吸湿性が高く湿気を嫌います。ホコリをためないようにマメにお手入れしましょう。

  • ・手入れ方法は、普段は柔らかいブラシでブラッシングするか、掃除機でほこりを吸い取ってください。吸湿性が高いので水は避け、柔らかい雑巾で乾拭きします。また湿った状態で使うとカビが生えやすくなります。万一生えてしまった場合は、十分に乾燥させてから消毒用アルコールでふき取ります。
  • ・床暖房や暖房器具などの使用で極端に乾燥してしまうと、表面がささくれ立ったりすることがあります。固く絞った雑巾で、表面に軽く湿気をおぎなってあげてください。
  • ・紫外線の影響で変色・変質する場合があります。また日の当たる部分と当たらない部分があると、部分的に変色する恐れがあります。

手織絨毯

日常のお手入れ

  • ・通常のお手入れはいたって簡単。お掃除のときにいっしょに掃除機でホコリを取ればOKです。時々敷く方向や位置を変えてあげると、均等に踏みならされ、また部分的な日焼けを防ぐこともできます。
  • ・ウールやシルクなどの天然繊維は湿気を嫌うので、時々裏返しにして干してあげましょう。
  • ・家具の跡がついたら、スチームアイロンの蒸気を当てるかぬるま湯で湿らせた布を当てて毛を起こします。毛が飛び出してしまったときは、引き抜かずはさみで切りそろえましょう。

汚れてしまったら

  • ・飲み物などをこぼしてしまったら、すぐに乾いた布で水気をふき取り、固く絞ったきれいな雑巾などで拭きましょう。
  • ・数ヶ月に一度は、バケツ一杯のぬるま湯に中性洗剤をキャップ1〜2杯溶かし、雑巾を固く絞って毛並みの方向に沿って強く拭き掃除して下さい。ウールには塩、シルクには酢を少量混ぜて使うと色落ちを防ぎ、発色を促進してくれます。洗剤分は水で絞ったきれいなタオルでしっかり拭き取ります。
  • ・破れ、虫食い、タバコの焼け焦げ、長時間たった汚れや原因不明の汚れなどは、専門の業者に任せましょう。

こんな汚れは…

酒類

広がらないように汚れた部分に「塩」をのせ、ブラシでふき取った後から水を含ませたスポンジできれいに拭きます。

牛乳

ぬるま湯に浸した布で軽くこすり、洗剤液でふき取ります。熱湯は禁物です。

しょう油、ソース

吸収紙かタオルでできるだけ吸い取り、洗剤液でふき取ります。

ガム

まるめながら摘み取り、ぬるま湯でふき取ります。取れないときはドライアイスや氷で冷やし固め、粉にして取り除きます。

よく乾かしてから掃除機で吸い取り、ぬるま湯でふき取ります。

キリムのお手入れ

起毛のない平織りのキリムはご家庭でお洗濯できます。洗うほどに色が冴えて、落ち着いた色になってきます。

洗濯の仕方

  • ・天然染料を使っているので洗うと色が出ます。お湯で洗うと色がにじむので必ず水で洗ってください。普通の汚れはシルク・ウール共に水で十分落ちます。浴室に広げて踏み洗いか、織り目に沿って軽くブラシで洗います。
  • ・洗剤を使う場合は専用の洗剤か頭髪用のシャンプーを使います。中性洗剤は色がにじむので使用しないでください。ウールには塩、シルクには酢を混ぜて洗うと、色落ちを防ぎしなやかに仕上げてくれます。畳一畳サイズで大さじ1〜2が目安です。
  • ・よくすすぎ、水気を切って干します。小さいサイズならたたんでネットに入れて脱水、大きいものなら湯船のふちなどに掛けて水気を切ると扱いやすくなります。天日干しでも陰干しでも大丈夫です。
  • ・ドライクリーニングは化学薬品で汚れを落とすので、生地を傷めたり変色の原因になったりします。できるだけ水で洗うようにしましょう。

保管

湿気、ホコリをしっかり取り除いておきます。折れないよう芯を入れ、毛足の方向に丸めます。芯の中に防虫剤や乾燥剤を入れておきましょう。湿気に気をつけ、日のあたらない風通しのいい場所に横に寝かせて保管します。

ファブリックは意外に汚れています

日々のお掃除の盲点になりがちなカーテンやカーペットなどのファブリック。
小さい子供が汚れたカーテンやカーペットで遊んだりすると、積もりに積もったホコリを吸い込んでしまう可能性もあります。
年に数回は掃除をして、清潔にしておくと安心ですよ。


(2005年1月作成)


本文中に使用している家具・インテリアの写真はイメージです。当社にてお取扱いのない商品が含まれる場合がございます。また、掲載しました情報はコラム作成当時のものとなりますので予めご了承ください。

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