椅子四方山話6 - 椅子は座って選ぶ -

立っている時、私たちの背骨はS字のカーブを描いています。これが一番楽な姿勢と言われています。

・・・椅子に座ると、骨盤が曲がりS字を保てなくなる。さらには、太ももの裏側が圧迫されて痛くなる。座りつかれて身体を前へ滑らせると、腰の支えがなくなり腰が痛くなる。肩甲骨が背もたれにあたりしびれてくる。体重がかかり座骨が痛くなる・・・

「座る」ということは、実はとても疲れることなんです。
椅子は少しでも「疲れ」をなくし、「座り心地」をよくしようと日夜研究され進化しています。椅子選びは最終的にはお客様の判断。椅子をお選びになるときには、ぜひ納得いくまで座ってみてください。靴のままちょこっと座ってみるだけではダメ。その椅子でくつろぐときと同じ格好で、さまざまな体勢で座ってみてください。
価格・使い勝手・大きさ・安全性・デザインなど、選ぶ基準はいろいろありますが、一番こだわって欲しいのは座り心地。身体を直接支えるものですから、身体にフィットする、自分だけの椅子を見つけてください。

ソファの座り心地

ザノッタ 3人掛けソファ 00-00003-49138-6

ほとんどの場合、休息用・リラックス用にお求めだと思います。深く腰をかけて、背もたれにしっかりもたれてみて、一番楽な姿勢になれるソファを選びましょう。家族全員の身体に合わせることはできないので、背の低い人に合わせると良いでしょう。座面が広いソファを選べば背の高い人もしっかり座れます。

  • ・脚は床につきますか?・・脚が浮いてしまうと太ももの裏側が圧迫されてしまいます。
  • ・お尻は背もたれに届いていますか?・・腰が浮くと余計な負担がかかります。
  • ・背もたれや座面の角度は身体に合っていますか?・・身体がちゃんと固定され、楽な姿勢が取れますか?
  • ・硬さはちょうど良いですか?・・硬すぎてもやわらかすぎても身体に負担となります。

腰が浮いてしまうようなら、クッションを背中に当ててみましょう。大小たくさん用意しておいて、座るたびに微調整してみてください。足が届かない(かかとまで床につかない)場合は、オットマン(足置き)を利用しましょう。クッションなどを足置きにするのも1つの方法です。
マルチカバーをかけて使う場合は、座っているうちにカバーがずれて無理な体勢にならないよう、しっかり挟みこんで固定しておきましょう。

同じ姿勢をずっと続けていると体に負担がかかります。不自然な体勢と気付かずに、長時間続けてしまっていることもあります。特にやわらかすぎるソファは沈み込んだまま動かない場合が多いので、意識して身体を動かしてください。

パーソナルチェアの座り心地

ソファより休息度が高いパーソナルチェア。やはり、深く座って身体を思いっきり預けてみることが大切です。オットマンに脚をのせて、リクライニングを倒してくつろいでみましょう。身体が前にずれてしまうようでは休息になりません。背もたれと座面の角度がちょうど良いか、滑りやすい素材ではないか良く確かめましょう。ランバーサポートといって背骨のS字カーブを座っていても維持できる機能をもったものもあります。
時々体勢を変えられるよう、座面が広く、ある程度の硬さもあったほうが良いと思います。やわらかくふかふかで包み込まれるようなチェアも良いですが、長時間同じ体勢でいるとかえって疲れます。お好みでお選びください。

本を読む・映画を観る・昼寝をする・・・その時々で過ごし方は違うと思います。座面や背もたれは好みの体勢で固定できるか、ヘッドレストはしっかり頭を支えてくれるか、調節できるのかといったところも座りながらチェックしましょう。
もうひとつ、リラックスするにはひじ掛けの存在も重要。アームレストに手を置いたときに高さがちょうど良いか、本を読むことが多いなら肘をついて本がちょうど良い高さになるかなど、試してみてください。

>>「最高の座り心地」 - ストレスレスチェア

ダイニングチェアの座り心地

CT7425 ダイニングチェア 00-00002-61212-6

主に食事をとるための椅子ですが、雑誌や新聞を読んだり、PCをひらいてみたり、お子さんが宿題をしたり、手紙を書いたり・・ダイニングで過ごす時間は意外に多く、さまざまなシーンで活躍します。
正しい姿勢でテーブルに向かうためには、テーブルと座面の高さがあっていることが重要。テーブルの高さから座面高までを「差尺」といい、これが25〜30cmくらい(※)がちょうど使いやすい高さだといわれています。ただ、体格や座り方、好みなどによってちょうどよい差尺は異なります。やはり、実際に座ってみるのが一番!ダイニングテーブルとダイニングチェアを別々にお求めになる場合は特に注意して、売場でしっかり試してみましょう。

※差尺の計算式・・・座高(身長×0.55) ÷ 3 − 約2cm

差尺

深く腰かけて背筋を伸ばしてみて、適度なクッション性があるか、背中をしっかりサポートしてくれるかチェックしましょう。特に腰がしっかりサポートされていると、正しい姿勢を保つことができます。

よく動かす椅子なので、軽くて丈夫で持ちやすいと便利です。使っていないときの椅子と机の収まり具合も確認しておきましょう。

学習チェアの座り心地

KS31-2UB トワイス(アンバーブラウン)チェア  00-00003-39976-7

正しい姿勢を保つには、机と椅子の高さが合っていることがまず第一条件です。お子さんは日々、年々成長するので、机も椅子も高さ調節できるものを選びましょう。正しい姿勢で長い時間楽に座るためには、座面の奥行とステップも調節できるのがベストです。足がぶらぶらしてしまうと落ち着かないですよね。キャスター付の椅子は、座ると固定されて動かなくなるものが安全。回転チェアは立ったり座ったりが楽ですが、お子さんによっては落ち着かない場合があるようです。

実際に使うのはお子さんですから、お子さんが座ってみて座りやすい・使いやすいと感じる物を選んであげてください。座るだけでなく、そのまま棚に手を伸ばしてみたり、ライトを付けてみたり、ワゴンの引出しを引いてみたり・・・実際に机と椅子を使ってみてお選びください。

足腰が弱い方へ

P4390A リクライニングチェア ソフトレザー 00-00003-00935-2

ポイントは座面の高さ・座面の奥行・ひじ掛けの高さが身体に合っていること。
座面が低すぎると立ち上がるときに余計な筋力を必要とします。腰痛持ちには辛い動きです。高い場合は脚を切ることで調節可能な場合もあります(※)。奥行はクッションなどでも調節できます。ひじ掛けは、細すぎると痛いですし、高すぎるとかえって疲れます。立ったり座ったりするときに力をいれて握るので、丈夫で持ちやすく滑りにくいものを選んでください。

※有料にて承りますが、形状や安全性の問題でカットできない場合もございますのでご了承ください。

立つ時に膝から下を手前に引いて前傾姿勢にならないと立ちづらいですから、脚が椅子の下に入りやすいものを選びましょう。
座り心地がよく、体圧を分散する適度なクッション性があることも大切です。
キャスター付の椅子や回転椅子は、立ったり座ったりする時に安定せず危険を伴う場合があるので注意してください。

本文中に使用している家具・インテリアの写真はイメージです。当社にてお取扱いのない商品が含まれる場合がございます。また、掲載しました情報はコラム作成当時のものとなりますので予めご了承ください。

(2010年10月作成)