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採漆・製漆 |
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漆は漆の木に傷をつけ、にじみ出た樹液を採取します。梅雨の時期、6月中旬頃から11月下旬にかけて、1本の木に何度も傷をつけ採取していきます。雨の振る日は作業できないし、毎日同じ木からは採れないので、1日採ったら3日は休ませるというように、自然と対話しながらの作業になります。こうした作業をする掻子は、日本ではわずか50人足らずだといわれています。
1本の木から1シーズンで約200グラムの漆が採れます。汁椀にして約10個分。
採取し終わった漆の木は切り倒されます。翌年には「ひこばえ」という芽が出て、次に漆が採取できるようになるには10年から15年かかります。
木から採取したままの樹液は「アラミ」、「アラミ」から木の皮など不純物を取り除いたものを「生漆(きうるし)」といいます。これを太陽熱か炭火で水分を蒸発させながら(「くろめ」)、質を均一にするためによくかき混ぜる(「なやし」)と、次第に光沢が出てあめ色の半透明になります。こうして精製したものを「透明漆」「木地呂漆」と呼び、これに顔料を加えると、私たちが漆と聞いてイメージする黒や朱の「色漆」になります。
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木地作り |
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漆塗りの土台となるものを「素地」といい、木でつくられた素地を「木地」といいます。
木は一つ一つ性質が違うので、その木の性質を見極め、塗り上がりを予想しながらながら形を作ります。また水分乾燥のために起こる収縮やそりに対応するため、乾燥状態を見極める技術も要します。
一人前になるためには10〜15年の修業が必要になるそうです。
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下地・塗り |
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素地を丈夫にし、漆塗りを美しく仕上げるために、様々な工程で下地作りをします。 |
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・刻苧(こくそ)・・木地の継ぎ目に溝を彫り、そこに刻苧漆を埋めて補強します。
・木地固め・・木地表面に直接、生漆(きうるし)を摺り込み素地を丈夫にします。
・布着せ(ぬのきせ)・・糊漆(のりうるし)をもちいて、麻布や絹布、木綿布を貼ります。
・地付け・・砥(と)の粉と少し粒子の荒い地の粉を漆と水で練り合わしたものをヘラで付けて乾燥させます。
・くくり錆(さび)・・砥の粉を水で練ったものに漆を加えた錆(さび)漆を、補強と美しさを表現するために、付けて乾燥させます。 |
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塗りには「下塗り」「中塗り」「上塗り」があります。
「下塗り」は「中塗り」のくいつきをよくするため、「上塗り」の効果をあげるために、「中塗り」は「上塗り」をより優美なものにするために行われます。いずれも塗りが終わると、漆風呂と呼ばれる高湿度の乾燥室で乾燥させ、塗面を平らにするための研ぎ作業が行われます。
「上塗り」は仕上げ工程です。ホコリがつかないよう注意しながら、ミクロの正確さで厚みを均一に仕上げていきます。薄く、何度も塗り重ねることによって、美しくて堅牢な漆工芸品ができあがります。
乾燥は漆がたれないよう、一定時間ごとに上下させながら行います。
漆風呂の温度は25〜30度、湿度はなんと80〜85%。・・・漆は「水分を蒸発させて乾く」のではなく、ラッカーゼという酵素が空気中から水分を取り入れて、主成分ウルシオールを酸化させることによって「固まる」のです。だから漆風呂は高湿度なのだそうです。
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加飾 |
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上塗りのあとにさらに技法を加えて紋様を描き出すことを「加飾」といいます。 |
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「蒔絵(まきえ)」・・筆を用いて漆液で絵を描き、漆が乾かないうちに金、銀、錫などの金属粉や朱色、黄色などの色粉を蒔いて紋様をあらわす技法です。奈良時代に発祥したとされています。 |

螺鈿 |
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「螺鈿・青貝(らでん・あおがい)」・・アワビや夜光貝の貝殻を薄く削って漆塗りの表面にはりこんだものです。貝の持つ不思議な輝きが美しい紋様となります。 |
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「沈金(ちんきん)」・・刀で紋様を線彫りし、漆をすり込み金箔や金粉を沈めたもの。比較的堅牢な加飾で、実用品にも広く用いられています。 |
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このほか、プラスチック素地とスプレーによる拭きつけ塗装が開発されて、シルクスクリーンのような新しい技法も用いられているようです。 |